「Parallels Desktop 20 for Mac」にて廃止される予定の機能について

前身のParallels Software Internationalより米国時間2006年6月15日付にてリリースされた初版(Parallels Desktop for Mac 2.1)から数えて、次のメジャーアップグレードにて区切りの「Ver. 20」に到達する macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」ですが、米国時間2024年3月7日付にてリリースされた「Parallels Desktop 19.3.0」のリリースノートに含める形にて、「Parallels Desktop 19 for Mac」を最後に廃止、削除予定とされる機能についてアナウンスがありましたので、その概要等を纏めてみたいと思います。

「Parallels Desktop 19 for Mac」を最後に、次のメジャーアップグレードにて廃止される予定の機能を告知

この度のアナウンスでは、Parallels Customer Experienceプログラムに参加しているユーザーからの統計をベースに、使用頻度の低い機能のサポートを停止するか、或いは完全に除去する事によって、よりクリティカルで使用頻度の高い機能のサポートと更なる機能強化に重点を置く事を決定したと伝えられています。

以下のリストは現行GA版の「Parallels Desktop 19 for Mac」を最後に、次のメジャーアップグレード(恐らく「Parallels Desktop 20 for Mac」)にて削除される機能のリストとなります。これらは何れもビジネスクリティカルな機能ではなく、当該の変更は現行のワークフローには殆ど影響しないと想定されています。

アーキテクチャー共通で廃止される予定の機能

  • トラベルモード(「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Options(オプション)」>「Travel Mode(トラベルモード)」)
  • ホストコンピューター(Mac)の起動時に仮想マシンを起動するオプション(「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Options(オプション)」>「Startup and Shutdown(起動と終了)」>「Always ready in background(常にバックグラウンドで待機)」
  • Parallels Virtualization SDK
  • Windows、Linux(何れもゲストOS)を対象とした、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」の32bit版
  • 「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Options(オプション)」>「Optimization(最適化)」タブにおける「Resource usage(リソース使用量)」スライダー
  • 環境設定パネルから、リモートクライアント「Parallels Access」をダウンロードするためのオプション(「Parallels Desktop」>「Preferences…(環境設定…)」>「Parallels Access」)

Intelホスト(Intel Mac)で廃止される予定の機能

Intelホスト(Intel Mac)では、以下の機能が廃止、削除される予定となっています。

  • 「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Hardware(ハードウェア)」>「CPU & Memory(CPUおよびメモリ)」>「Advanced…(詳細…)」>「Extended memory limit(拡張メモリ制限)」オプション
  • リソース使用量を確認可能な「Resource Monitor(リソースモニター)」
  • 「Mac OS X Server 10.5 Leopard」「Mac OS X Server 10.6 Snow Leopard」「Mac OS X Lion(Mac OS X 10.7)」「OS X Mountain Lion(OS X 10.8)」のゲストOSとしてのサポート
  • リモートデバッグ用途の「Visual Studio」プラグインのサポート
  • macOS(ゲストOS)仮想マシンのネットワークブート

米国時間2007年10月25日付にてリリースされ、約17年間に渡ってサポートされ続けた「Leopard Server(Mac OS X Server 10.5 Leopard)」は、ついにサポートが終了する形となります。「Snow Leopard Server(Mac OS X Server 10.6 Leopard)」までは、バイナリートランスレーター「Rosetta」を介してPowerPCアプリケーションを実行する事も可能となっているため、「Parallels Desktop 19 for Mac」は、これらを正式にサポートする最後のバージョンとなるようです。