「VirtualBox 6.1.2」リリース、「Linux Kernel 5.5」をサポート

virtio-SCSI、QCOW2に対するサポートの強化も

Oracle Corporationより米国時間2020年1月14日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.1.2 Build 135662(VirtualBox 6.1 Maintenance Release 2)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約123.0MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Ver. 6.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、セキュリティアップデート、パフォーマンス改善等が行われており、前版(「6.1.0 Build 135406」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 仮想化コアの改善。AMDプロセッサを搭載したホストコンピュータにおける「Windows XP(ゲストOS)」にて確認されていた、2Dグラフィックスにおけるパフォーマンス関連の問題を修正(「6.0.0 Build 127566」におけるリグレッション)
  • 一貫したIBRS(Indirect Branch Restricted Speculation)/IBPB(Indirect Branch Prediction Barriers) CPUID機能レポートによって、「NetBSD 9.0 RC 1」インストーラにおいて確認されていた起動時のクラッシュを修正
  • GUI関連の改善。ランタイム情報のアップデートを修正
  • セッティングエディタにおける「Display(ディスプレイ)」設定において、選択されたグラフィックスアダプタにとって意味がない場合に、「2D video acceleration(2Dビデオアクセラレーション)」のチェックボックスが表示されなくなるべくした改善を適用
  • オーディオ関連の改善。VRDE(VirtualBox Remote Desktop Extension)が有効化されている場合の、オーディオインプットのハンドリングを修正
  • マルチスピーカー構成が有効化されている場合に発生し得た、HDA(High Definition Audio)エミュレーションにおけるクラッシュを修正
  • ストレージ関連の改善。スナップショットを伴う、暗号化された仮想ディスクの使用を修正(「6.1.0 Build 135406」におけるリグレッション)
  • virtio-SCSI(SCSIベースのKVM)のパフォーマンスを改善
  • 「QCOW2(QEMU Copy On Write 2)」イメージに向けて、圧縮クラスタのリードオンリーサポートを追加
  • Windowsイントーラの改善。不図に削除された「vbox-img.exe」ユーティリティを再度包含
  • Linuxホストにおいて、「Linux Kernel 5.5」をサポート(ゲストOS拡張機能「Guest Additions」は未サポート)
  • And many others…

その他にもOracleからは、同日付にて旧版(Ver. 6.0、Ver. 5.2)を対象としたアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.0.16 Build 135674(VirtualBox 6.0 Maintenance Release 16)」「Oracle VM VirtualBox 5.2.36 Build 135684(VirtualBox 5.2 Maintenance Release 36)」もリリースされ、「Python 3.8」のサポート等が行われています。