「Windows 10 IP Build 14901(ホストOS)」との互換性改善も
Oracle Corporationより米国時間2016年10月18日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.1.8 Build 111374(VirtualBox 5.1 Maintenance Release 8)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、OS X、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約90.0MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。
Ver. 5.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、セキュリティアップデート、パフォーマンス改善等が行われており、前版(「5.1.6 Build 110634」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
- GUI関連の改善。OS Xホストにおいて発生し得た、キーボードショートカットのハンドリングに関するリグレッション、及びWindowsホストにおいて発生し得た、キーボードのハンドリングに関するリグレッションを修正
- NAT関連の改善。「search」サフィックスの最大数を超えなくなるべくした変更を適用
- 「/(スラッシュ)」を含むファイル名にて、ポートフォワーディングルールの解析を修正
- ブリッジネットワーク関連の改善。パケットアロケーションのエラーメッセージを伴うsyslogのフラッディングを妨げるべくした変更を適用
- ホストOSが、ゲストOSにマップする事ができないループバックネームサーバのみを有している場合(例えばdnsmasqが「127.0.1.1」において動作している場合)に、DHCPが NATネットワークのDNSプロキシをネームサーバとして提供すべくした変更を適用
- オーディオ関連の改善。Mac OS Xホストにおいて、オーディオキューを使用すべくした変更を適用
- パルスオーディオバックエンドにて、レコーディング関連の修正を適用(「5.1.0 Build 108711」におけるリグレッション)
- オーディオに関連した種々のバグフィックスを適用
- スナップショット関連の改善。スナップショットノードを削除した場合に発生し得た、リグレッション関連の問題を修正(「5.1.4 Build 110228」におけるリグレッション)
- スナップショットノードの削除に失敗した場合に発生し得たクラッシュを修正。また、より適したエラーレポートが生成されるべくした改善も適用
- ストレージ関連の改善。NVMeエミュレーションを対象として、幾つかの修正を適用(Windowsゲスト)
- API関連の改善。SAS(Serial Attached SCSI)コントローラのイニシャライゼーションを修正
- 「Python 3」をデフォルトとしたシステムにおいて、VBoxをビルド可能に
- 「REGDB_E_CLASSNOTREG」エラーの特定ケースの検出、及びプリント関連のエラーメッセージの改善(Windowsホスト)
- 「Windows 10 Insider Preview Build 14901」に適合した変更を適用(Windowsホスト)
- 複数のCPUを搭載した特定のホストコンピュータで動作する「Windows 7(ホストOS)」以降において、プロセッサグループのサポートを改善
- Windowsインストーラに対して、スタートメニューアイテムを作成しなくなるべくしたオプションを追加
- ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。VGA関連の改善。ゲストOSにおけるパワーマネジメントによって、仮想マシンのスクリーンがオフにされた場合に、コンソールウインドウを隠すのではなく、ブランクな仮想マシンウインドウが表示されるべくした変更を適用(Windows Additions)
- 共有フォルダ使用時に、仮想マシンがフリースするケースが確認されていたバグを修正(Windows Additions)
- CONFIG_CPUMASK_OFFSTACKセットに関するカーネルの問題を修正(Linuxホスト、Linuxゲスト)
- テキストモードにおいて、全ての仮想コンソールを要求しなくなるべくした変更を適用。これによって、ゲストOSがグラフィカルブートスクリーンでブートされた場合のケースが修正される(Linux Additions)
- 一部特定のLinuxディストリビューションによって提供されるモジュールとのコンフリクトを修正するために、vboxguest、及びvboxsfカーネルモジュールを対象として、depmodオーバーライドを追加(Linux Additions)
- ホストが適した性能を有していない環境において、ゲストOSの3Dグラフィックスアクセラレーションが無効化されるべくした変更を適用(X11 Additions)
- 種々のパフォーマンス向上等を齎すべくしたハイパーバイザの最適化
- And many others…
NVMe(NVM Express(Non-Volatile Memory Express))は、SATAの置き換えを担うべくした次世代のインターフェイス規格として、そのエミュレーションが、Ver. 5.1からサポートされています。
その他にもOracleからは、同日付にて 旧版(Ver. 5.0)を対象としたアップデートリリースに相当する「VirtualBox 5.0.28 Build 111378(VirtualBox 5.0 Maintenance Release 28)」もリリースされ、仮想マシンフォーマットにおける標準規格「OVF(Open Virtualization Format)」アプライアンスのインポートに関連した改善等が行われています。