「VirtualBox 6.1.28」リリース、仮想TPMチップは「VirtualBox 7.0」でサポートへ

Oracle Corporationより米国時間2021年10月19日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.1.28 Build 147628(VirtualBox 6.1 Maintenance Release 28)」がリリースされ、現在プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Linux Mint(ゲストOS)との互換性等を改善

Ver. 6.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(「VirtualBox 6.1.26」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 一部特定条件下にて、デバッグレジスターにアクセスするネストされたゲストOSの起動中に、致命的なエラーが発生し得た問題を修正
  • ユーザーインターフェイス関連の改善。タッチパッドベースのスクローリングを修正
  • VMSVGA関連の改善。保存された状態(ライブスナップショット)からリストア、或いはサスペンドからレジュームした後の最初のリサイズ時に、仮想マシンにおいてブラックスクリーン(或いはバッファーアーチファクト)が生じ得た問題を修正
  • Linux Mint(ゲストOS)の実行時に、WSoD(White Screen of Death、ホワイトスクリーン)、或いはイニシャルブラックスクリーンが発生し得た問題を修正
  • ストレージ関連の改善。ファイルシステムとしてext4(fourth extended file system)が適用されたvhd(.vhd)イメージを使用した場合に、一部特定状況下にて 書き込みエラーが生じ得た問題を修正
  • ネットワーク関連の改善。virtio-netのデバイスサポートにおいて、複数のアップデートを適用
  • スナップショットやサスペンド等、保存された状態の仮想マシンにおけるケーブルの切断が、virtio-netによって適切に処理されるべくした改善を適用
  • ネットワーク範囲の管理制御の詳細を、ユーザーマニュアルに記述
  • NAT(Network Address Translation)関連の改善。絶対パス名を有するTFTP(Trivial File Transfer Protocol)リクエストを拒否しなかった問題を修正
  • オーディオ関連の改善。ホストコンピューターのハイバネーションステータス(休止状態)の後に、仮想マシンのセッションが中断され得た問題を修正
  • オーディオ関連の修正。モダンなLinuxディストリビューション(ゲストOS)における、HDA(High Definition Audio)のラインインボリュームの設定を修正
  • スナップショットの作成中に、AC’97(Audio Codec 97)エミュレーションの再生を再開するケースが確認されていた問題を修正
  • And many others…

現在、アクティブにメンテナンスされているのは、Ver. 6.1のみになります。旧版を対象としたアップデートリリースは行われていません。

Apple Siliconへの対応について

当版(macOSホスト)は Intelアーキテクチャーのみのサポートとなり、ゲストOS、ホストOS共に、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon(Apple M1)」には対応していません。「macOS Big Sur(macOS 11.0)」「macOS Monterey(macOS 12.0)」において実装されているバイナリトランスレーター「Rosetta 2」においても、Kernel Extension(カーネル拡張)、及びx86-64ベースの仮想マシン、仮想化ソフトウェアはサポートされない伝えられています。

「VirtualBox 7.0」と仮想TPMチップについて

VirtualBoxは現在、Microsoftによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「Windows 11」の動作要件を満たすために必要なVirtual TPM(Virtual Trusted Platform Module、仮想TPM)チップを仮想マシンに追加する事ができません。しかしながら、現在開発過程にある「VirtualBox 7.0」において、仮想TPMチップの実装と「Windows 11」への対応が行われるようです(最終的には「VirtualBox 7.0」に繋がる開発スナップショット「VirtualBox 6.1.97」も公開されています)。

上記の情報は、VirtualBoxのモデレーターによる発言ではありませんが、フォーラムの運営を手伝うボランディアの方からの情報となります。

尚、仮想TPMチップは、「Parallels Desktop 17.1.0」「VMware Fusion 12.2.0」において、先行して実装されています。