Parallels International GmbHより米国時間2021年8月10日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」のアップグレードリリースに相当する「Parallels Desktop 17 for Mac 17.0.0 Build 51461(GA版)」がリリースされ、現在Parallelsによる公式ダウンロードページを通じて、日本語含む複数言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています(アプリケーションをアクティベートするために、インターネット接続環境が必要となります)。
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「Windows 11(Insider Preview)」も試験的にサポート
米国時間2021年5月4日よりテストリリース(プライベートベータ「pdfm 2021 TP」)が開始されていた当版では、一連のテストリリース(「May Technical Preview 1 Build 51157」~「July Technical Preview 3 Build 51378」)を通じた主な特徴として、以下の項目等が示されています(「Parallels Desktop 16.5.1」からの主な変更点となります)。
サポート対象オペレーティングシステムの追加
- サポート対象オペレーティングシステムの追加。Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Monterey 12.0」を ゲストOS、ホストOSとして試験的にサポート(ゲストOSとしては、Mac App Storeから入手可能なインストーラー(.app)、或いはリカバリーパーティション(APFS(Apple File System))を通じてインストール可能。インストーラーパッケージに含まれる「InstallESD.dmg」を抽出する必要はない)。「macOS Monterey 12.0」の正式リリース後には、ParallelsのサポートステータスもGAに昇格する予定
- Microsoftによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「Windows 11」を ゲストOSとして試験的にサポート(Apple M1 chip、Intel双方に対応)。「New Virtual Machine Assistant(新規仮想マシンアシスタント)」において、同オペレーティングシステムのISOイメージ(Insider Preview)を正確に認識し、自動インストール機能「Windows Express Install(Windows簡易インストール)」オプション、共有フォルダー、Coherence(コヒーレンス)モード等の諸機能を利用可能に。「Windows 11」の正式リリース後には、ParallelsのサポートステータスもGAに昇格する予定
パフォーマンス関連の改善(アーキテクチャー統一)
- CPU、メモリの自動割り当て。当版ではMacのハードウェアを評価し、Windows(ゲストOS)において 与え得る最高のエクスペリエンスを提供するために、仮想マシンに対して必要な数のリソースを自動的に割り当て可能となった。また、当該の仮想マシンを別のホストコンピューター(Mac)に転送した場合にも、Parallels Desktopは転送先のハードウェア構成に基づいて、CPUとメモリを自動的に割り当てる
- 仮想マシンレジューム時のパフォーマンスを、最大で38%高速化
パフォーマンス関連の改善(Apple M1 chip)
- Windows 10、Windows 11(何れも、ARM Insider Preview)の起動時間を最大で33%高速化
- Windows 10、Windows 11(何れも、ARM Insider Preview)を対象として、ディスクパフォーマンスを最大で20%高速化
パフォーマンス関連の改善(Intel)
- 「macOS Big Sur 11.0(ホストOS)」以降の環境において、ネットワークパフォーマンスを最大で60%高速化
3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善(アーキテクチャー統一)
- よりスムーズなWindows UIの応答性、及び同期されたビデオ再生エクスペリエンスを提供すべくして、ディスプレイドライバーを改善。この新たなドライバーは、ゲーム体験の向上を齎すべくして、多くのWindowsゲームのフレームレートを向上させ、ホストコンピューター(Mac)のディスプレイとの同期を改善する
- OpenGLによるグラフィックスパフォーマンスを 最大6倍高速化
- Windows(ゲストOS)におけるグラフィックスパフォーマンスを 最大25倍高速化
3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善(Apple M1 chip)
- Linux(ゲストOS)に向けて、コンソールウインドウのサイズに合わせて ゲストOSの解像度を動的に調整可能なダイナミックレゾリューションをサポート(フルスクリーンモードを含む)
- MicrosoftによるマルチメディアAPI「DirectX 11(Direct3D 11)」によるグラフィックスパフォーマンスを、最大28倍高速化
ユーザービリティ関連の改善
- 「Devices(デバイス)」メニューにおいて、macOS(ホストOS)と同一のデバイス名が表示されるべくした改善を適用
- ゲストOSにマウントされたUSBドライブが、macOS(ホストOS)のFinderにおけるデバイス名と同じ名称で表示されるべくした改善を適用
- ゲストOSにリストされたプリンターとスキャナーが、macOS(ホストOS)の「System Preferences(システム環境設定)」>「Printers & Scanners(プリンタとスキャナ)」におけるデバイス名と同じ名称で表示されるべくした改善を適用
- 追加の通し番号(#2、#3 等)が、ホストコンピューター(Mac)に対して 同一のデバイスが複数接続されている場合にのみ使用されるべくした変更を適用
- 「Free Up Disk Space(ディスクスペースの解放)」アシスタントにおいて、仮想マシンのスナップショットによって占有される容量が表示され、ディスク領域を より適切に管理すする事が可能に
※上記のリストは、「Parallels Desktop 17 for Mac Pro Edition」を対象としていますので、「Standard Edition(通常版)」には実装されない機能も含まれています。
当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピューター、ホストOSは「macOS High Sierra(macOS 10.13.6)」以降(「macOS Monterey 12.0」を含む)となっています。Ver. 16にてサポートされていた「macOS High Sierra(macOS 10.13.6)」も 引き続きサポートされています(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「Server 10.5」〜「12.0」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。
ゲストOSとしての「macOS Monterey」のサポートについて
Parallelsのエンジニアリングチームは、Appleと共同で、Apple M1 Macにおいて実行される「macOS Monterey 12.0(ゲストOS)」の世界で最初のプロトタイプを作成しました。この仮想マシンを使用するためには、ホストOSとして「macOS Monterey 12.0」を搭載したMacが必要となります。この取り組みは、現時点では試験的なサポートであるため、特に生産性機能、及びゲストOSとホストOSの統合機能等において機能制限がある事に御注意下さい。
Intelプロセッサーを搭載したMacをホストコンピューターとして利用する場合には、機能制限なしで「macOS Monterey 12.0(ゲストOS)」を作成して実行する事が可能となる予定です。