Oracle Corporationより米国時間2022年10月20日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 7 Update 0 Hotfix 2」がリリースされ、プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS(Intel)、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。
Ver. 7.0を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(VirtualBox 7.0.0)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
- コマンドラインユーティリティ「VBoxManage」関連の改善。拡張パック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)がインストールされていない場合に、「VBoxSVC」コマンドが応答しなくなるケースが確認されていた問題を修正
- 仮想マシンの起動時にエラー(VERR_NEM_MAP_PAGES_FAILED)が引き起こされ得た、「macOS Catalina(macOS 10.15)」の「Hypervisor.framework」におけるバグの回避策を追加
- macOSホストにおいて、内部ネットワークのサポートを試験的に再導入
- macOSホストにおいて、ゲストOSがマイク、或いはWebカメラにアクセスしようとした場合に、仮想マシンがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
- 共有クリップボードの改善。Windowsにおいて、ゲストOSが4Kbのホストクリップボードバッファーにしかアクセスする事ができなかった問題を修正
- ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。「Guest Additions(Linux)」において、「Linux kernel 6.1」を初期サポート
- VBoxClientシームレスサービスによって、一部のX11アプリケーション(「Fedora 36」におけるLXQtデスクトップ等)がクラッシュするケースが確認されていた問題を修正(Linux Guest Additions)
- ユーザインターフェイス(GUI)関連の改善。Vistaスタイル、及びSQLドライバーに向けて、欠落しているQtライブラリーを修正(Windowsホスト)
- 誤ったログファイル(VBox.log)が保存される原因となっていた、ログビューアーの不具合を修正
システム要件と「macOS Catalina」における既知の問題について
当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、Intel版におけるホストOSは「macOS Catalina(macOS 10.15)」「macOS Big Sur(macOS 11)」「macOS Monterey(macOS 12)」となっています。Ver. 6.1にてサポートされていた「macOS High Sierra(macOS 10.13)」「macOS Mojave(macOS 10.14)」は 対象外となりますので御注意下さい。
当版における既知の問題点として、複数のvCPUが構成されている仮想マシンが、未知のメモリー破損の問題によって「macOS Catalina(macOS 10.15)」で正しく動作しない問題が確認されています。この問題を回避するためには、vCPUのコア数を1基に減らす(シングルプロサッセー構成)か、問題が発生しない「macOS Big Sur(macOS 11)」以降にアップグレードするかの何れかのソリューションが提案されています。