「VirtualBox 5.1.26」リリース

「VirtualBox 5.1.24」のリリースから9日後と短いスパンではありますが、更なるアップデートがリリースされていますので、ここで取り上げてみたいと思います。

Oracle Corporationより米国時間2017年7月27日、マルチプラットフォームに対応するオープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.1.26 Build 117224(Oracle VM VirtualBox 5 Update 1 Hotfix 26)」がリリースされ、プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS(OS X)、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています。尚、Linuxホストにおいて「VirtualBox」のリポジトリーを利用しているユーザーは、「Software Updater(ソフトウェアの更新)」からもアップデート可能となっています)。

VRDP関連のリグレッション等を修正

「VirtualBox 5.1」を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている「VirtualBox 5.1.26」では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、「VirtualBox 5.1.24」からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • VMM(Virtual Machine Manager、仮想マシンマネージャー)の改善。Windowsのバグを回避するために、仮想マシンのリセット時にTSC(Time Stamp Counter、タイムスタンプカウンター)がリセットされるべくした改善を適用
  • オーディオ関連の修正。VRDP(VirtualBox Remote Desktop Protocol)接続が有効化されている場合に、メモリリークが発生するケースが確認されていた問題を修正(「VirtualBox 5.1.24」におけるリグレッション)
  • PulseAudioバックエンドを使用している場合に、Linuxホストにおいて大量のサウンドシンクが生成されるケースが確認されていた問題を修正
  • AC’97エミュレーションに向けて、録音ゲインレジスタを実装(比較的新しい版のUbuntu(ゲストOS)では、ゲインの制御、及びレコーディング(キャプチャー)レベルのミュートを行う場合に、この機能が利用される)
  • ストレージ関連の改善。IntelによるSPDK(Storage Performance Development Kit)にてエミュレートされたNVMe(NVM Express(Non-Volatile Memory Express))コントローラーを使用した場合に、ハングアップするケースが確認されていた問題を修正
  • マウス関連の改善。MicrosoftによるPTP(Precision Touchpad)にて、ダブルクリックが適切に機能しなかった問題を修正
  • 「ip route」コマンドにて、ホストオンリーネットワークインターフェイスが適切に起動されるべくした改善を適用(Linuxホストにおいてのみ発生し得た問題で、「VirtualBox 5.1.24」におけるリグレッション)
  • deb/rpmパッケージに向けて「Python 3」ライブラリーを提供(Linuxホスト)
  • Windowsホストにおいて、ブリッジネットワークをインストールする事なく、ホストオンリーネットワークを使用可能に
  • 「Windows Vista」以降のWindows(ゲストOS)において、自動ログインが適切に機能しなかった問題を修正(「VirtualBox 5.1.24」におけるリグレッション)

「VirtualBox 5.0」に関しては、米国時間2017年4月28日付にてリリースされた「Oracle VM VirtualBox 5.0.40 Build 114633(Oracle VM VirtualBox 5 Update 0 Hotfix 40)」を最後に、サポートが終了していますので御注意下さい。現在アクティブに開発が行われているのは「VirtualBox 5.0」、及び現在開発過程にあり、テストリリースが開始されている「VirtualBox 5.2」の2ラインとなります。

「Linux Mint 18.2」on「VirtualBox 5.1.26」on「macOS Sierra」
「Linux Mint 18.2(Sonya、ゲストOS)」on「Oracle VM VirtualBox 5.1.26 Build 117224」on「macOS Sierra(macOS 10.12.6(ホストOS))」