米Broadcom傘下のVMware, Inc.より開発、提供等が行われている、macOS(Mac OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア(Type 2 ハイパーバイザー)。GUIクライアント(VMware Fusion.app)は、Intel、Apple Silicon(Apple M1、Apple M2)の両アーキテクチャーにおいてネイティブ実行可能な「Universal Binary(Universal 2 Binary)」としてビルドされており、Intel版では カーネルモード(特権モード、スーパーバイザーモード、マスターモード)における各種の命令をハードウェアレベルにてハンドリング可能な CPU仮想化支援「Intel VT-x(Intel Virtualization Technology)」をサポートする。
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サーバー仮想化を牽引するリーディングベンダーが、Mac OS XをホストOSとするデスクトップ仮想化ソフトウェアのマーケットに進出
仮想マシンでは、仮想対称型マルチプロセッシングの「Virtual SMP(Virtual Symmetric Multiprocessing)」に対応する他、バージョンを重ねる毎に対応するコア数(vCPUs)や割り当て可能なRAM容量、VRAM(Video RAM)容量等をスケーラブルに拡張している。
また、Unity(ユニティ)モード、共有フォルダー、ユーザープロファイルの共有を実現する「Mirrored Folders(ミラーフォルダー)」、クリップボード共有、コピーアンドペースト、ドラッグアンドドロップ、及び「Unity」テクノロジーと称される各種機能の実装等により、ホストOS、ゲストOS間におけるシームレスな連携を実現している他、プリビルドされた仮想アプライアンスの提供(VMware Virtual Appliance Marketplace)や各種VMwareラインナップとの互換性等、サーバー仮想化を牽引する 仮想化ソリューションにおけるリーディングベンダーならではの種々のメリットも特徴の一つとして挙げられる。
ラインナップ、各エディションについて
実装する機能やライセンスに応じて、2種のエディション(VMware Fusion Player、VMware Fusion Pro)がラインナップされている。
VMware Fusion Player
「VMware Workstation Player(for Windows/Linux)」と同様に、フリーウェアとして無償のライセンスを提供しており、仮想マシンの作成、実行、スナップショットの管理、ファイル共有等、従来までの通常版において提供されていた仮想化ソフトウェアとしての基本機能を実装している(別途にユーザー登録は必要となる)。
VMware Fusion Pro
高度な機能を要するユーザーを対象とした「VMware Fusion Pro」は、「VMware Fusion Player」におけるフル機能の他に、以下のアドバンス機能で拡張されている(両版は同一のバイナリーを使用するが、入力するシリアルによって各々が区別される事となる)。
- リンククローンの作成機能(紐付け、及び紐付けの解除)
- 仮想ネットワークエディター(ネットワーク構成ツール)
- 「IPv6(Internet Protocol version 6)」におけるNAT(Network Address Translation)のサポート
- デスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Pro」、サーバー仮想化ソフトウェア「VMware ESXi」、プライベートクラウドプラットフォーム「VMware vSphere」にホストされている仮想マシンに対するアクセス
- デスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Pro」、サーバー仮想化ソフトウェア「VMware ESXi」、プライベートクラウドプラットフォーム「VMware vSphere」に対する仮想マシンのアップロード、及び各々からの仮想マシンのダウンロード
- 複数のESXiホストに向けたリソースチャートの更新
- 仮想マシンフォーマットにおける標準規格「OVF(Open Virtualization Format)」アプライアンスへのエクスポート
- 仮想マシン毎にホットキーを作成可能
- 仮想マシンの作成や設定メニューに対する制限機能(制限付き仮想マシン、期限付き仮想マシンの作成、実行機能)
- Windows(ゲストOS)に接続されたUSBデバイスに対する接続制限機能
- 管理環境に向けた、シングル仮想マシンモード
- カスタマイズ可能なヘルプ
- VMwareベーシックサポート、VMwareプロダクションサポートを利用する権利
- ボリュームプライスの提供
ライセンスはワンタイムの買い切り型のみの提供となっており、アップグレード版は概ね2世代前までの版を対象としている(最終更新日 2023年5月5日)。