Oracle Corporationより米国時間2021年1月19日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.1.18 Build 142142(VirtualBox 6.1 Maintenance Release 18)」がリリースされ、現在プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約119.0MB。バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。
「macOS Big Sur」に対する互換性改善も
Ver. 6.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティーアップデート等が行われており、前版(「6.1.16 Build 140961」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
- Intelアーキテクチャーにおける一部特定状況下において ネストされたゲストOSを実行した場合に、当該の仮想マシンがハングアップするケースが確認されていた問題を修正
- OCI(Oracle Cloud Infrastructure)との統合。インポート時における クラウドインスタンスパラメーターの解析を改善
- ネットワーク関連の改善(ホストオンリーネットワーク)。「Intel e1000」におけるUDPチェックサムオフロードで、ゼロチェックサムが生成されなくなるべくした改善を適用
- ホストOSがレジュームした後に、ホストオンリーイーサーネットアダプターを選択したゲストOSが、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバーからIPアドレスを取得する事ができないケースが確認されていた問題を修正
- NAT(Network Address Translation)関連の改善。MSS(Maximum Segment Size、最大セグメントサイズ)のハンドリングを修正
- Appleによるデスクトップオペレーティングシステム「macOS Big Sur 11.0(ホストOS)」に対する最適化を、複数項目において実施
- ホストOSがスリープに移行した後に発生し得た、オーディオ再生に関する問題を修正
- 関連ドキュメントにおいて、一部のコンテンツ、及びテーブルフォーマットを修正
- Linux(ゲストOS、ホストOS)において、「Linux Kernel 5.10」をサポート
- Solarisホストにおいて、VGAテキストモードが適切に機能しなかった問題を修正(「6.1.0 Build 135406」におけるリグレッション)
- And many others…
現在、アクティブにメンテナンスされているのは、Ver. 6.1のみになります。旧版を対象としたアップデートリリースは行われていません。尚、VirtualBoxプロジェクトでは現在、欧米(ドイツ、ヨーロッパ、米国)において、シニアの開発者を募集している状況です。