「VirtualBox 6.1.24」リリース、「Linux Kernel 5.13」をサポート

Oracle Corporationより米国時間2021年7月20日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.1.24 Build 145767(VirtualBox 6.1 Maintenance Release 24)」がリリースされ、現在プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

「SLES/SLED 15 SP3」のカーネルをサポート

Ver. 6.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(「VirtualBox 6.1.22」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • ストレージ関連の改善。30基以上のVirtIO SCSIポートを実装した仮想マシンに対してデバイスを接続した場合に、当該仮想マシンが適切に起動されなかった問題を修正
  • DVDメディアのシグナリングの変更を改善(「VirtualBox 6.1.22」におけるリグレッション)
  • シリアル関連の改善。一部特定状況下において、ゲストOSが割り込みを見逃すケースが確認されていた問題を修正(「VirtualBox 6.0.0」におけるリグレッション)
  • オーディオ関連の改善。複数の修正、及び機能強化
  • ネットワーク関連の改善。リンクが切断された仮想マシンをレジュームした後に発生し得た、virtio-netの接続性に関連した問題を修正
  • 最初のフラグメントの最後に8バイトのペイロードが欠落していた、UDP GSO(User Datagram Protocol Generic Segmentation Offload)フラグメンテーション関連の問題を修正
  • Windows Serverの最新版を対象として、仮想マシンの構成を変更
  • 「Oracle VM VirtualBox Extension Pac」関連の改善。Linuxにおいて発生し得た、USB Webcamパススルーに関連した問題を修正
  • ホスト、及びゲストドライバー(vboxdrv)に起因して発生し得た、軽微なメモリーリークを修正
  • ホストOS、ゲストOS双方において、「Linux Kernel 5.13」をサポート。これに伴い、5-levelページテーブルが有効化されていた場合に、致命的なエラー(Guru Mediation)が発生して、当該システムがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • And many others…

現在、アクティブにメンテナンスされているのは、Ver. 6.1のみになります。旧版を対象としたアップデートリリースは行われていません。

Apple Siliconへの対応について

当版(macOSホスト)は Intelアーキテクチャーのみのサポートとなり、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon(Apple M1)」には対応していません。「macOS Big Sur 11.0」において実装されているバイナリトランスレーター「Rosetta 2」においても、Kernel Extension(カーネル拡張)、及びx86-64ベースの仮想マシン、仮想化ソフトウェアはサポートされない伝えられています。

「VirtualBox 6.1.26」リリース

米国時間2021年7月28日付にて「Oracle VM VirtualBox 6.1.26 Build 145957(VirtualBox 6.1 Maintenance Release 26)」がリリースされました。

Ver. 6.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(VirtualBox 6.1.24)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • VMSVGAの改善。保存された状態(スナップショット)からリストアした後に、コンソールウインドウのリサイズ事にスクリーンアーチファクトが生じ得た問題を修正
  • ストレージ関連の改善。CD/DVDイメージの特定のキューシートに向けて、オーディオエンディアンを修正
  • VBoxHeadlessの改善。ホストOSのシャットダウン時に、実行中の仮想マシンの状態が保存されるべくした改善を適用
  • コマンドラインユーティリティ「VBoxManage」関連の改善。自動インストール機能に向けて、「Ubuntu 20.10(Groovy Gorilla)」のISOイメージの検出性を改善(「VirtualBox 6.1.24」におけるリグレッション)

現在、アクティブにメンテナンスされているのは、Ver. 6.1のみになります。旧版を対象としたアップデートリリースは行われていません。また、macOSホストはIntelアーキテクチャーのみのサポートとなります。ホストOS、ゲストOS共にApple Silicon(Apple M1)では(は)動作しませんので御注意下さい。