「VirtualBox 5.1.14」リリース

「Linux 4.10」「Windows 10」との互換性改善等

Oracle Corporationより米国時間2017年1月17日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.1.14 Build 112924(VirtualBox 5.1 Maintenance Release 14)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、OS X、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約89.7MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Ver. 5.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、セキュリティアップデート、パフォーマンス改善等が行われており、前版(「5.1.12 Build 112440」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 32bitホストOSにおいて64bitゲストOSを動作させた場合に発生し得た、一部特定のインストラクションのエミュレーションを修正
  • MSR-Bitmapsに向けた「Intel VT-x(Intel Virtualization Technology)」をサポートしない旧世代のCPUにおいて64bitゲストOSを動作させた場合の、一部特定のMSR(Model-specific Register、モデル固有レジスタ)のハンドリングを修正
  • GUI関連の改善。一部特定状況下にてマルチモニタ構成を設定する場合に、GUIクライアント(Oracle VM VirtualBox Manager(Oracle VM VirtualBoxマネージャ))がクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • 仮想マシンの動作中に、スナップショットのクローンを作成可能に(ホットスナップショットクローニング)
  • NVMe(NVM Express(Non-Volatile Memory Express))関連の改善。SPDK(Storage Performance Development Kit)との互換性を修正
  • 「VBoxSVC」関連の改善。一部特定状況下にて、クラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • コマンドラインユーティリティ「VBoxManage」関連の改善。1GBから1PBへ仮想ディスクをリサイズする事ができないようにするために「modifymedium –resize」に対してサニティチェックを追加
  • Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 10」の最新版をホストOSとして利用した場合に発生し得た問題を修正
  • 「Linux Kernel 4.10」に関連した問題を修正(Linuxホスト)
  • ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。共有フォルダにおいて一部特定のオペレーションを実行した場合に、プロトコルエラーが発生するケースが確認されていた問題を修正(Linux Additions)

その他にもOracleからは、同日付にて 旧版(Ver. 5.0)を対象としたアップデートリリースに相当する「VirtualBox 5.0.32 Build 112930」もリリースされ、OS Xホストを対象としたGUI関連の修正等が行われています。