「VirtualBox 6.1.36」リリース、「RHEL 9.1」を初期サポート

Oracle Corporationより米国時間2022年7月19日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.1.36 Build 152435(VirtualBox 6.1 Maintenance Release 36)」がリリースされ、現在プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

「Windows NT 4.0(ゲストOS)」との互換性も改善

Ver. 6.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(「VirtualBox 6.1.34」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 仮想化エンジンの改善。1基の仮想コアを割り当てた環境で Speculative Store Bypass(投機的なストアバイパス)を構成した場合に、Linux(ゲストOS)においてカーネルクラッシュが発生するケースが確認されていた問題を修正
  • ユーザーインターフェイス(GUI)関連の改善。「Settings(設定)」>「Storage(ストレージ)」において、KDEにおけるネイティブファイルセレクターとマウスのインタラクションが混乱され得たバグを修正
  • NAT(Network Address Translation)関連の改善。ホストリゾルバーが、サポートされていないクエリーに対して誤ってNXDOMAINを返した場合に発生し得た問題を修正
  • 保存された状態(スナップショット)において、オーディオ関連の全般的な改善を適用
  • Recording: Various fixes for settings handling
  • レコーディング設定のハンドリングを対象として、種々の修正を適用
  • VGA関連の改善。VBEバンキングを使用した場合の、画面更新のパフォーマンスを向上
  • USBデバイスを取り外した場合に、稀にクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • ATA関連の改善。「Windows NT 4.0(ゲストOS)」がCDを取り出す際に、1分程度の時間を要していた問題を修正
  • vboximg-mountにおいて、書き込みが適切に行われなかった問題を修正
  • SDK関連の改善。Python3にて、任意のバイトデータをUnicodeオブジェクトに誤って変換しようとするPythonバインディングによって、例外が引き起こされるケースが確認されていた問題を修正
  • And many others…

当版におけるシステム要件は、Intel 64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、ホストOSは「macOS High Sierra(macOS 10.13)」「macOS Mojave(macOS 10.13)」「macOS Catalina(macOS 10.15)」となっています。Ver. 6.0にてサポートされていた「macOS Sierra(macOS 10.12)」は 対象外となりますので御注意下さい。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、OTN(Oracle Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

現在、アクティブにメンテナンスされているのは、Ver. 6.1のみになります。旧版を対象としたアップデートリリースは行われていません。

Apple Siliconへの対応について

当版(macOSホスト)は Intelアーキテクチャーのみのサポートとなり、ゲストOS、ホストOS共に、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon(Apple M1、Apple M2 Chip)」には対応していません。「macOS Big Sur(macOS 11.0)」「macOS Monterey(macOS 12.0)」において実装されているバイナリトランスレーター「Rosetta 2」においても、Kernel Extension(カーネル拡張)、及びx86-64ベースの仮想マシン、仮想化ソフトウェアはサポートされない伝えられています。

尚、(「VirtualBox 6.1.30」より、インストーラーが「Apple Silicon(Apple M1 Chip)」を検知して、実行する事ができない機種に対する誤ったインストールを回避する事は可能となっています)。

「VirtualBox 7.0」と仮想TPMチップについて

VirtualBoxは現在、Microsoftによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「Windows 11」の動作要件を満たすために必要なVirtual TPM(Virtual Trusted Platform Module、仮想TPM)チップを仮想マシンに追加する事ができません。しかしながら、現在開発過程にある「VirtualBox 7.0」において、仮想TPMチップの実装と「Windows 11」への対応が行われるようです(最終的には「VirtualBox 7.0」に繋がる開発スナップショット「VirtualBox 6.1.97 Build 150532」も公開されています)。

上記の情報は、VirtualBoxのモデレーターによる発言ではありませんが、フォーラムの運営を手伝うボランディアの方からの情報となります。

尚、仮想TPMチップは、「Parallels Desktop 17.1.0」「VMware Fusion 12.2.0」において、先行して実装されています。