「Linux Mint 19.1」を「VMware Fusion 11」にインストール

Cinnamon版で「open-vm-tools」のインストールまで

愛Linux Mint teamによるLinuxディストリビューション「Linux Mint 19.1(開発コードネーム「Tessa」)」が、現地時間2018年12月19日付にてGAリリースを迎えました。Linux Mintは、アーキテクチャ、デスクトップ環境別に6種のエディションが提供されていますが、今回は、同オペレーティングシステムのCinnamonエディションを macOS(Mac OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion 11」にゲストOSとしてインストールしてみましたので、そのプロセス等を簡単に纏めてみたいと思います。

「VMware Fusion」では、米国時間2008年9月15日付にてリリースされたVer. 2.0より、Linux(ゲストOS)を対象とした自動インストール機能「Linux Easy Install(Linux簡易インストール)」オプション(「New Virtual Machine Assistant(新規仮想マシンアシスタント)」)が実装されていますが、当エントリでは、インストーラを通じたマニュアルインストールを実践しています(ゲストOSのタイプとして「Ubuntu」を選択しています)。

「Linux Mint」では、Live CDを そのままインストールCDとして利用する事が可能となっており、ウィザードに従って インストールオプションやタイムゾーン指定、キーボードレイアウトの選択、及びアカウント設定等を行っていく事となります。

「VMware Fusion 11」は、米国時間2018年11月22日付にてリリースされた「11.0.2 Build 10952296(現行GA版)」の段階において「Linux Mint 19.1」をゲストOSとして正式にサポートしていませんが、ゲストOS拡張機能「VMware Tools」のオープンソース実装「open-vm-tools」をカーネルモジュールとして組み込む事が可能です。

*「VMware Fusion.app」には、Linuxゲストに向けた「VMware Tools」も同梱されていますが、VMwareからは、各OSベンダ、OSコミュニティから提供されている「open-vm-tools」の利用が推奨されています(同社によるサポートポリシーでは、認定されたオペレーティングシステムでの使用を目的として、各OSベンダ、OSコミュニティから配布される「open-vm-tools」は、完全にサポートされるとの事です)。

「open-vm-tools」は、パッケージ管理システム「APT(Advanced Packaging Tool)」を通じてインストールする事が可能となっています。この場合には、「Terminal(端末)」を通じて以下のコマンドを実行します(要管理者権限)。

sudo apt install open-vm-tools
sudo apt install open-vm-tools-desktop

2行目の「open-vm-tools-desktop」は、デスクトップ仮想化ソフトウェアでのインタラクティブ機能を改善するための追加パッケージ(オプションパッケージ)です(open-vm-toolsを追加のユーザースペースプログラムやライブラリで拡張します)。このパッケージをインストールする事によって、タイムシンクロナイズ、ダイナミックレゾリューション、ホストOS、ゲストOS間におけるテキストのコピーアンドペースト、及びファイルのドラッグアンドドロップ等の諸機能が利用可能となります。尚、パッケージ名をスペースで区切れば、1行のコマンドで複数のパッケージをインストールする事も可能です。

また、プリインストールされているAPTのGUIフロントエンド「Synaptic Package Manager(Synapticパッケージマネージャ)」を通じてインストールする事も可能となっています。

「open-vm-tools」をGUIインストール
↑GUI(Synaptic Package Manager)を通じて、「Linux Mint 18.3」に「open-vm-tools」をインストール。Ver. 19.1でも同様のハンドリングとなります

※Linuxゲストに対して同梱されている「VMware Tools」を手動でインストールする場合には、マウントされたイメージファイルに含まれているtarボール(VMwareTools-xx-xx.tar.gz)を展開した後に、コマンドラインを通じてインストールスクリプト(~/vmware-tools-distrib/vmware-install.pl)を実行する必要があります。

「Linux Mint 19.1」では、デフォルトのデスクトップセッションとして GNOMEシェルからフォークしたデスクトップ環境「Cinnamon」、「GNOME 2」からフォークした「MATE」、及びXfceの3種のエディションが提供されています(「MATE」の発音は「メイト」ではなく「マテ」です。「マテ茶」の「マテ」です)。

Tessaで採用されている「Cinnamon 4.0」では、「Welcome Screen」>「First Steps」を通じて、パネルレイアウトの切り替え(「Traditional」「Modern」)が可能となった他、パネルのフォルダアイコンを通じたウィンドウリストにおいて、ウインドウ(アプリケーション)のグルーピングやプレビュー表示が可能となっています。

「Cinnamon」では、3Dグラフィックスに向けたアクセラレーション(OpenGL等)が要求される事となりますので、セッティングエディタから当該項目(「Display(ディスプレイ)」>「Screen(スクリーン)」>「Enable 3D Acceleration(3Dアクセラレーションを有効化)」)を有効化する必要があります(デフォルトで有効化されているので、そのまま使用。尚、「MATE」は、2D環境においても利用可能となっています)。

「Linux Mint 19.1」の「Mint-Y」
↑「Linux Mint 19.1(Tessa、ゲストOS)」on「VMware Fusion 11.0.2 Build 10952296」on「macOS Mojave 10.14.2(ホストOS)」。適用されているテーマは、フラットでスクエアな デフォルトテーマ「Mint-Y」のダークモード「Mint-Y-Dark」。当版より、カラーバリエーションとして、「Mint-Y-Aqua(上記のスクリーンショットは「Mint-Y-Dark-Aqua」)」「Mint-Y-Blue」「Mint-Y-Brown」が追加されています