「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.9.3」リリース、Apple siliconにおける「Ubuntu 21」「Ubuntu 22」との互換性を改善

現在、期間限定のタイムオファーも実施されているAlludoグループのParallels International GmbHより米国時間2024年4月23日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac App Store Edition」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.9.3 Build 23882」がリリースされ、Mac App Storeを通じて、日本語含む12言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。

Linux(ゲストOS)におけるトラックパッドのスクロール感度が向上し、手動でスクロール速度を調整可能に

「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.9」を対象としたアップデートリリースとして位置付けられ、「Parallels Desktop 19.3.0」をベースとする当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、Apple siliconホストにおいて、仮想マシンモニターのエラーを伴い、GUIクライアント(Parallels Desktop.app)を起動する事ができないケースが確認されていた問題の修正が行われています。

また、その他の「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.9.2」からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

Windows 11(ゲストOS)の改善

  • ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」のアップデート後に、「Windows(ゲストOS)」が起動できなくなるケースが確認されていた問題を修正
  • ゲストOSにおいて「Dark Souls 2」「Rise of Kingdoms」「Genshin Impact」を実行した場合に発生し得たグラフィックスレンダリング関連の問題を修正

Linux(ゲストOS)の改善

  • Apple siliconホストにおける「Ubuntu 21.04(Hirsute Hippo)」「Ubuntu 21.10(Impish Indri)」「Ubuntu 22.04 LTS(Jammy Jellyfish)」「Ubuntu 22.10(Kinetic Kudu)」を対象として、Linux(ゲストOS)を対象とした自動インストール機能「Linux Express Installation(Linux簡易インストール)」オプションをサポート
  • トラックパッドのスクロール感度が向上し、手動でスクロール速度を調整可能に。感度を調整するには、macOS(プライマリーOS)における「Terminal(ターミナル、/Applications/Utilities/Terminal.app)」を通じて以下のコマンドを実行
    $ defaults write "com.parallels.Parallels Desktop" "HID Host Hook.Scroll Sensitivity" X
    値は、X < 120(「20」=デフォルト値、「120」=最低感度)

「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 2」にて廃止される予定の機能について

当版のリリースノートに含める形にて、「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1」を最後に廃止、削除予定とされる機能についてアナウンスがありました。ここでは、Parallels Customer Experienceプログラムに参加しているユーザーからの統計をベースに、使用頻度の低い機能のサポートを停止するか、或いは完全に除去する事によって、よりクリティカルで使用頻度の高い機能のサポートと更なる機能強化に重点を置く事を決定したと伝えられています。

以下のリストは現行GA版の「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1」を最後に、次のメジャーアップグレード(恐らく「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 2」)にて削除される機能のリストとなります。これらは何れもビジネスクリティカルな機能ではなく、当該の変更は現行のワークフローには殆ど影響しないと想定されています。

アーキテクチャー共通で廃止される予定の機能

  • トラベルモード(「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Options(オプション)」>「Travel Mode(トラベルモード)」)
  • Windows、Linux(何れもゲストOS)を対象とした、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」の32bit版
  • 環境設定パネルから、リモートクライアント「Parallels Access」をダウンロードするためのオプション(「Parallels Desktop」>「Preferences…(環境設定…)」>「Parallels Access」)

Intelホスト(Intel Mac)で廃止される予定の機能

Intelホスト(Intel Mac)では、以下の機能が廃止、削除される予定となっています。

  • リソース使用量を確認可能な「Resource Monitor(リソースモニター)」
  • 「Mac OS X Server 10.5 Leopard」「Mac OS X Server 10.6 Snow Leopard」「Mac OS X Lion(Mac OS X 10.7)」「OS X Mountain Lion(OS X 10.8)」のゲストOSとしてのサポート

システム要件について

「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.9.3」におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター(Intel、Apple silicon)、ホストOSは「macOS Monterey(macOS 12)」「macOS Ventura(macOS 13)」「macOS Sonoma(macOS 14)」となっています。「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.8」にてサポートされていた「macOS Mojave(macOS 10.14)」「macOS Catalina(macOS 10.15)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「Mac OS X Server 10.5」〜「macOS Sonoma(macOS 14)」となります)。