「ForkLift 4(4.0.0)」リリース、Dropbox、OneDriveをサポート

BinaryNights LLCより米国時間2022年8月9日、macOSベースのファイルマネージャー、FTPクライアント「ForkLift」のアップグレードリリースに相当する「 ForkLift 4.0.0 Build 400(GA版)」がリリースされ、現在BinaryNightsによる公式ダウンロードページを通じて、英語含む11言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています(ハイブリッドライセンスのユーザーは、追加のコストを伴わずしてアップグレード可能となっています)。

UIをSwiftにて再構築し、Dropbox、OneDrive、Amazon S3をサポート

米国時間2023年4月4日よりテストリリース(パブリックベータ)が開始されていた当版では、一連のテストリリース(「Beta 1 build 401」~「」)を通じた主な特徴として、以下の項目等が示されています(「ForkLift 3.5.8」からの主な変更点となります)。

  • ユーザーインターフェイス(GUI)関連の改善。継続的なアップデートとメンテナンス性の向上を目指すべくして、コードをオーバーホール。UIの約80%をSwiftUIにて再構築し、新たにテーマ機能を実装
  • クラウドサービスに対する対応の拡充。Dropbox、Microsoft OneDrive、Amazon S3(Amazon Simple Storage Service)に対してダイレクトに接続可能に
  • セキュリティ関連の改善。「ForkLift 3」では、パスフレーズで保護された秘密鍵を使用するために、ユーザーは鍵を手動でキーチェーンに追加し、構成ファイルを変更する必要があったが、「ForkLift 4」では、通常のパスワードと同様に「Connect」パネルにパスフレーズを入力するだけでセキュアに接続する事が可能となった
  • 一部特定状況下において、NAS(Network Attached Storage)デバイスが応答しない場合に、アプリケーションがハングするケースが確認されていた。この問題は、バックグラウンドにおいてNAS(Network Attached Storage)と通信しようとしたが、当該のデバイスが応答しなかった場合に発生していた。また、進行中の多くのアクティビティによってSPOD(Spinning Pinwheel of Death、ビーチボール)が発生するケースも確認されていたが、この問題に熱心に取り組んだ結果、現時点では「ForkLift 4」が、競合他社よりも遥かに上手くこの問題に対処していると誇らしげに言える
  • 同期の高速化とフィルタリングの改善。同期前の分析フェーズに要する時間が大幅に短縮され、ユーザーは 同期を実行するために分析されているフォルダー数を表示するリアルタイムカウンターを通じて、進行状況に関するフィードバックを即座に受け取る事が可能となっている(同期機能は、前版よりも大幅に高速化された)。尚、「ForkLift 3」においては、フィルターがフィルター基準に一致する項目のみを保持するポジティブフィルタリング (フィルターを含む) が使用されていたが、当版では、同期ウインドウにおいて項目をフィルタリングする方法が変更されている
  • フィルター条件に一致するアイテムがフィルタリングされ、一致しないアイテムのみが同期されるネガティブフィルター(除外フィルター)を採用(この場合のフィルター条件は、ファイル、フォルダー、或いはその両方に適用する事が可能)。この逆のアプローチでは、明確に学習曲線(ラーニングカーブ)が急になるものの、より複雑なフィルタリングが可能となった。また、開発サイドがパフォーマンスの改善に重点を置いた結果、ファイルキャッシュが大幅に改善され、macOSが提供する新たなテクノロジーを活用する事によって、同期の効率も最適化する事が可能となった
  • 「ForkLift 4」の新機能による生産性の最大化。「iCloud Drive」を通じた「favorites(お気に入り)」の同期、無制限のbashスクリプトを実装したカスタマイズ可能なツール、及び動的なプレビューペインを実装。「ForkLift 3」までは「Dropbox」を通じた「favorites(お気に入り)」の同期機能を提供していたが、「Dropbox」の無料プランではデバイス数に制限(3台)がある事、及び同期にサードパーティーサービスを使用する事に関して、一部のユーザーから懸念が表明された事を理由に、「Dropbox」を通じた「favorites(お気に入り)」の同期機能を廃止する事とした(全てのMacユーザーはApple IDを所有しているとの前提のため、「iCloud Drive」を使用して「favorites(お気に入り)」を同期する事が可能と想定する)
  • 「ForkLift」におけるツール機能は、一部のユーザーには見落とされているかもしれないが、パワーユーザーにとっては貴重なリソースとなっている。以前はツールに制限があったものの、「ForkLift 4」ではその制限が撤廃され、bashスクリプトを使用してカスタムツールを作成する事が可能となった。ユーザーは「Terminal(ターミナル、/Applications/Utilities/Terminal.app)」を通じて実行する場合と同様に、複雑なコマンドを実行する事が可能となった
  • SSH(Secure Shell)の識別エージェント、及び構成ファイルをサポート
  • オブジェクト指向のスクリプト言語「Apple Script」をサポート
  • 「Connect」パネル、「Favorites」マネージャー、パスバー、サイドバーを完全に再デザイン
  • ツールバーに対してフレキシブルなスペースを追加
  • 左サイドバーのドライブ情報の隣に表示されている、空き領域の情報を非表示とするためのオプションを追加(「View(表示)」 > 「Hide Device Info(デバイス情報を非表示)」)
  • パスバーとタイトルバーの表示、非表示を切り替えるためのオプションを追加
  • Info(情報)ウインドウ(「Preview(プレビュー)」ペイン、或いは「Get Info」ウインドウ)をスタンドアロンのウインドウとして、また、「Preview」ペインの一部として完全に再デザイン(権限の変更を有効にするには「Apply(適用)」を実行する必要がある)。新機能として、Info(情報)ウインドウにおいてフォルダーサイズの計算やアプリケーションのバージョンナンバーの確認等も可能となった
  • テンキーにおける「Enter」キーを単一のキーとして、或いは他の修飾キーと組み合わせて使用する事が可能に。テンキーにおける「Enter」キーは、設定で変更されるまで「Return」キーとして機能するようになった。ナビゲーションを容易にするためには、「Favorite」マネージャーに「Select」と入力する
  • メニューにおけるビューの順序が、macOSの「Finder」と同じになるべくした変更を適用
  • 複数の項目が選択されている場合に、メニュー項目の「Copy Path」が、複数形の「Copy Paths」と表示されるべくした変更を適用
  • 「Connect」パネルに対して、Base URL、及び「Note」フィールドを追加
  • 「esc」ボタンにて、「Connect」パネルをクローズ可能に

