Oracle Corporationより米国時間2021年11月22日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.1.30 Build 148432(VirtualBox 6.1 Maintenance Release 30)」がリリースされ、現在プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。
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「macOS Big Sur(macOS 11)」「macOS Monterey(macOS 12)」との互換性等を改善
Ver. 6.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(「VirtualBox 6.1.28」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
- Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 10」においてHyper-Vモードを使用した場合に、仮想マシンを起動する事ができなくなっていた問題を修正(「VirtualBox 6.1.28」におけるリグレッション)
- ユーザーインターフェイス(GUI)関連の改善。外部イメージを参照した後に、ウィザードを完了する事ができないケースが確認されていた問題を修正
- 「macOS Big Sur(macOS 11、ホストOS)」環境において、ウィザードから外部イメージを参照した際に、クラッシュするケースが確認されていた問題を修正
- フォルダーパスにキリル文字等のネイティブ名称が付されていた場合に、当該フォルダーに撮影したスクリーンショットを保存する事ができなかった問題を修正
- 「Settings(設定)」>「Storage(ストレージ)」においてマウスをシングルクリックすると、ドラッグアンドドロップが開始され得たX11関連のバグを修正
- ハードウェア仮想化をサポートしていないホストコンピューターで実行した場合に、当該項目の設定チェックのハンドリングを修正
- これまでモーダルポップアップにて表示されていた重要性の低いメディア関連のエラーメッセージを、通常のエラーメッセージで表示すべくした変更を適用
- ネットワーク関連の改善。ホストオンリーネットワーク。「/etc/vbox/networks.conf」の解析時に、クラッシュするケースが確認されていた問題を修正
- DVD関連の改善。仮想マシンのリセット時におけるドライブロックのハンドリングを修正
- 「macOS Monterey(macOS 12、ホストOS)」の環境において仮想マシンをヘッドレスモード(VBoxHeadless)にて起動した場合に、(当該の仮想マシンが)クラッシュするケースが確認されていた問題を修正
- And many others…
現在、アクティブにメンテナンスされているのは、Ver. 6.1のみになります。旧版を対象としたアップデートリリースは行われていません。
Apple Siliconへの対応について
当版(macOSホスト)は Intelアーキテクチャーのみのサポートとなり、ゲストOS、ホストOS共に、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon(Apple M1 Chip)」には対応していません。「macOS Big Sur(macOS 11.0)」「macOS Monterey(macOS 12.0)」において実装されているバイナリトランスレーター「Rosetta 2」においても、Kernel Extension(カーネル拡張)、及びx86-64ベースの仮想マシン、仮想化ソフトウェアはサポートされない伝えられています(当版より、インストーラーが「Apple Silicon(Apple M1 Chip)」を検知して、実行する事ができない機種に対する誤ったインストールを回避する事は可能となっています)。
「VirtualBox 7.0」と仮想TPMチップについて
VirtualBoxは現在、Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 11」の動作要件を満たすために必要なVirtual TPM(Virtual Trusted Platform Module、仮想TPM)チップを仮想マシンに追加する事ができません。しかしながら、現在開発過程にある「VirtualBox 7.0」において、仮想TPMチップの実装と「Windows 11」への対応が行われるようです(最終的には「VirtualBox 7.0」に繋がる開発スナップショット「VirtualBox 6.1.97 Build 149426」も公開されています)。
尚、仮想TPMチップは、「Parallels Desktop 17.1.0」「VMware Fusion 12.2.0」において、先行して実装されています。