「Parallels Desktop 18.1.0」リリース、「macOS Ventura」をフルサポート

AlludoグループのParallels International GmbHより米国時間2022年11月1日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop 18 for Mac 18.1.0 Build 53311(Parallels Desktop 18 Update 1 Hotfix 0)」がリリースされ、現在Parallelsによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデーター(「Parallels Desktop」>「Check for Updates…(更新をチェック…)」)を通じて、日本語含む複数言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。

「Stage Manager(ステージマネージャー)」に関連した問題等を修正

Ver. 18を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、Appleによるデスクトップオペレーティングシステム「macOS Ventura(macOS 13)」が、ホストOS、ゲストOSとして正式にサポートされました。その他にも機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(Parallels Desktop 18.0.3)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

「macOS Ventura(macOS 13)」に向けた改善

  • 仮想マシンのアクティビティインジケーターが、正しく配置されていなかった問題を修正
  • 「Stage Manager(ステージマネージャー)」が有効化された環境でCoherence(コヒーレンス)モードを使用した場合に、Windows(ゲストOS)の「Start(スタート)」メニューが適切に開かないケースが確認されていた問題を修正
  • 「Stage Manager(ステージマネージャー)」が有効化された環境でCoherence(コヒーレンス)モードを使用した場合に、Windows(ゲストOS)アプリケーションのウインドウを移動すると、その下にあるウインドウが前面に表示されるケースが確認されていた問題を修正
  • 「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Hardware(ハードウェア)」>「USB & Bluetooth(USBとBluetooth)」>「Share Bluetooth device with Windows(WindowsとBluetoothデバイスを共有する)」が有効化された環境において、仮想マシンがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正

「Windows 11」に向けた改善

  • 一部特定状況下において、 Windows Update「KB5012170」のインストールに失敗するケースが確認されていた問題を修正
  • macOS(ホストOS)のユーザー名に国際記号が含まれている場合に、「Windows 11(ゲストOS)」の「Windows Express Install(Windows簡易インストール)」が失敗していた問題を修正
  • 「Windows(ゲストOS)」の実行中に、macOSから外部ボリュームをイジェクトする事ができなかった問題を修正
  • 「World of Warships」「Eve Online」「Optuma」「Ansys Workbench 2021」「Micromine」「NS-1」「BobCAD-CAM」「ACCA Edificius」 等の3Dグラフィックスアプリケーション、ゲームを実行した場合に発生し得た、複数のグラフィックス、及び安定性関連の問題を修正

「Linux」に向けた改善

  • Apple Silicon(Apple M1/M2)を実装したMacコンピューターにおいて、「CentOS Stream 9(ARM)」をゲストOSとしてサポート
  • 「RHEL 9(Red Hat Enterprise Linux 9)」に対して、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」をインストールする事ができなかった問題を修正
  • 「Fedora 36(ゲストOS)」において、正しいタイムゾーンを設定する事ができないケースが確認されていた問題を修正

その他の改善

  • 「Parallels Desktop」>「Preferences…(環境設定…)」を通じて Parallelsメニューを無効化にした場合においても、メニューバーアイコンの当該位置に空白が残っていた問題を修正

「Parallels Desktop 18 for Mac Pro Edition」に向けた改善

  • 「Apple M1 Ultra」チップを実装した Mac Studioコンピューター(macOS Ventura(macOS 13))上の仮想マシンに対して、最大128GBのRAM容量を割り当て可能に

「Parallels Desktop 18 for Mac Business Edition」に向けた改善

  • ビジネスユーザーを、新しいユーザー単位のライセンス(SSO(Single Sign On)/SAML(Security Assertion Markup Language))に移行するための機能をサポート

「Windows 8.1」以前のサポートを終了へ

MicrosoftがレガシーなWindows OS(「Windows 2000」「Windows XP」「Windows Vista」「Windows 7」「Windows 8」「Windows 8.1」)のドライバー署名のサポートを停止したために、これらのOSのメンテナンス、及びセキュリティアップデートを受ける事ができなくなりました。

結果として「Parallels Desktop 18.1.0」は、前記のレガシーなWindowsに対して ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」を提供する最後の版となります。

「Parallels Tools」をインストールしなくても、前記のレガシーなWindows(ゲストOS)をインストールして実行する事は可能ですが、Windows(ゲストOS)の自動インストール機能、Coherence(コヒーレンス)モード、グラフィックス、及びゲームアプリケーションのアクセラレーション、幾つかの共有、統合機能(共有フォルダー、共有アプリケーション、共有プロファイル等)が適切に機能しない(或いは満足のいくパフォーマンスを得る事ができない)状態になる事が想定されます。

これは、「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.8.0」のリリース時にもに同様のアナウンスが発せられており、何れもセキュアでスムーズなユーザー体験を提供する「Windows 11」への移行が推奨されています。

システム要件について

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、ホストOSは「macOS Mojave(macOS 10.14)」以降(「macOS Ventura(macOS 13)」を含む)となっています。Ver. 17にてサポートされていた「macOS High Sierra(macOS 10.13.6)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「Server 10.5」〜「13.0」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。