「SLES 12.4」に対する互換性改善等
Oracle Corporationより米国時間2019年1月15日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップグレードリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.0.2 Build 128162」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約158.0MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。
Ver. 6.0を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、セキュリティアップデート、パフォーマンス改善等が行われており、前版(「6.0.0 Build 127566」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
- ユーザインターフェイス関連の改善。Ver. 5.xにて作成した仮想マシンのデスクトップショートカット(エイリアス)から、(当該仮想マシンを)起動する事ができないケースが確認されていた問題を修正
- 新規仮想マシンウィザード(「Machine(仮想マシン)」>「New…(新規…)」)において、ホストコンピュータの光学ドライブを選択する事ができなかった問題を修正
- 仮想光学ディスクを新規に作成するためのウィンドウを実装
- USBデバイスをリセットすべくして、Linuxバックエンドを変更(以前は、USBデバイスをリセットしようとする、ゲストOSの殆どの試みは無視されていた)
- 一部のPCnet PCIゲストドライバが、エミュレートされたハードウェアを検出する事ができない原因となり得たリグレッションを修正
- Debian(deb)パッケージ、及びデスクトップファイル間にて、コンフリクトが生じていた問題を修正(Linuxホスト)
- Linux、及びmacOSホストにおいて、VirtualBoxVMコマンドにアクセスする事ができなかった問題を修正
- VBoxSVGAグラフィックスにて発生し得た、マルチディスプレイ(マルチモニタ)関連の問題を修正
- 3Dアクセラレーションが無効化された環境(Windowsゲスト)で、VBoxSVGAグラフィックスがリフレッシュされす、ブラックスクリーンが発生するケースが確認されていた問題を修正
- 「SLES 12.4(SUSE Linux Enterprise Server 12.4、ゲストOS)」において発生し得た、ドライバのビルドに関する問題を修正
- 比較的古いLinuxカーネル(「Linux Kernel 3.10」等)において発生し得た、共有フォルダドライバのビルドに関する問題を修正(Linuxゲスト)
- OS/2ゲストにおいて発生し得た、共有フォルダの書き込みに関するリグレッションを修正(「6.0.0 Build 127566」におけるリグレッション)
- 「Oracle Critical Patch Updates” January, 2019」を含む、セキュリティ関連の修正
その他にもOracleからは、同日付にて旧版(Ver. 5.2)を対象としたアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.2.24 Build 128163(VirtualBox 5.2 Maintenance Release 24)」もリリースされ、「6.0.2 Build 128162」と同様の「SLES 12.4(SUSE Linux Enterprise Server 12.4、ゲストOS)」に対する互換性の改善等が行われています。