「Veertu Desktop 1.2.97」リリース

サスペンド状態の仮想マシンに、ネットワークタイプ、CD-ROMイメージを再割り当て可能に

Veertu Incより米国時間2017年1月9日、macOS(OS X)をベースとした オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Veertu Desktop」のアップデートリリースに相当する「Veertu Desktop 1.2.97(Veertu Desktop 1.2 Build 97)」がリリースされ、現在Veertuによる公式サイト、及びビルトインのソフトウェアアップデータ(「Veertu Desktop」>「Check for Updates…」)を通じて英語版のバイナリパッケージが、GitHubを通じて GPLv2(GNU General Public License Version 2)に準処したソースコードが入手可能となっています(dmg 約13.0MB)。

Ver. 1.2を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、サスペンドされた仮想マシンに対して、ネットワークタイプ、及びCD-ROMイメージを再割り当て可能となった他、CLI(コマンドラインインターフェイス)「VeertuManage」関連の修正、及びアクノレッジメントの更新が行われています。

「Veertu Desktop」は、VDHH(Veertu Desktop Hosted Hypervisor)をコアプラットフォームとした Type 2 ハイパーバイザとしてソースコードが公開されており、Appleによる「hypervisor.framework」を仮想化レイヤとして使用していますが、サンドボックスモデルは採用していません(Sandbox対応が義務付けられているMac App Storeからは、撤退しています)。

この事によって、サンドボックスによる制限から実装する事ができなかった ブリッジネットワーク、USBパススルーがサポートされた状態でリリースされています。また、今後は 既にアナウンスされているmacOS(OS X)ゲストのサポートやアップデータの自動ダウンロード、インストール機能、及びiOSも絡めたビジネスクラスの新たなプロダクトの開発予定等も告知されています。

「hypervisor.framework」、特権の分離について

「OS X Yosemite(OS X 10.10)」より実装された「hypervisor.framework」は、リソーススケジューリング、及び電源管理(パワーマネジメント)を行うためのAPIを提供しているため、同フレームワークを使用する仮想化ソフトウェアでは、(これらの機能を実装するために)別途にカーネルエクステンション(.kext)を追加する必要はありません。また、カーネルレベルでの強制的な介入も発生しないので、他のネイティブアプリケーションと同じ方法で、仮想化リソースの管理を行う事が可能となっています。

また、動作するアプリケーション、ツール、デーモンの機能が不適切に利用されないようにするために、必要に応じて特権の分離を行っています(特権が必要な場面になると、特権ヘルパーを利用してダイアログを表示し、ユーザに同意を求めるようにしています)。