Parallels International GmbHより米国時間2021年10月14日、macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop 17 for Mac 17.1.0 Build 51516(Parallels Desktop 17 Update 1 Hotfix 0)」がリリースされ、現在Parallelsによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデータ(「Parallels Desktop」>「Check for Updates…(更新をチェック…)」)を通じて、日本語含む複数言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています。
Table of Contents
「macOS Monterey」を ホストOSとしてフルサポート
Ver. 17を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(Parallels Desktop 17.0.1)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
Windows(ゲストOS)関連の改善
- Microsoftによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「Windows 11」の動作要件を満たし、同OSとの互換性を向上するために、「Windows 11」に向けて新規に作成され仮想マシンに対して、Virtual TPM(Virtual Trusted Platform Module、仮想TPM)チップが自動的に追加されるべくした改善を適用(この改善によって、「Windows 11(ゲストOS)」の新規インストール、アップデートインストール、アップグレードインストールを より容易に実行可能に)
- Apple Silicon(Apple M1)が実装されたホストコンピューター(Mac)において、「Windows 10(ゲストOS)」をインストールするための仮想マシンを作成するために、Virtual TPMチップが自動的に追加されるべくした改善を適用
- 「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」に対してVirtual TPMチップを追加する場合に、Windowsセキュアブートが自動的に追加されるべくした改善を適用
↑「Parallels Desktop 17.1.0」の「Virtual TPM」設定。「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Hardware(ハードウェア)」>「Virtual TPM(仮想TPM)」
Linux(ゲストOS)関連の改善
- Virtio GPUにおいてVirGLがサポートされる事によって、サポート対象のLinuxディストリビューションにおいて、Linux 3Dアクセラレーションを有効化されるべくした改善を適用(この改善によってビジュアルパフォーマンスが向上し、Linux(ゲストOS)においてWaylandプロトコルを使用可能に)
「macOS Monterey」関連の改善
- Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Monterey(macOS 12)」を ホストOSとしてフルサポート
- Apple M1 chip(「macOS Monterey(macOS 12、ホストOS)」)を実装するホストコンピューター(Mac)において、「macOS Monterey(macOS 12、ゲストOS)」との互換性を改善を
- ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」がインストールされた「macOS Monterey(macOS 12、ゲストOS)」において、ゲストOS、ホストOS間におけるテキストのコピーアンドペーストを実行可能に
- 新規仮想マシン作成時におけるParallels仮想ディスク(.hdd)のデフォルトサイズが、32GBから64GBに増加
ゲームアプリケーションに向けた改善
- 種々のWindowsゲームアプリケーションを対象として、グラフィックス関連の問題を修正(「WoW(World of Warcraft)」「Age of Empires II: Definitive Edition」「Tomb Raider III」「Metal Gear Solid V: The Phantom Pain」「Mount & Blade II: Bannerlord」「World of Tanks、Raft」等)
当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピューター、ホストOSは「macOS High Sierra(macOS 10.13.6)」以降(「macOS Monterey(macOS 12)」を含む)となっています。Ver. 16にてサポートされていた「macOS High Sierra(macOS 10.13.6)」も 引き続きサポートされています(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「Server 10.5」〜「12.0」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。
ゲストOSとしての「macOS Monterey」のサポートについて
前版までは試験的なサポートとして位置付けられていた「macOS Monterey(macOS 12、ゲストOS)」に対する対応は、当版においてサポートステータスがGAに昇格しました。尤も「macOS Monterey(macOS 12)」自体が正式版としてリリースされていないので、試用に際しては 引き続き注意が必要となるでしょう。