「VMware Workstation 15(15.0.0)」リリース、「DirectX 10.1」をサポート

LinuxホストではWaylandに対応

Dell TechnologiesグループのVMwareより米国時間2018年9月24日、Windows/Linuxベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation」のアップグレードリリースに相当する「VMware Workstation 15.0.0 Pro Build 10134415(GA版)」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページを通じて、Windows、Linuxを対象とした、日本語含む複数言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています(Windows版(.exe)約512.0MB、Linux 64bit版(.bundle)約473.0MB)。

米国時間2018年6月20日よりテストリリース(プライベートベータ「Workstation 2018 TP」)が開始されていた当版では、一連のテストリリース(「June Technology Preview 1 Build 8888902」~「June Technology Preview 1 Build 8888902」)を通じた主な特徴として、以下の項目等が示されています(「14.1.2 Build 8497320」からの主な変更点となります)。

  • パフォーマンス、機能性の向上等を主目的として、「VMware Fusion 11」等と同様に、デフォルトの仮想ハードウェアのバージョンを「16」にアップグレード(virtualHW.version = “16”)。仮想マシンのハードウェアバージョンは、セッティングエディタを通じたGUIにて確認可能(「VM」>「Manage」>「Change Hardware Compatibility…」)
  • 仮想マシン毎に、最大3GBのグラフィックスメモリ(VRAM)容量を割り当て可能に
  • Windows(ゲストOS)において「DirectX 10.1(Direct3D 10.1)」をサポート。MSAA(Multisample anti-aliasing)、「Shader Model 4.1」、Cubemap Arrayテクスチャに対応し、「DirectX 10.0」を含むゲーム、アプリケーション実行時のパフォーマンス(バッテリーパフォーマンスを含む)を改善する(Windowsホスト、Linuxホストの双方において対応)
  • Windowsホストにおいて、SwaggerベースのRESTフルなAPIインターフェイス「Workstation REST API(Workstation Representational State Transfer Application Programming Interface)」をアップデートし、各種のネットワーク制御等に対応(VMインベントリの管理、仮想マシンのパワーマネジメント、クローニング、仮想スイッチ「vmnet」の作成、NICからのMACアドレスの取得、MACからIPへのDHCPバインディング等)
  • ゲストOS、ホストOS双方における高解像度のサポート。GUIクライアント(Workstation UI)は、ホストレベルでのDPIの変更を自動的に検出し、変更後の解像度に合わせてレイアウトを自動調整する。例えば、ホストOSの元のDPIが100%の環境で、それ(ホストDPI)を200%に変更した場合に、GUIクライアントは そのレイアウトに自動的に追従する。これは、モニタ毎に異なるDPI設定を使用するマルチディスプレイ(マルチモニタ)のシナリオにとって非常に有用となる。また、GUIクライアントを1つのモニタからDPI設定の異なる別のモニタに移動した場合には、ディスティネーション モニタのDPIに適合し、ゲストOSのDPIは ホストOSのそれと同期する(ホストOSでDPI設定が変更されると、ゲストOSは ホストのDPIと一致するように、DPIを調整する)。この機能は、ゲストOS、ホストOSの双方が「Windows 10」である場合に有効となる
  • VMware vCenter Serverへの接続時に、新たなESXiホスト、及びクラスタビューを追加。ユーザーは、非VMオブジェクト(ESXiホスト、リソースプール、vApp)、及び各々の関係階層(例えば「Datacenter」>「Cluster」>「Resource Pool」>「vApp」)に移動する事が可能となった他、ワンクリックにて「flat」VMビューに戻る事もできる
  • 仮想マシンに対するUSBデバイスの自動接続。ホストコンピュータに対して、USBスティック等のUSBデバイスを接続した場合に、(当該デバイスが)パワーオン状態の仮想マシンに対して 自動的に接続されるべくした改善を適用(多くのユーザから寄せられていた要望を実現。現時点では、Windowsホストにおいて利用可能)
  • Linuxホストにおいて、ディスプレイサーバ「Wayland」をサポート(インストール時には、ターミナルコンソールモードを使用)
  • 「VMware Workstation 12.x Pro」から「VMware Workstation 14 Pro」にアップグレードした後に、仮想マシンをパワーオンした場合に、コンソールウインドウ(仮想マシンウインドウ)がブラックスクリーンになるケースが確認されていた問題を修正
  • 複数の仮想マシンタブが開いている場合に、次にVMware Workstationを起動した時に、コンソールウインドウにおいて仮想マシンタブが表示されず、不足している各タブを手動で開き直す必要があった問題を修正
  • PVSCSI(Paravirtual SCSI、準仮想化)ディスクアダプタタイプを伴う仮想マシンのインポートに失敗するケースが確認されていた問題を修正。この問題では、エラーメッセージ(Invalid target disk adapter type: pvscsi)が表示されていた
  • 3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善。各種プラットフォーム、及びアプリケーションを対象として、グラフィックスのレンダリングにおける正確性を改善、及びグラフィックスドライバのチューニング(Windowsビデオドライバをアップデート)
  • グラフィックスにおけるデスクトップエクスペリエンスを向上(パフォーマンスの改善等)
  • 一部のデバイスを対象として、USB関連の互換性を改善
  • 全般的な安定性、パフォーマンス、及びアプリケーション互換性を改善
  • And many others…

また、上記リストにも示しましたように、Ver. 15では 新規仮想マシン作成時におけるデフォルトの仮想ハードウェアのバージョンが「16」にアップグレードされていますが、このバージョンが適用された仮想マシンは、旧版の「VMware Workstation」とは互換性がありません。特に、旧版で作成した仮想マシンをアップグレードする場合には御注意下さい。

その他にもVMwareからは、同日付にてデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Player(旧VMware Player)」のアップグレードリリースに相当する「VMware Workstation 15.0.0 Player Build 10134415」もリリースされています。