「Parallels Desktop for Mac」と「Apple M4」チップの互換性

オンラインイベント「Let Loose」において発表されたAppleによるARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple M4」と、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」との互換性に関して、米国時間2024年12月2日付にて公開されたParallelsによるサポートドキュメント(公式ナレッジベース)を通じて言及がなされていますので、その内容等を簡単に纏めてみたいと思います。

「Apple M4」チップを搭載したMacとの互換性の現状を報告

Parallelsチームは、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple M4」チップを搭載したMacとのシームレスな互換性を確保するための準備が既に万端に整っており、ここから包括的なテストを実施し、必要に応じたアップデートをリリースしつつ、パフォーマンスと互換性の最適化を進めていると伝えられています。

「Apple M4」チップを搭載した新たなMacコンピューターはリリースされて間もないものの、ユーザーの協力も得つつ、Parallelsのラボにおいて引き続き広範なテストと評価が実施されています。現時点で公表されている「Apple M4」チップのスペックに基づくと、殆どのクリティカルな機能は問題なくスムーズに実行され、パフォーマンスも更に向上するとると想定されていますが、一方では幾つかの互換性問題も確認されています。

現時点で確認されている問題と、その対応について

上記のナレッジベースでは、「Parallels Desktop for Mac」「Parallels Desktop for Mac App Store Edition」を対象とした「Apple M4」チップとの互換性の現状が以下の通りに纏められています。

「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.9.4」において、「Installation Assistant(インストールアシスタント)」からダウンロードした仮想マシンを起動した場合に、エラーメッセージ(Unable to start the virtual machine)が表示される

Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.10.0」以降にアップデートして下さい(現時点における最新版は「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.10.1」)。

「Parallels Desktop 19 for Mac」において、「Installation Assistant(インストールアシスタント)」からダウンロードした仮想マシンを起動した場合に、エラーメッセージ(Unable to start the virtual machine)が表示される

「Parallels Desktop 19 for Mac」は、「macOS Sequoia(macOS 15、Seed)」をプライマリーOS(ホストOS)としてサポートしていません。一方で「Apple M4」チップを搭載した新たなMacコンピューターは「macOS Sequoia(macOS 15)」をプライマリーOS(ホストOS)としてプリインストールしています。従って、「Parallels Desktop 19 for Mac」on「macOS Sequoia(macOS 15)」on「Apple M4」チップの環境では、想定外の問題が発生する可能性があります。現時点における回避方法は、「Parallels Desktop 20 for Mac」にアップグレードする事です。

Linux(ゲストOS)のインストール中に、仮想マシンがランダムにクラッシュする

現在、問題の詳細を調査中です。暫定的な回避方法として、当該の仮想マシンに割り当てる仮想プロセッサー(コア)数を「1」に設定して下さい(「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Hardware(ハードウェア)」>「CPU & Memory(CPUおよびメモリ)」>「Processors(プロセッサー)」ペインから変更可能)。

想定外の問題が発生した場合には、サポートフォーラムを通じて情報の提供を

上記の他にも、「Apple M4」チップを搭載したシステムにおいて再現可能な未知の問題に遭遇した場合には、Parallels Forums(サポートフォーラム)を通じて情報の提供と経験の共有を行なって欲しいと呼び掛けられています。