「VirtualBox 7.0.14」「VirtualBox 6.1.50」リリース、「VirtualBox 6.1」はサポート終了

「Apple silicon」への対応が道半ばとなっている「Oracle VM VirtualBox」ですが、Intelベースの現行GA版がアップデートされていますので、リリース情報を更新します。尚、「VirtualBox 6.1」は最後のリリースとなりますので御注意下さい。

Oracle Corporationより米国時間2024年1月16日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 7.0.14 Build 161095(Oracle VM VirtualBox 7 Update 0 Hotfix 14)」がリリースされ、プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS(Intel)、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

WAS(Windows Activation Services)バックエンドを使用しているWindowsホストとの互換性も改善

「VirtualBox 7.0」を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(VirtualBox 7.0.12)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • オーディオ関連の改善。WAS(Windows Activation Services、Windows プロセス アクティブ化サービス)バックエンドを使用しているWindowsホストにおいて、ホストオーディオデバイスの切り替えを適切に行う事ができないケースが確認されていた問題に対して、更なる追加の修正を実施
  • 3Dグラフィックスの対応に向けて、全般的な改善を適用
  • OCI(Oracle Cloud Infrastructure)関連の改善。「VirtualSystemDescription」において、ゲストOSにおけるRAMの単位が誤って使用されていた問題を修正(修正後、メモリーは 基本単位である「byte(バイト)」で提供される事となる)
  • 仮想マシンフォーマットにおける標準規格「OVF(Open Virtualization Format)」関連の改善。「NVMe(NVM Express(Non-Volatile Memory Express))」ストレージコントローラーを含む仮想マシンのインポート、エクスポートに対応
  • Virtio-SCSIコントローラーに接続された仮想CD/DVDドライブにインサートされたメディアを含む仮想マシンのエクスポートに対応
  • デバイス関連の改善。ユーザーが指を一定期間動かさずに押し続けた場合に、Windows(ゲストOS)が進行中のタッチ イベントを忘れるケースが確認されていた問題を修正
  • macOSホストにおいて、比較的新しいUSBストレージデバイスをサポート
  • ネットワーク関連の改善。macOSホストのセッティングエディターにおいて、仮想マシンを内部ネットワークを使用するように設定(「Settings(設定)」>「Network(ネットワーク)」>「Internal Networking(内部ネットワーク)」)した場合に、「VBoxIntNetSwitch」プロセスにおいてメモリーリークが発生し得た問題を修正
  • Linux(ホスト、ゲスト)関連の改善。「RHEL 9.4(Red Hat Enterprise Linux 9.4)」カーネルを初期サポート
  • ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。「vboxvideo」によって引き起こされ得た、「RHEL 8.9(Red Hat Enterprise Linux 8.9)」カーネルにおけるカーネルパニックを修正(「kernel 4.18.0-513.5.1.el8_9.x86_64」にアップデートした後に発生し得たカーネルパニック等)
  • And many others…

システム要件について

「VirtualBox 7.0.14」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、Intel版におけるホストOSは「macOS Catalina(macOS 10.15)」「macOS Big Sur(macOS 11)」「macOS Monterey(macOS 12)」となっています。「VirtualBox 6.1」にてサポートされていた「macOS High Sierra(macOS 10.13)」「macOS Mojave(macOS 10.14)」は、対象外となりますので御注意下さい。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、OTN(Oracle Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

「macOS Sonoma(macOS 14)」の対応について

現時点で、Appleによるデスクトップオペレーティングシステム「macOS Sonoma(macOS 14)」に対する対応について、公式なアナウンスはありません。ユーザーマニュアルにおけるサポート対象のホストOS、ゲストOSにも、同版はリストされていません(「macOS Ventura(macOS 13)」もリストされていません)。

Apple siliconホストについて(Apple siliconホストはテストを継続)

macOSホストは、Intelアーキテクチャー(Intel Mac)に向けたx86バイナリーの他に、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon( Apple M1、Apple M2、Apple M3 Chip)」に対応したARM64(AArch64)バイナリーも提供されていますが、同版はGA版としてのリリースには至っていません。現在はテストケースとの位置付けにて、「VirtualBox 7.0.15_BETA4 Build 161311」「VirtualBox 7.0.97 BETA5 Build 161342」の「macOSArm64.dmg」が提供されています。

尚、現在公開されている「VirtualBox for Apple silicon」のBeta版(macOSArm64.dmg)では、新規仮想マシン作成時におけるゲストOSのリストに、Intel x86(32bit)ベースのゲストOSしかリストされておらず、x86-64(64bit)、及びホストコンピューターと同じアーキテクチャーであるARM64(AArch64)ベースのゲストOSはリストされていません。開発の過程で仕様が変更される可能性もありますが、現時点では レガシーなx86ベースのゲストOS(「Windows 2000」「Windows XP」「Windows 7」、各種のLinuxディストリービューション、或いは過去のIntel macOS等)をApple silicon Macにおいて実行可能とするソリューションとして開発が進められているようです。

macOSホストは「Universal 2 Binary」ではなく、各アーテクチャーに向けたバイナリー(OSX.dmg、macOSAArch64.dmg)が個別に提供される事となり、Apple silicon版における対応ホストOSは「macOS Big Sur(macOS 11)」「macOS Monterey(macOS 12)」となっています。

「VirtualBox 6.1.50」リリース、「VirtualBox 6.1」系はサポートを終了

その他にもOracleからは、米国時間2024年1月16日付にて旧版(VirtualBox 6.1)を対象としたアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.1.50 Build 161033(Oracle VM VirtualBox 6 Update 1 Hotfix 50)」もリリースされ、別のハイパーバイザーによって使用されている CPU仮想化支援「Intel VT-x(Intel Virtualization Technology)」の検出の修正等が行われています(前記の修正は、現行版においては 米国時間2023年10月17日付にてリリースされた「Oracle VM VirtualBox 7.0.12」において修正されています)。

尚、「VirtualBox 6.1」は、この度リリースされた「VirtualBox 6.1.50」が最後のアップデートに相当し、サポートが終了となります。今後はバグフィックス、セキュリティ修正等のメンテナンスは行われなくなりますので御注意下さい。macOS(ホストOS)に関しては、「macOS Mojave(macOS 10.14)」までのサポートが終了となります。