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複数のコンテナ、仮想マシン、Kubernetesクラスタを展開可能に
Dell TechnologiesグループのVMwareより米国時間2020年1月21日、開発過程にある 次世代デスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion Tech Preview(for macOS)」の最新プレビュー版(パブリックベータ「Fusion 2020 TP(January)」)に相当する「VMware Fusion Tech Preview 20H1 Build 15468164(e.x.p. 15468164 Jun)」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページを通じて、英語版のバイナリパッケージが入手可能となっています(dmg 約633.01MB。当版は、現時点では開発過程にあるプレビュー版に相当します。何れの機能も正式なサポートを受ける事はできませんので、試用する場合には御注意下さい。バージョン表記は、現時点では暫定的に付されているものです。今後の開発過程において、正式なバージョン番号が決定されます)。
次世代版のテスト、評価等を主目的としたプレビュー版として位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス等が行われており、主な特徴として、以下の項目等が示されています(「11.5.1 Build 15018442」からの主な変更点となります)。
- 「Project Nautilus」と称される、ネイティブなコンテナランタイムを新たにサポートし、アプリケーションの開発者等に向けて、PodVM、Native Pod(コンテナ)を実行するためのビルトインのコマンドラインインターフェイス「vctl」を提供
- USBのパススルースタックを再編成し、macOS(ホストOS)からUSBデバイスをキャプチャする際の、カーネルエクステンションへの依存を不要に。この改善によって、ルートレベルのカーネル拡張の削減に成功
- 各種の関連ドキュメント等のホスト先を、ソフトウェアの開発プラットフォーム「GitHub」へと移行(今後も組織やリポジトリを追加し続け、それらをメンテナンスし、同様にオープンソース化する事が可能なコードとコード例を随時にホストして行くとの事)
VMwareは、vSphereプラットフォームに マルチコンテナ、仮想マシン、Kubernetesクラスタを統合する「Project Pacific」を推進していますが、この度発表された「Project Nautilus」は同プロジェクトのmacOS対応版に相当し、ローカルにおける単一のファイル内で同様の展開を定義します。また、「vctl」を通じて コンテナイメージをダイレクトに実行する事が可能となる他、リモートリポジトリからのイメージのプル、リモートリポジトリへのローカルイメージのプッシュ等にも対応するとの事です。
また、各コンテナは独自のポッドを取得し、各ポッドは カスタムVMnetから独自のIPアドレスを取得する事が可能となっています(起動後に、コンテナの詳細を調べる事によって確認する事が可能)。
システム要件と、Tech Previewの展開について
当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「macOS Mojave 10.14」以降(「macOS Catalina 10.15」を含む)となっています(ゲストOSとしてのOS X(macOS)のサポートも「10.14」〜「10.15」となります)。
VMware Fusionは毎年、春から初夏にかけてTech Previewをリリースし、そこからGA版のビルドをリリースしていますが、今年からそのアプローチを変え、年間を通じて複数のTech Previewのブランチを構築して、アップデート(テストリリース)を継続して行くとの事です。
この度リリースされた「Tech Preview 20H1 Build 15468164」は その最初のリリースに相当し、現在提供されているGA版(Ver. 11.5)とは別のブランチとして開発が進められています(プレビュー版に相当するため、安定性は保障されず、サポートを受ける事もできません。また、各版において試用期間も定められていますので御注意下さい)。また、Ver. 11.5をアンインストールする事なく、同一システムにインストールする事が可能となっていますが、排他でのみ実行可能となっています(両版を同時に実行する事はできません)。