「Ubuntu 22.10(Kinetic Kudu)」にて「Ubuntu Unity」が公式フレーバーに

Canonical支援のUbuntu Foundationより英国時間2022年10月20日、Linuxディストリビューション「Ubuntu」の最新レギュラーリリースに相当する「Ubuntu 22.10(Kinetic Kudu、GA版)」がリリースされ、Ubuntu Foundationによる公式ダウンロードページを通じて、x86-64(AMD64)、ARM64(Raspberry Pi)等を対象としたインストールイメージが入手可能となっています(Live CDを そのままインストールCDとして利用する事が可能となっています)。

ファイルマネージャー「Nautilus」のインターフェイスをフレキシブルに改善

開発コードネーム「Kinetic Kudu」として開発が進められていた当版では、ファイルマネージャー「Nautilus」のユーザーエクスペリエンスが改善され、ウインドウサイズの変更に応じて、コンテンツのレイアウト(カラムの表示、非表示)等がフレキシブルにアレンジされるようになりました。この改善によって、ウインドウサイズを従来よりも小さく縮小する事が可能となりました。また、メニューの構成の見直しも行われています。

また、シャットダウンや再起動、サスペンド等のパワーオペレーションやディスプレイのロック、サウンドのボリューム管理等、比較的使用頻度の高い機能へのアクセスを集約したシステムメニューが、macOS、iOSにおける「Control Center(コントロールセンター)」に寄せたボタンベースのインターフェイスデザインに変更されています。

Linuxカーネル、公式フレーバー、日本語 Remix

GAリリース時において「Linux Kernel 5.19.0」を実装する Ver. 22.10では、当エントリーにて紹介しているGNOME版の他に、デスクトップ環境、パッケージ構成等の異なる公式フレーバーとして、「Kubuntu 22.10(KDE Plasma)」「Xubuntu 22.10(Xfce)」「Lubuntu 22.10(LXQt) 」「Ubuntu MATE 22.10(MATE)」「Ubuntu Budgie 22.10(budgie-desktop)」「Ubuntu Unity(Unity)」等も併せてリリースされています。

尚、「Ubuntu Budgie 22.10」では、Raspberry Piに向けたインストールイメージも提供されており、Wordpressで構築された公式サイトは、2020年のデフォルトテーマ「Twenty Twenty」をベースとしたものに再構築されています。

通常版としてリリースされている当版では、2023年7月までの9ヶ月のサポート期間が設けられており、Ubuntu Japanese Teamからは、ライブ環境での日本語サポート、及び同チームによる追加パッケージ等を含む「Ubuntu 22.10 日本語 Remix」もリリースも予定されています。

仮想マシンへのインストール

仮想マシンへのゲストOSとしてのインストールプロセスに大きな変更はありません。これまでにポストした記事を御参照下さい(「Ubuntu 20.10」を「Parallels Desktop 16」にインストール「Ubuntu 22.04」を「VMware Fusion 12」にインストール)。

仮想化ソフトウェア側で正式なサポートがアナウンスされるまでは、インストールプロセスの途中で進まなくなったり、インストールが完了しても、ゲストOS拡張機能が対応していないとフル機能を体験する事ができない等の状況もあり得る事を御了承下さい。

「Unity 7」をベースとした「Ubuntu Unity」が新たな公式フレーバーに

「Ubuntu 22.10(Kinetic Kudu)」では、「Unity 7」をベースとした「Ubuntu Unity」が新たな公式フレーバーとして迎え入れられました。「Unity」は、2010年から2016年にかけて、CanonicalがUbuntuのデフォルトのデスクトップセッションとして実装した後、コミュニティよって開発が引き継がれています。