「Parallels Desktop 26(26.0.0)」リリース、「macOS Tahoe」に対応(「Parallels Desktop 26.0.1」追記)

macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」における2025年のリリースは、バージョンナンバーの命名規則をmacOSの変更に追従した他、Liquid Glass(リキッドグラス)対応の「macOS Tahoe(macOS 26)」を試験的にサポートした形でのリリースとなりました。

AlludoグループのParallels International GmbHより米国時間2025年8月25日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」のアップグレードリリースに相当する「Parallels Desktop 20 for Mac 20.0.0 Build 57238(GA版)」がリリースされ、Parallelsによる公式ダウンロードページを通じて、日本語含む11言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています(サブスクリプションユーザーは、追加のコストを伴わずしてアップグレード可能となっています。また、アプリケーションをアクティベートする際には、インターネット接続環境が必要となります)。

Apple(macOS 26)の変更に合わせてバージョンナンバーを西暦の下二桁に変更

米国時間2025年3月29日よりテストリリース(プライベートベータ「pdfm 2025 TP」)が開始されていた当版では、一連のテストリリース(「March Technical Preview 1 Build 56912」~「August Release Candidate 1 Build 57197」)を通じた主な特徴として以下の項目等が示されています(「Parallels Desktop 20.2.2」からの主な変更点となります)。

ブランディング(バージョニング)の変更

  • 従来までは通しの連番で付されてきたバージョンナンバーの命名規則を、Apple(macOS 26)の変更に合わせて西暦の下二桁に変更
    「Parallels Desktop 26 for Mac」の「About」
    「Parallels Desktop 26 for Mac」の「About」スクリーン。バージョンナンバーは、Apple(macOS 26)の変更に合わせて西暦の下二桁に変更

サポート対象オペレーティングシステムの追加

  • Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Tahoe(macOS 26)」をプライマリーOS(ホストOS)、ゲストOSとして試験的にサポート(ゲストOSとしては、Mac App Storeから入手可能なインストーラー(.app)、或いはリカバリーパーティション(APFS(Apple File System))を通じてインストール可能。インストーラーパッケージに含まれる「InstallESD.dmg」を抽出する必要はない)。「macOS Tahoe(macOS 26)」の正式リリース後には、ParallelsのサポートステータスもGAに昇格する予定
  • Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 11 25H2」をゲストOSとしてサポート。「New Virtual Machine Assistant(新規仮想マシンアシスタント)」において、同オペレーティングシステムのISOイメージを正確に認識し、自動インストール機能「Windows Express Install(Windows簡易インストール)」オプション、共有フォルダー、Coherence(コヒーレンス)モード等の諸機能を利用可能に

ルックアンドフィールのアップデート

  • Appleによるデスクトップオペレーティングシステム「macOS Tahoe(macOS 26)」を実行しているホストシステムにおいて、全てのアイコンを「Liquid Glass(リキッドグラス)」デザインにアップデート

Windows(ゲストOS)の改善

  • Windows(ゲストOS)サイドから、ホストシステム(macOS)の空きディスク容量を正確に評価する事が可能となった。この改善によって、サイズが非常に大きなWindowsソフトウェアをゲストOSにインストールした後でも、macOS(ホストOS)のレスポンスの低下を招く事がなくなった
  • Coherence(コヒーレンス)モードの実行時におけるフルスクリーンWindows(ゲストOS)アプリケーションの動作が改善され、ホストシステム(macOS)が正常にスリープモードに移行する事が可能となった
  • 「Windows 11(ゲストOS)」において、「Persona 5 Royal」の起動時にクラッシュが発生していた問題を修正

