「VMware Fusion 11.1.1」リリース、「macOS 10.14.6」との互換性を改善

2GB以上のメモリが割り当てられ、暗号化された仮想マシンが対象

Dell TechnologiesグループのVMwareより米国時間2019年8月8日、macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」のアップデートリリースに相当する「VMware Fusion 11.1.1 Build 14328561」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデータ(「VMware Fusion」>「Check for Updates…(更新の確認…)」)を通じて、日本語含む複数言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています(dmg 約495.21MB)。

Ver. 11を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、パフォーマンス改善等が行われており、ホストOSを「macOS Mojave 10.14.6」にアップデートした後に発生し得た、パフォーマンス関連の問題が緩和されています(当該問題は「VMware Fusion 11.1.0」と「macOS 10.14.6」の非互換性に起因し、2GB以上のメモリが割り当てられ、且つ暗号化された仮想マシンにおいて 症状が確認されていました)。

尚、既知の問題点の一つとして、16GBのRAM容量を搭載したMacホストコンピュータ(ホストOSは「macOS 10.14.6」)において、2GBの仮想メモリを割り当てたWindowsゲストを実行した場合に、ゲストOSにおける「Microsoft Edge」「Google Chrome」が応答しなくなるケースが確認されています。

現時点では、仮想マシンに割り当てたメモリ容量を2GB以下に低減するか、ゲストOSにおいて上記以外のWebブラウザ(例えば「Safari」「Firefox」等)を使用するか、或いは当該仮想マシンにおけるセッティングエディタを通じて、3Dグラフィックスのアクセラレーションを無効化(「Display(ディスプレイ)」>「Accelerate 3D Graphics(3Dグラフィックスの高速化)」をアンチェック)するかの何れかのソリューションを実行する事によって、この問題を暫定的に回避する事ができます。

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「macOS Sierra 10.12」以降(「macOS Mojave 10.14」を含む)となっています。Ver. 8.5にてサポートされていた「OS X Mavericks(OS X 10.9)」「OS X Yosemite(OS X 10.10)」「OS X El Capitan(OS X 10.11)」は対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのOS X(macOS)のサポートも「10.12」〜「10.14」となります)。また、「Direct3D 10.1」を利用可能なハードウェア要件は、「MacBook(Early 2015)」以降、「MacBook Air(Mid 2012)」以降、「MacBook Pro(Mid 2012)」以降、「Mac mini(Late 2012)」以降、「iMac(Late 2012)」以降、「Mac Pro(Late 2013)」以降となっています。

「macOS Mojave 10.14.6 Supplemental Update(macOS Mojave 10.14.6追加アップデート)」について(2019年8月27日に追記)

Appleより、米国時間2019年8月26日付にて「macOS Mojave 10.14.6 Supplemental Update Build 18G95(macOS Mojave 10.14.6追加アップデート)」がリリースされました。当版における修正項目の一つとして、

  • 非常に大きなファイルを扱う場合に、パフォーマンスが低下するケースが確認されていた問題を修正

がリストされていますが、ここでは 上記で言及した「VMware Fusion 11.1.0 Build 13668589」「macOS 10.14.6 Build 18G87」間における非互換性が修正されています。

このアップデートを適用する事によって、「VMware Fusion 11.1.1 Build 14328561」をインストールする事なく、上記の互換性問題が改善されると伝えられています(VMwareサイドからは「11.1.1 Build 14328561」にて適用されたパッチを除去する事だけを目的として、次の版(Ver. 11.1.2)をリリースする事はない、といった意向も示されています)。