「Parallels Desktop 19(19.0.0)」リリース、「macOS Sonoma」に対応

AlludoグループのParallels International GmbHより米国時間2023年8月21日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」のアップグレードリリースに相当する「Parallels Desktop 19 for Mac 19.0.0 Build 54570(GA版)」がリリースされ、現在Parallelsによる公式ダウンロードページを通じて、日本語含む11言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています(サブスクリプションユーザーは、追加のコストを伴わずしてアップグレード可能となっています。また、アプリケーションをアクティベートする際には、インターネット接続環境が必要となります)。

Linux(ゲストOS)を対象として、x86-64のエミュレーションに対応

米国時間2023年6月1日よりテストリリース(プライベートベータ「pdfm 2023 TP」)が開始されていた当版では、一連のテストリリース(「June Technical Preview 1 Build 54412」~「June Technical Preview 4 Build 52893」)を通じた主な特徴として、以下の項目等が示されています(「Parallels Desktop 18.3.0」からの主な変更点となります)。

サポート対象オペレーティングシステムの追加

  • Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Sonoma(macOS 14)」を ホストOS、ゲストOSとして試験的にサポート(ゲストOSとしては、Mac App Storeから入手可能なインストーラー(.app)、或いはリカバリーパーティション(APFS(Apple File System))を通じてインストール可能。インストーラーパッケージに含まれる「InstallESD.dmg」を抽出する必要はない)。「macOS Sonoma(macOS 14)」の正式リリース後には、ParallelsのサポートステータスもGAに昇格する予定
  • Linux(ゲストOS)サポートの改善。ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon」をホストコンピューターとした環境において、「CentOS 9 Stream(for Arm)」をゲストOSとして試験的にサポート

macOS(ゲストOS)関連の改善(Apple silicon)

  • Apple Silicon(Apple M1、Apple M2)ホストにおいて、Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Sonoma(macOS 14)」をゲストOSとしてセットアップして実行する事が可能に
  • 「macOS Mojave(macOS 10.14)」以降のmacOS(ゲストOS)を対象として、コンソールウインドウのサイズに合わせて ゲストOSの解像度を動的に調整可能なダイナミックレゾリューションをサポート
  • 「macOS High Sierra(macOS 10.13)」以降のmacOS(ゲストOS)を対象として、マルチタッチジェスチャーをサポート
  • macOS(ゲストOS)を対象として、複数のコマンドラインツールをサポート(「start」「pause」「resume」)等
  • 「Help(ヘルプ)」メニューから、開発元(Parallels)に対してテクニカルデータを送信するためのオプションを追加
  • macOS(ゲストOS)のセットアップ中、或いは「Windows 11(ゲストOS)」の実行中に、ゴーストUSBデバイスが表示され得た問題を修正
  • 仮想マシンをポーズ(一時停止)した場合に、ユーザーインターフェイスのオーバーレイが適切にかからないケースが確認されていた問題を修正
  • Apple Silicon(Apple M1、Apple M2)ホストにおける「macOS Sonoma(macOS 14、ゲストOS)」にて、ポートフォワーディングに対応(ネットワーク環境設定(「Parallels Desktop」>「Preferences…(環境設定…)」>「Network(ネットワーク)」)において、ポートフォワーディングルールを構成可能)

Windows(ゲストOS)関連の改善

  • 「Windows 11(ゲストOS)」において「Raft」を実行した場合に、オブジェクトが消失する問題を修正
  • 「Windows 11(ゲストOS)」において Coherence(コヒーレンス)モードに遷移した場合に「Microsoft Office」のウインドウが表示されないケースが確認されていた問題を修正
  • ホストOSにおけるデフォルトプリンタ、及び構成されている全てのプリンタを ゲストOSにおいて自動的にピックアップ可能なドライバレスプリンティング(プリンター共有)機能において、PostScriptの代わりにインターネット印刷プロトコルが使用されるべくした改善を適用(Windows(ゲストOS)から印刷する場合には、バグ報告を頂ければ幸いです)
  • 「Microsoft Edge」において「command」+「W」キーコンビネーションを使用した場合に、アプリケーションの終了ではなく、タブが閉じられるべくした変更を適用
  • Coherence(コヒーレンス)モードにおいて、スナップされたウインドウのサイズを変更する事ができない問題を修正
  • 「Vectorworks Vision 2023」を起動する事ができないケースが確認されていた問題を修正

Linux(ゲストOS)関連の改善

  • Debian 12(Bookworm)に対するサポートを全般的に改善
  • Apple Silicon(Apple M1、Apple M2)ホストにおいて、「СentOS 9 Stream(ARM)」をサポート(現時点でサウンドサブシステムには非対応)
  • Appleによるx86-64バイナリートランスレーター「Rosetta 2」の下支えにて、Apple Silicon(Apple M1、Apple M2)ホストにおけるLinux(ゲストOS)に限定して、x86-64ベースのゲストOSをエミュレーションにて実行可能に(「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Hardware(ハードウェア)」>「CPU & Memory(CPUおよびメモリ)」ペインに、当該機能を有効化するためのチェックボックスを配置)。フリーシステムカテゴリー(「Installation Assistant(インストールアシスタント)」>「Free Systems(無料システム)」セクション)から構成済みの仮想アプライアンスをダウンロードする事によって、容易に試用する事が可能となっている

