iWork(アイワーク)

米Appleより開発、提供等が行われている、プロプライエタリーなデスクトップ オフィススイート(プロダクティビティ ソフトウェアスイート)。macOS(Mac OS X)、iOS、iPad OSを対象プラットフォームとし、米国時間2003年1月7日付にてリリースされたプレゼンテーションソフトウェア「Keynote」に、同2005年1月12日付にてリリースされたワードプロセッサー(ページレイアウトアプリケーション)「Pages」が加わった段階で「iWork」としてブランディングされる(同時に、単一のパッケージソフトウェアとしての販売が開始された)。その後、米国時間2006年1月11日付にてリリースされた「iWork ’06」より、PowerPC、x86両アーキテクチャーにおいてネイティブ実行可能な「Universal Binary」としてリリースされた後、米国時間2007年8月7日に開催されたスペシャルイベントを通じて発表された「iWork ’08」より、スプレッドシート(表計算)アプリケーション「Numbers(ナンバーズ)」が追加された。

Appleによる純正のオフィススイート

「AppleWorks」後継にして「Microsoft Office」対抗と位置付けられ、豊富なテンプレートやインタラクティブな操作性、Appleアプリケーションとのシームレスな連携等を特徴としている。初期の頃は、iLifeと同様に 毎年年初の「Macworld Conference & Expo」にて、西暦の下2桁を付与した新版が発表されていた(「iWork ’07」はスキップされ、2007年8月に「iWork ’08」としてリリースされた)。2006年初頭には、米国小売店市場におけるオフィススイート販売本数において、Microsoft Officeに次ぐ2位にランキングされた。

イニシャルリリース〜2009年1月頃までは、パッケージ版が販売されていた他、Macにバンドルされていた30日間のトライアル版は、試用期間の終了後も 読み込み専用の「iWork Player」として利用可能となっていた。

米国時間2011年1月6日より、Mac App Storeを通じて Mac OS X版の構成アプリケーションが単独にて提供開始された後、米国時間2011年7月20日付にてリリースされた「iWork 9.1」において「OS X Lion(Mac OS X 10.7)」におけるフルスクリーンモード、レジューム(再開)、オートセーブ(自動保存)、バージョン管理等のサポート、米国時間2011年7月24日付にてリリースされた「iWork 9.2」において「OS X Mountain Lion(OS X 10.8)」におけるiCloud、オーディオインプット(音声入力)、Retinaディスプレイのサポート等が追加された後、米国時間2012年12月4日付にて「iWork 9.3」がリリースされた。

米国時間2013年10月22日以降は、新規に購入されたMac、iOSデバイスに対して、機能制限の無い完全版がプリインストールされている(「iWork」というブランド名は、現在でもAppleの公式サイトにおいて使用されている)。

米国時間2015年11月11日付にてリリースされたアップデートでは、「OS X El Capitan(OS X 10.11)」におけるSplit Veiwへの対応等が行われている。

iOS版(iPhone、iPad)

米国時間2010年4月3日付にて、当初はiPadに向けて提供が開始されたiOS版は、プロセッサーの多大な処理能力を要するために移植は困難としていた開発チームの想定を、Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ), CEOによるアドバイスを基に、スクラッチから書き直す形にて開発された。

その後、米国時間2011年5月31日より iOS版における対象プラットフォームが拡充され、ユニバーサルアプリケーションとして iPhone、iPod touchにおいても利用可能となり、米国時間2015年11月11日付にてリリースされたアップデートでは、「iOS 9」におけるForce touch、3D touchへの対応等が行われた。

iWork for iCloud(iCloudのためのiWork)

「iWork ’09」リリース(米国時間2009年1月6日)と同時に、作成したドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションをクラウドにおいて共有可能なコラボレーションツール「iWork.com」の提供が開始された。

その後、米国時間2013年7月19日より、「WWDC 2013(Worldwide Developers Conference 2013)」において発表され、非Appleデバイスにおいても利用可能なブラウザーベースのWebアプリケーション「iWork for iCloud」のパブリックベータが開始された。

同サービスは2015年10月より、無料の1GBのクラウドストレージと対応言語を追加した形でGA版としての正式サービスが開始され、マルチプラットフォーム化が推進される事となる(最終更新日 2023年8月22日)。