「VMware Fusion 8.5.1」リリース、「macOS Sierra」との互換性を改善

Dell TechnologiesグループのVMwareより米国時間2016年10月27日、macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」のアップデートリリースに相当する「VMware Fusion 8.5.1 Build 4543325」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデーター(「VMware Fusion」>「Check for Updates…(更新の確認…)」)を通じて、日本語含む複数言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。

「macOS Sierra(macOS 12)」との互換性改善等を含む メンテナンスアップデート

Ver. 8.5を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(VMware Fusion 8.5.0)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • Appleによるデスクトップオペレーティングシステム「macOS Sierra(macOS 12、ホストOS)」にて 複数の外部ディスプレイが接続された環境において、「View(表示)」>「Use All Displays in Full Screen(フルスクリーンモードで全てのディスプレイを使用する)」オプションが選択された状態で仮想マシン(.vmwarevm)をフルスクリーンモードに移行した場合に、仮想マシンが一つのモニターに対してのみフルスクリーン表示を行い、全てのモニターにおいて分割されたフルスクリーンスペースを使用する代わりに、タブとして全ての仮想ディスプレイがマージされていた。その後にシングルウインドウモードに戻った場合に、不要なブラックスペースが残り、GUIクライアント(VMware Fusion.app)のメニューバーが自動的に隠されていた問題を修正
  • ファームウェアインターフェイスとして、BIOS(Basic Input/Output System)の代わりにEFI(Extensible Firmware Interface)を使用する仮想マシンをパワーオンした場合に、0xc0000374(ヒープ破壊)例外によって、仮想マシンがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 10(ゲストOS)」を Unity(ユニティ)モードで動作させた状態で、一部特定のアプリケーションを使用した場合に、GUIクライアント(VMware Fusion.app)が予期せず終了するケースが確認されていた問題を修正
  • 「macOS Sierra(macOS 12、ホストOS)」において、動作中のゲストOSのコンソールウインドウ内にマウスポインターを移動した場合に、仮想マシンウインドウにおけるタブバーがブランク表示になり、「Window(ウインドウ)」>「Merge All Windows(全てのウインドウを統合)」メニューが無効化されるケースが確認されていた問題を修正。この問題は、当該仮想マシンにゲストOS拡張機能「VMware Tools」がインストールされていないか、或いはインストールされていても、Toolsサービスが起動していない状態で発生し得た

当版には、macOS(Mac OS X、ゲストOS)に向けた ゲストOS拡張機能「VMware Tools」に指摘されていたセキュリティ脆弱性「VMSA-2016-0017(CVE-2016-5328、CVE-2016-5329)」の修正は含まれておりません。別途にリリースされている修正版「VMware Tools 10.1.0」をインストールして適用する必要があります。

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、ホストOSは「OS X Mavericks(OS X 10.9)」以降(「macOS Sierra(macOS 12)」を含む)となっています。Ver. 7.0にてサポートされていた「OS X Mountain Lion(OS X 10.8.5)」は、対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのOS X(macOS)のサポートも「OS X Mavericks(OS X 10.9)」〜「macOS Sierra(macOS 12)」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、VMTN(VMware Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

「VMware Workstation 12.5.1」リリース、「RHEL 6.8」との互換性を改善

米国時間2016年10月27日付にて Windows/Linuxベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Pro」のアップデートリリースに相当する「VMware Workstation 12.5.1 Pro Build 4542065」もリリースされました。

Ver. 12.5を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(VMware Workstation 12.5.0 Pro)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 仮想ネットワークエディターにおいて、ネットワークアダプター「VMnet1(NAT)」「VMnet8(ホストオンリー)」を削除した場合に、ホストコンピューターのリスタート後、ブリッジネットワークが機能しなくなっていた問題を修正(「VMware Workstation 12.5.0」におけるリグレッション)
  • 「RHEL 6.8(Red Hat Enterprise Linux 6.8)」「CentOS 6.8」(何れもホストOS)において「vmrun」コマンドを実行した場合に、エラーが発生するケースが確認されていた問題を修正
  • 「RHEL 6.8(Red Hat Enterprise Linux 6.8)」をホストOSとして「VMware Workstation 12.5.0」をインストールした場合に、ホストサーバー(vmware-hostd)を起動する事ができず、共有仮想マシンを利用する事ができなかった問題を修正
  • ファームウェアインターフェイスとして、BIOS(Basic Input/Output System)の代わりにEFI(Extensible Firmware Interface)を使用する仮想マシンをパワーオンした場合に、0xc0000374(ヒープ破壊)例外によって、仮想マシンがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • Windows(ホストOS)からVMware Workstationをアンインストールした後にも、一部のドライバー関連ファイル(C:\Program Files\Common Files\VMware\Drivers\vmci\device:vmciver.dll)がホストOSから削除されずに、残ったままとなっていた問題を修正

その他にもVMwareからは、同日付にてデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Player(旧VMware Player)」のアップデートリリースに相当する「VMware Workstation 12.5.1 Player Build 4542065」もリリースされています。