「Preview(プレビュー)」ペインのリフレッシュについて

「ForkLift 4」では、象徴的なインターフェイスの改善として、メインウインドウの右端に配置されている「Preview(プレビュー)」ペインがリフレッシュされ、「Preview」「Activities」「Logs」の3種の異なる情報パネルをタブにて切り替えて表示する事が可能となりました。

この「Preview」ペインでは、上部にファイルのプレビューが、下部に詳細な情報が各々表示され、情報ウィンドウとして活用する事が可能となった他、ファイル情報には「Get Info(情報を見る)」ウインドウに表示される全てのデータと各種のメタデータが併せて表示され、編集可能なフィールド(パーミッション(権限)、オーナー(所有者)、タグ等)を直接編集する事も可能となっています。

また、「Preview」ペインにおいて「Activities」を開く事も可能となっており、これは「Activities」ポップアップとは異なり、別の場所に移動するまで開いたままの状態となります。こうする事によって、進行中のアクティビティを常に監視する事ができるようになっています(成功したアクティビティと失敗したアクティビティを含む、全てのアクティビティログを表示する事が可能)。

サブスクとは違う、ハイブリッドライセンス

「ForkLift 4」は、サブスクリプションとは少し異なる、ハイブリッドなライセンス体系(プライスモデル)を採用しています。

これは、初回購入時に一定期間(1年間、2年間)のフリーアップデートの権利が付属し、その期間が過ぎるとラインセンスを更新するか、或いはアップデートを止めるかの選択になります。サブスクリプションと違うところは、ラインセンスを更新しなくてもアプリケーション自体が使えなくなる訳ではなく、その後も同じバーションをライフタイムにて継続して使用する事が可能となっています。

同様のライセンス形態は、FTPクライアントの「Filezilla Pro」、コーディングエディターの「Panic Nova」等においても採用されています(「Filezilla Pro」は、公式サイトから購入したライセンスがこのプライスモデルとなります。App Store版は、通常のサブスクリプションモデルを採用しています)。

尚、旧版のユーザーはシリアルを申請する事によって、アップデート期間が100日(長期間使用しているユーザーは200日)間ほど延長されます。

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、ホストOSは「macOS Monterey(macOS 12)」以降(「macOS Sonoma(macOS 14)」を含む)となっています。「ForkLift 4」にてサポートされていた「macOS Sierra(macOS 10.12)」「macOS High Sierra(macOS 10.13)」「macOS Mojave(macOS 10.14)」「macOS Catalina(macOS 10.15)」「macOS Big Sur(macOS 11)」は対象外となりますので御注意下さい。