「Parallels Desktop 15」のMetalグラフィックスのサポート

ゲストOSにおける3Dグラフィックスの高速化等に貢献

macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」を対象としたアップグレードリリースとして、米国時間2019年8月12日付にてGAリリースを迎えている「Parallels Desktop 15 for Mac」ですが、同版では ゲストOSにおける3Dグラフィックスのパフォーマンスを向上させるために、AppleによるグラフィックスAPI「Metal 2」を活用する事が可能となっています。

「Parallels Desktop for Mac」は、米国時間2007年6月7日付にてリリースされたVer. 3.0より、Windowsゲストにおいて MicrosoftによるマルチメディアAPI「DirectX」をサポートしていますが、前版まではDirectXへの変換に Khronos Groupが策定する「OpenGL」を使用していました。

しかしながら、Appleが2018年にリリースした「macOS Mojave 10.14」以降において「OpenGL」「OpenCL」を非推奨とした事に伴い、「Parallels Desktop for Mac」もVer. 15より、OpenGLが担っていた役割を Appleの協力の下にmacOS標準の「Metal」に移行しています。結果として、Ver. 15においてアクセラレートする事が可能な DirectX 9/10/11は、同APIへの変換プロセスに「Metal 2」が採用される事となりました。

ホストOSにおけるMetalグラフィクスエンジンをゲストOSに向けて活用するためには 特定のシステム要件が明示されており、ベストパフォーマンスを発揮するためのハードウェア要件として、16GB以上のRAM(ホストメモリ)、及びAMD Radeon Proグラフィックスが示されています。また、Ver. 15において新たにサポートされた「DirectX11」は、「macOS Mojave 10.14(ホストOS)」以降において利用可能となっています。また、Metalのサポートは グラフィックスパフォーマンスの他にも、バッテリーライフ(電力効率)の向上、及びレンダリングの正確性の改善等にも貢献します。