「VMware Workstation 12.5.3」リリース

Dell TechnologiesグループのVMwareより米国時間2017年3月9日、Windows/Linuxベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation」のアップデートリリースに相当する「VMware Workstation 12.5.3 Pro Build 5115892」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデーター(「Help(ヘルプ)」>「Software Updates(ソフトウェアの更新を今すぐ確認)」)を通じて、Windows、Linuxを対象とした、日本語含む複数言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。

「Ubuntu 16.10(Yakkety Yak)」との互換性改善等を含む メンテナンスアップデート

Ver. 12.5を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、セキュリティアップデート、及びパフォーマンス改善等が行われており、前版(VMware Workstation 12.5.2)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 「Linux Kernel 4.9.0」を実装した Linuxプラットフォーム(ホストOS)において「VMware Workstation Pro」を起動しようとした場合に、仮想マシンモニター(vmmon)、及び仮想ネットワークデバイス(vmnet)モジュールがビルドに失敗し、エラーメッセージ(Unable to start services(サービスを起動できません))のダイアログボックスが表示され、起動に失敗していた問題を修正
  • GUIクライアントがクラッシュして、エラーメッセージ(VMWare Workstation unrecoverable error: (vmui) Exception 0xc000005 (access violation) has occurred(VMware Workstationで回復不能なエラーが発生しました:(vmui)例外 0xc000005(アクセス違反)が発生しました))が表示されるケースが確認されていた問題を修正
  • USB仕様に準拠しないUSBデバイス(「Broadcom 5880」スマートカードリーダー等)を、USBパススルーモードの仮想マシン(Windows 7、Windows 10(何れもゲストOS))に対してパススルーしようとした場合に、ゲストOSのCPU使用率が最大レベルまで増加し、ゲストOSが使用不能になるケースが確認されていた問題を修正
  • パラレルポートを物理パラレルポートにマップしようとした場合に、仮想マシンにおいてパラレルポートを使用する事ができなかった問題を修正。「VM(仮想マシン)」>「Settings(詳細設定)」を選択した時にリストされる、接続済みのパラレルポートによって、エラー(Cannot open VMparport drivr for LPT1: the system cannot find the file specified…(LPT1のVMparportドライバを開くことができません:指定したファイルが見つかりません))が引き起こされていた問題を修正
  • 仮想マシンに対してActive Brailleデバイスを接続するために「VM(仮想マシン)」>「Removable Devices(取外し可能デバイス)」を選択した場合に、接続が失敗し、メッセージログに「driver error(ドライバエラー)」メッセージが表示されていた問題を修正(この場合に、ゲスト0Sには デバイスの記録は表示されない)
  • ゲストOSにおいてアクティブFTPを実行した場合に、「vmnat.exe」プロセスが ホストOSにおいて新たなTCPポートを消費していた問題を修正。同プロセスは、FTPセッションを閉じた場合においても、当該TCPポートをリリースしなかった
  • ホストOSにおけるデフォルトプリンター、及び構成されている全てのプリンターを ゲストOSにおいて自動的にピックアップ可能なドライバレスプリンティング(プリンター共有、ThinPrint)機能が、ゲストOS拡張機能「VMware Tools 10.0.10(for Windows)」がインストールされた「Windows XP(ゲストOS)」において、適切に機能しなかった問題を修正(「VMware Tools 10.0.10」がインストールされた「Windows XP(ゲストOS)」を使用した場合に、ThinPrintテクノロジーを通じてゲストOSに対してマップされる筈のホストOSプリンターが(ゲストOSにおいて)表示されなかった)。この問題は「VMware Tools 10.0.12」を新規にクリーンインストールする事によって解決する。Ver. 10.0.10からVer. 10.0.12にアップデートインストールしても解決しないので注意が必要
  • 「Ubuntu 16.10(Yakkety Yak、ゲストOS)」にゲストOS拡張機能「VMware Tools」をインストールした後に、VMware Toolsサービスが(ゲストOSにおいて)起動しなかった問題(同サービスによって提供されるはずの諸機能(共有フォルダー等)を利用する事ができなかった問題)を修正
  • 「RHEL 7.3(Red Hat Enterprise Linux 7.3、ゲストOS)」に対して共有フォルダーを追加(或いは有効化)した後に、仮想マシンの「/mnt/hgfs」ディレクトリーにおいて 追加された共有フォルダーを利用する事ができなかった問題を修正

その他にもVMwareからは、同日付にてデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Player(旧VMware Player)」のアップデートリリースに相当する「VMware Workstation 12.5.3 Player Build 5115892」もリリースされています。

「VMware Workstation 12.5.4」リリース(2017年3月15日に追記)

米国時間2017年3月14日付にて「VMware Workstation 12.5.4 Pro Build 5192485」がリリースされました。Ver. 12.5を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている同版では、主としてセキュリティ関連の修正が行われており、ドラッグアンドドロップ機能に関連した脆弱性(アウトオブバンドのメモリアクセスが引き起こされ得た脆弱性)の修正が行われています(これは、同日付にてリリースされたmacOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion 8.5.5 Build 5192483」と同じ内容の修正となり、「VMware Workstation」「VMware Fusion」ラインが動作するオペレーティングシステム(ホストOS)において、ゲストOSから任意のコードが実行され得たと伝えられています。尚、Type 1 ハイパーバイザーの「VMware ESXi」は 脆弱性の影響を受けず、「VMware Workstation Player」以外では、ドラッグアンドドロップ、コピーアンドペーストの機能を無効化する事によって、脆弱性の悪用を回避する事が可能であると伝えられています)。

この脆弱性に対しては、米国時間2016年11月13日付にてリリースされた「VMware Workstation 12.5.2」の時(「CVE-2016-7461」「VMSA-2016-0019」)と類似した内容のアドバイザリーが発せられており、The Common Vulnerabilities and Exposures project(cve.mitre.org)からは「CVE-2017-4901」、VMwareセキュリティアドバイザリーからは「VMSA-2017-0005(Critical)」の共通脆弱性識別子が、各々割り当てられています。

その他にもVMwareからは、同日付にてデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Player(旧VMware Player)」のアップデートリリースに相当する「VMware Workstation 12.5.4 Player Build 5192485」もリリースされています。

「VMware Workstation 12.5.5」リリース(2017年3月29日に追記)

米国時間2017年3月28日付にて「VMware Workstation 12.5.5 Pro Build 5234757」がリリースされました。3月に入って3度目のアップデートとなる当版では、バグフィックス、セキュリティアップデートが行われており、同日付にてリリースされた「VMware Fusion 8.5.6」と同じ内容の修正が行われています。

その他にもVMwareからは、同日付にてデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Player(旧VMware Player)」のアップデートリリースに相当する「VMware Workstation 12.5.5 Player Build 5234757」もリリースされています。

2017年におけるリリース予定について

ホステッドUIチームを統括するマネジメントグループからは、2017年にデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation(for Windows Linux)」「VMware Fusion(for macOS)」において、新たなリリースを行う事で合意した旨が伝えられています(現時点で正式なバージョンナンバーまでは言及されていませんが、2016年にアップデート相当のVer. 12.5、Ver. 8.5を各々リリースしている事から、2017年はアップグレードリリースに相当する「VMware Workstation 13」「VMware Fusion 9」がリリースされると予想されます)。

「VMware Workstation 14」について(2017年8月23日に追記)

当ポストにて採り上げました 2017年にリリース予定とされる新たな版は、Ver. 14としてリリースされると発表されました(正式リリースは、10月上旬を予定しているとの事です)。