「UTM Virtual Machine‪s 2.0.22」リリース、Mac App Storeにて販売開始

UTMより現地時間2021年2月23日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア(エミュレーター)「UTM Virtual Machine‪s」のアップデートリリースに相当する「UTM Virtual Machine‪s 2.0.22(UTM Virtual Machine‪s 2 Update 0 Hotfix 22)」がリリースされ、現在プロジェクトサイト、及びApp Storeを通じて、英語含む複数言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリーパッケージ、ソースコードが入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとして「Apache License 2.0」が適用されています)。

ディスプレイカードを変更するためのオプションを追加

Ver. 2.0を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティーアップデート等が行われており、前版(Ver. 2.0.21)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • iOSホストにてドライブを再アレンジした場合に、クラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • USB等のドライブオプションを、適切に削除する事ができないケースが確認されていた問題を修正
  • アーキテクチャーのサポートに基づき、ネットワークカード、サウンドカードの選択を制限すべくした変更を適用
  • サウンドカードの選択に向けて、新たにQEMUオプションを使用可能に
  • ディスプレイカードを変更するための新たなオプションを追加(@js-john氏による貢献)

システム要件と、仮想マシンの保存場所

UTMは、バックエンドにCPUエミュレーター「QEMU」のコードを実装し、種々のアーキテクチャー(x86_64、ARM64、PowerPC64等)のゲストOSを実行可能とします。GUIクライアント(フロントエンド)のUTM.appはUniversal Binaryとしてビルドされており、「iOS 14.4」以降、及びIntel、Apple Silicon 双方の「macOS Big Sur 11」をホストOSとしてサポートしています。

また、作成した仮想マシンの保存場所は入手ルート(公式サイト、或いはAppleによるMac App Store)によって異なります。何れも「Parallels Desktop for Mac App Store Edition」や、嘗ての「Veertu」と同様にサンドボックスモデルに対応しているため、公式サイトからダウンロードしたバイナリでは「/Users/username/Library/Containers/com.utmapp.UTM/Data/Documents/」以下に保存される事となり、Mac App Storeから入手したアプリケーションでは「/Users/username/Library/Group Containers/」以下のフォルダーに保存される事となります。

尚、サンドボックス化されたアプリケーションは、デフォルトの状態では 当該アプリケーションからユーザーフォルダーにアクセスする事ができません(「Downloads(ダウンロード)」フォルダーに権限が付与されている場合は、その限りではありません)。上記のフォルダーにアクセスするためには、Finderがアクティブな状態で「Go(移動)」>「Go to Folder…(フォルダへ移動…)」を選択し、表示されたブランクのフィールドに当該のパスを入力し、「Go(移動)」をクリックします。

UTM仮想マシンの構成パネル
↑UTM仮想マシンにおけるシステム構成パネル。x86_64、ARM64、PowerPC64等、種々の種々のアーキテクチャーを選択可能