「VirtualBox 5.1.28」リリース

Spotlight検索との互換性問題等を修正

Oracle Corporationより米国時間2017年9月13日、マルチプラットフォームに対応したオープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.1.28 Build 117968(VirtualBox 5.1 Maintenance Release 28)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、OS X、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、及びPUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約90.4MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Ver. 5.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、パフォーマンス改善等が行われており、前版(5.1.26 Build 117224)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • GUI関連の改善。Seamless(シームレス)モードにおいて、ゲストOS(「Windows 10」「Windows XP」等)の背後に表示されているホストOSのウインドウに、マウスイベントが反映されないケースが確認されていた問題を修正(Mac OS Xホストにおいてのみ発生し得た問題)
  • オーディオ関連の改善。「AC’97(Audio Codec 97)」サウンドエミュレーションを使用した場合に、偶発的にクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • デフォルトで設定されている、オーディオ入力、出力デバイスを変更した場合に、クラッシュするケース(Bluetoothオーディオデバイスを、ホストに接続した場合等)が確認されていた問題を修正
  • ALSA(Advanced Linux Sound Architecture)バックエンドを使用している場合に発生し得た、レコーディング関連の問題を修正
  • OSS(Open Sound System)バックエンドを使用している場合に発生し得た、ハンドルリークを修正
  • Intel e1000ネットワークドライバ関連の改善。内部ネットワーク上のLinuxゲストにおいてVLANを使用した場合に、トラフィックに関連してクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • NAT関連の改善。TCPコネクションに対して、「–natbindip1」が適用されてるべくした改善を適用
  • 仮想マシンフォーマットにおける標準規格「OVF(Open Virtualization Format)」関連の改善。xHCI(Extensible Host Controller Interface)コントローラを伴う仮想アプライアンスをインポートした場合に、OHCI(Open Host Controller Interface)が追加されなかった問題を修正
  • ファイルダイアログからSpotlight検索を使用した場合に、GUIクライアント「Oracle VM VirtualBox Manager(Oracle VM VirtualBoxマネージャー)」がクラッシュするケースが確認されていた問題を修正(OS X(macOS)ホストにおいてのみ発生し得た問題)
  • 固定サイズのVirtualBox仮想ディスク(vdi)イメージを、適切に作成する事ができないケースが確認されていた問題を修正(Linuxホスト)
  • And many others…

Ver. 5.0に関しては、米国時間2017年4月28日付にてリリースされた「Oracle VM VirtualBox 5.0.40 Build 114633(VirtualBox 5.0 Maintenance Release 40)」を最後に、サポートが終了していますので御注意下さい。現在アクティブに開発が行われているのは、Ver. 5.1、及び現在開発過程にあり テストリリースが開始されているVer. 5.2の2ラインとなります(当エントリ投稿時点において、「Beta 3」までリリースされています)。