Linux(ゲストOS)の改善

  • Apple siliconホストにおけるサポート対象オペレーティングシステムの追加。新たに「Ubuntu 24.04.2 LTS(Noble Numbat)」「Fedora 42」「Debian 12.6」「Kali Linux 2024.2」をゲストOSとしてサポート。プリコンパイルされたカーネルモジュールを伴うゲストOS拡張機能「Parallels Tools」が同梱され、自動インストール機能「Linux Express Install(Linux簡易インストール)」オプション、共有フォルダー、ドラッグアンドドロップ等の諸機能を利用可能に
  • Intelホストにおけるサポート対象オペレーティングシステムの追加。新たに「Ubuntu 24.04.2 LTS(Noble Numbat)」「Fedora 40」「Debian 12.6」「Linux Mint 21.3(Virginia)」をゲストOSとしてサポート。プリコンパイルされたカーネルモジュールを伴うゲストOS拡張機能「Parallels Tools」が同梱され、自動インストール機能「Linux Express Install(Linux簡易インストール)」オプション、共有フォルダー、ドラッグアンドドロップ等の諸機能を利用可能に
  • Intelホストで実行されている「CentOS 10(ゲストOS)」に対して、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」を適切にインストールする事ができなかった問題を修正

「Parallels Desktop for Mac Business Edition」「Parallels Desktop for Mac Enterprise Edition」の改善

  • システム管理者がJamfスクリプトを使用して、仮想マシン(ゲストOS)のソフトウェアアップデートを管理、及び監視するための機能を追加
  • ゴールデンイメージから展開された仮想マシンに対して一意の識別子を再生成し、「Microsoft Intune」の登録をスムーズに実行可能に

「Parallels Desktop 26 for Mac」において廃止された機能

Parallels Customer Experienceプログラムに参加しているユーザーからの統計をベースに、使用頻度の低い機能のサポートを停止するか、或いは完全に除去する事によって、よりクリティカルで使用頻度の高い機能のサポートと更なる機能強化に重点を置くといった取り組みが進められています。

「Parallels Desktop 26 for Mac」においても同様の対応が進められており、同版においては以下の機能が廃止されています。

  • 「macOS Monterey(macOS 12)」のプライマリーOS(ホストOS)としてのサポートを終了
  • Bluetooth共有。この機能が廃止されても、ホストコンピューター(Mac)に接続されたBluetoothデバイス(キーボード、マウス、ゲームコントローラー等)は、仮想マシンにおいて通常通り動作する(注:Bluetoothデバイスを仮想マシンに直接接続するためには、USB Bluetoothドングルの使用を御検討下さいとの事)
  • USB、及びネットワークカーネル拡張(.kext、Kernel Extension)。この機能の廃止は、Intel MacにおいてParallelsハイパーバイザーをベースとして実行する仮想マシンに影響する。前記ような仮想マシンは、kextレスモードにおいてUSB、及びネットワークアダプターを引き続きサポートする
  • 遅延アクティベーション
  • デプロイメントパッケージ設定において、カスタム更新サーバーを指定する機能
  • GUIクライアント(Parallels Desktop.app)の「Control Center(コントロールセンター)」、macOSの「Finder」間において、仮想マシンのカラータグを同期する機能
  • 「Parallels Desktop」>「Install Parallels Toolbox(Parallels Toolboxをインストール)」を通じて、Windows(ゲストOS)に「Parallels Toolbox for Windows」をインストールするためのオプション

上記の機能(「Parallels Desktop 26 for Mac」において廃止された機能)はビジネスクリティカルな機能ではないと判断されているため、これらの変更が及ぼす影響は限定的であり、現行のワークフローには殆ど影響しないと想定されています。

システム要件について

「Parallels Desktop 26 for Mac」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター(Intel、Apple silicon)、ホストOSは「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」「macOS Sequoia(macOS 15)」「macOS Tahoe(macOS 26)」となっています(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「OS X Mavericks(OS X 10.9)」〜「mmacOS Tahoe(macOS 26)」となります)。また、既知の問題点を含むその他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

「Parallels Desktop 26.0.1」リリース(2025年10月13日に追記)

米国時間2025年9月2日付にて「Parallels Desktop 26 for Mac 26.0.1 Build 57243(Parallels Desktop 26 Update 0 Hotfix 1)」がリリースされました。当版では、「Parallels Desktop 26.0.0」のインストール後にライセンスの署名を認証する事ができず、ソフトウェアをアクティベートする事ができなかった問題の修正等が行われています。