「VMware Fusion 12.2.0」リリース、仮想TPMチップを試験的に実装

VMware, Inc.より米国時間2021年10月14日、macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」のアップデートリリースに相当する「VMware Fusion 12.2.0 Pro Build 18760249」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデータ(「VMware Fusion」>「Check for Updates…(更新の確認…)」)を通じて、日本語含む複数言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。

「macOS Big Sur」との互換性を改善し、ネットワークパフォーマンスを改善

Ver. 12を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(VMware Fusion 12.1.2)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 「macOS Big Sur(macOS 11、ホストOS)」において、トラフィックがホストのIPスタックを通じてルーティングされている場合に、NATポートフォワーディングが構成されている仮想マシンにおいて実行されているサービスが「localhost:exposedPort」「hostIP:exposedPort」「127.0.0.1:exposedPort」を使用するmacOS(ホストOS)において使用する事ができなかった問題(或いは「hostIP:exposedPort」を使用して、NAT仮想マシンにおいてポートフォワーディングにアクセスする事ができなかった問題)を修正
  • 「macOS Big Sur(macOS 11、ホストOS)」におけるNAT仮想マシン、及びホストオンリー仮想ネットワークにおいて、Jumbo Frame(ジャンボフレーム)を有効化する事ができなかった問題(仮想ネットワークのMTU(Maximum Transmission Unit、最大送信単位)構成オプションを、GUIクライアント(VMware Fusion.app)から有効化する事ができなかった問題)を修正
  • 「macOS Big Sur(macOS 11、ホストOS)」がVPN(Virtual Private Network、仮想プライベートネットワーク)に接続されている間、仮想マシンがホストOSと同じネットワークにアクセスする事ができなかった問題を修正

システム要件が変更され、「macOS Catalina」がサポート対象外へ

当版におけるシステム要件は、64bitのIntelプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、ホストOSは「macOS Big Sur(macOS 11)」以降(「macOS Monterey(macOS 12)」を含む)となっています。Ver. 12.1.2にてサポートされていた「macOS Catalina(macOS 10.15)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのOS X(macOS)のサポートも「11.0」〜「12.0」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、VMTN(VMware Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

Apple Siliconへの対応について

当版は Intelアーキテクチャーのみのサポートとなり、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon(Apple M1)」には対応していません。「macOS Big Sur(macOS 11)」以降において実装されているバイナリトランスレーター「Rosetta 2」においても、Kernel Extension(カーネル拡張)、及びx86-64ベースの仮想マシン、仮想化ソフトウェアはサポートされないと伝えられています(公式ブログを通じて、「Apple M1」に向けた開発が進行中である事が明言され、既にTech Previewチャンネルから「VMware Fusion Tech Preview 21H1」もリリースされています)。

「VMware Workstation 16.2.0」について

その他にもVMwareからは、同日付にて Windows/Linuxベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation Pro」のメンテナンスアップデートに相当する「VMware Workstation 16.2.0 Pro Build 18760230」「VMware Workstation 16.2.0 Player Build 18760230」もリリースされており、同版では Intel、Nvidia、AMD製GPUを実装したホストコンピューター上で動作するLinuxホストにおいてVulkanレンダラーがサポートされ、ゲストOSにおいて「Direct3D 11」以前、「OpenGL 4.1」以前が実行可能となっています。

「VMware Fusion 12.2.1」「VMware Workstation 16.2.1」リリース(2021年11月10日に追記)

米国時間2021年11月9日付にて「VMware Fusion 12.2.1 Build 18811640」がリリースされました。当版では、仮想マシン(ゲストOS)の互換性設定において、互換性を有する製品リストに誤ったバージョンが表示され得た問題の修正が行われています。

また、「VMware Workstation 16.2.1 Pro Build 18811642」「VMware Workstation 16.2.1 Player Build 18811642」では、カラーテーマオプションが「Edit(編集)」「preferences(設定)」のデフォルトにてアクティベートされるべくした変更が適用された他、「New Virtual Machine Wizzard(新規仮想マシンウィザード)」において「Custom Hardware(カスタムハードウェア)」ボタンが適切に機能せず、ウィザードがクラッシュするケースが確認されていた問題の修正が行われています。