「Monterey Beta」と「Parallels Desktop 16.5」

世界開発者会議「WWDC 2021(Worldwide Developers Conference 2021)」において「iOS 15」「iPadOS 15」等と共に発表され、FaceTimeにおける「SharePlay」、各種のインプットデバイス(キーボード、タッチパッド、マウス等)を別のmacOS、iOSデバイス(iPad)と共有可能な「Universal Control(ユニバーサルコントロール)」の実装等が予定される、Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Monterey 12.0」ですが、米国時間2021年6月14日付にて公開されたParallels Blog(公式ブログ)を通じて、同オペレーティングシステムのBeta版(プライベートベータ)を macOS(Mac OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop 16 for Mac」にゲストOSとしてインストールする手順等が概説されていますので、そのプロセス等を簡単に纏めてみたいと思います。

ゲストOSとしてインストール可能なアーキテクチャーはIntel版のみ。現時点でApple M1(Apple Silicon)には非対応

「Parallels Desktop 16 for Mac」は、米国時間2021年4月15日付にてリリースされた「16.5.0 Build 49183(Intel)」「50692(Apple Silicon)(現行GA版)」の段階において、「macOS Monterey Beta」を正式にサポートしていませんが、Intel版においては ゲストOSとしてインストール(試用)する事が可能となっています。

一方で、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon」に対応したmacOS(macOS for Apple M1 chip)は、現時点でゲストOSとしてのmacOSのインストールに対応していません(ホストOSとしては公式にサポートされている「macOS Big Sur 11.0」も、ゲストOSとしてのインストールには対応していません)。

「Monterey Beta(Intel)」をParallels仮想マシンにインストールするには

現時点で、「macOS Catalina 10.15」「macOS Big Sur 11.0」等、公式にサポートされているmacOS for IntelをゲストOSとしてインストールする場合には、以下の3種のメソッドが確立されています。

  • 新規にブランクの仮想マシンを作成し、Mac App Storeから入手可能なインストーラー(Install macOS (name).app)からクリーンインストール(この場合には、インストーラーパッケージに含まれる「InstallESD.dmg」を抽出する必要はない)
  • 新規にブランクの仮想マシンを作成し、macOSのリカバリーパーティションからインストール
  • アップグレード要件を満たしている既存のmacOS(ゲストOS)からアップグレードインストール

シニアプロダクトマネージャーのKurt Schmucker氏は、「macOS Monterey 12.0」の開発ステージがGAに達し、正式にリリースされるまでに、上記の全てのメソッドをフルサポートする意向を示していますが、現時点では 既存のmacOS(ゲストOS)からアップグレードする三つ目の手法にて、ゲストOSとしてのインストールに成功したと報告しています。

尚、現時点におけるインストーラーのファイルサイズは約11.78GB、結果として得られるVMのサイズは約28GB。氏の環境では、ダウンロード時間を含むプロセス全体に、約7時間を要したと伝えられています。