開発ツールとインストールプロセス

  • 最新の開発ツール、及びAPIを使用して構築し、アプリケーションのコアを刷新
  • インストールプロセスの改善。Touch IDを使用して、Parallels Desktopのインストールを認証可能に(Touch IDを搭載した、あらゆるMacにおいて動作可能)

ユーザーインターフェイス関連の改善

  • 最新のmacOSデザインガイドラインを反映した新たなアプリケーションアイコンを採用(「Parallels Desktop for Mac App Store Edition」は、先行して対応済み)
    「Parallels Desktop 19」のアプリケーションアイコン
  • 各種のアイコンを中心として、ユーザーインターフェイスのデザインをアップデート

3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善

  • Windows(ゲストOS)において、「OpenGL 4.0」をサポート(同時に、「Windows 10」「Windows 11(何れもゲストOS)」におけるCADソフトウェアを主対象として、「OpenGL 4.1」のサポートも改善)
  • ESRIによるGIS(Geographic Information System、地理情報システム)ソフトウェア「ArcGIS」等を対象として、MicrosoftによるマルチメディアAPI「DirectX」のグラフィックパフォーマンスを改善

デベロッパーツール(開発ツール)の改善

  • Apple Silicon(Apple M1、Apple M2)ホストにおけるmacOS(ゲストOS)、Windows(ゲストOS)にて、HashiCorpによるコマンドラインツール「Packer」をサポート
  • コマンドラインユーティリティ「prlctl」の「create」コマンドを使用して、Apple Silicon(Apple M1、Apple M2)ホストにおいて macOS(ゲストOS)をインストール可能に
  • Packerテンプレートをスクリプト化するための、「prlctl send-key-event」コマンドを使用して、キーボードから発せられるキーイベント(キープレス/キーリリース)を送信可能に

全般的な改善(その他のコンビニエンスな機能)

  • 仮想マシンのアンアーカイブ、アンパッキング時におけるユーザーエクスペリエンスを改善
  • Safariプラグインを「Open in Edge」にリネーム
  • 任意のスナップショットノードへロールバックする際に発せられる警告ダイアログに、「Do not show again(今後は表示しない)」チェックボックスを追加

※上記のリストは、「Parallels Desktop 19 for Mac Pro Edition」を対象としていますので、「Standard Edition(通常版)」には実装されない機能も含まれています。

「Parallels Desktop 19 for Mac」において廃止された機能

Parallels Customer Experienceプログラムに参加しているユーザーからの統計によると、一部の機能はほとんど使用されていないか、全く使用されていないという現状があるため、それらの機能のサポートを停止するか、或いはParallels Desktopから完全に削除し、使用頻度の高い機能と更なる機能強化に重点を置く事が決定されました。削除された機能は「Parallels Desktop 19」において使用する事ができなくなり、サポートを終了した機能に関しては 引き続き動作はしますが、次の製品バージョンにおいて完全に削除される予定となっています。

どの機能が削除され、どの機能が廃止されたかを以下のリストに纏めています。

  • 「macOS Mojave(macOS 10.14)」「macOS Catalina(macOS 10.15)」「macOS Big Sur(macOS 11)」のプライマリーOS(ホストOS)としてのサポートを終了
  • 「Windows 8.1」以前のサポートを終了。MicrosoftがレガシーなWindows OS(「Windows 2000」「Windows XP」「Windows Vista」「Windows 7」「Windows 8」「Windows 8.1」)のドライバー署名のサポートを停止したために、これらのOSのメンテナンス、及びセキュリティアップデートを受ける事ができなくなった。結果として「Parallels Desktop 19」では、前記のレガシーなWindowsに対して ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」をインストールする事ができなくなった。「Parallels Tools」をインストールしなくても、前記のレガシーなWindows(ゲストOS)をインストールして実行する事は可能だが、これらはサポート対象外となり、Windows(ゲストOS)の自動インストール機能、Coherence(コヒーレンス)モード、グラフィックス、及びゲームアプリケーションのアクセラレーション、幾つかの共有、統合機能(共有フォルダー、共有アプリケーション、共有プロファイル等)が適切に機能しない(或いは満足のいくパフォーマンスを得る事ができない)状態になる事が想定される
  • Windows(ゲストOS)から、PDFファイルへの印刷オプション「Print to PDF(Mac Desktop)」を除去(代替えとして、Microsoftによる「Print to PDF」オプションを使用するように呼びかけられている)
  • Intelホストに向けて実装されていた「Transfer Windows from PC(PCからWindowsを転送)オプションを除去
  • 「Parallels Desktop」>「Preferences…(環境設定…)」>「Check for Updates(更新をチェック)」において、更新頻度を指定するためのドロップダウンメニューを除去

上記の機能(「Parallels Desktop 19 for Mac」において廃止された機能)はビジネスクリティカルな機能ではないと想定しているため、これらの変更が及ぼす影響は限定的であると想定されています。

システム要件について

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター(Intel、Apple silicon)、ホストOSは「macOS Monterey(macOS 12)」「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」となっています。「Parallels Desktop 18 for Mac」にてサポートされていた「macOS Mojave(macOS 10.14)」「macOS Catalina(macOS 10.15)」「macOS Big Sur(macOS 11)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「Mac OS X Server 10.5」〜「macOS Sonoma(macOS 14)」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。