米Broadcom傘下のVMware, Inc.より米国時間2022年10月11日、Windowsベースの仮想マシンコンバーター(P2V(Physical to Virtual)/V2V(Virtual to Virtual)マイグレーションツール)「VMware vCenter Converter」のアップデートリリースに相当する「VMware vCenter Converter Standalone 6.3.0 Build 20575345」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページを通じて、Windowsを対象とした英語版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。
約5年ぶりのリリースで、「VMware Workstation 14」との相互運用性等を改善
「VMware vCenter Converter Standalone 6」を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(VMware vCenter Converter 6.2.0)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
- Windows(ゲストOS)が実行されているパワーオン状態の仮想マシンをSMB共有にコンバートしようとした場合に、エラーメッセージ(Unable to obtain the lock on virtual disks. This issue is resolved in this release.)を伴い、変換が失敗するケースが確認されていた問題を修正
- インクリメンタルシンク(増分同期)が進行中の「Windows 10」「Windows Server 2016」をソースマシンとして変換する場合に、増分手順の間にコンピューターを再起動すると変換に失敗していた問題を修正
- デスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Workstation 14」から、P2V(Physical to Virtual)マイグレーション(物理PC(実機)からV仮想マシンへのマイグレード)を実行する事ができなかった問題を修正
- デスクトップ仮想化ソフトウェア 「VMware Workstation 14.1.2」との組み合わせにより、「VMware Workstation 14.x」 との相互運用性を改善
- パーティション分割されていないディスクにて、ホストされている仮想マシンを変換する場合に、ソースに関するハードウェア情報を取得する事ができないケースが確認されていた問題を修正。このようなケースでは、ワーカーログにおいて以下のエラーメッセージが表示される。
- [01628 warning ‘Default’] Partition:Invalid sector magic number.
- [01628 warning ‘Default’] ERROR: Failure during open: Reading disk signature
- [01628 error ‘Default’] [BaseDiskSetComputer::DoOpen] OpenDisks failed, mntapi error: 32.
- ジョブの送信が、エラーメッセージ(The specified parameter was not correct:”info.owner)を伴って失敗するケースが確認されていた問題を修正
- 「VMware vCenter Converter Standalone」がサーバーモードでインストールされていて、且つコンピューター名と同じユーザー名を使用して接続した場合に、エラーメッセージ(The specified parameter was not correct:”info.owner”)を伴い、ジョブの送信に失敗するケースが確認されていた問題を修正
当版では、Ver. 12以上の仮想ハードウェア(macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」では、Ver. 8以降で作成された仮想マシンがこれに該当)はサポートされていません。Ver. 12以上のハードウェアバージョンが選択された仮想マシンでは、Ver. 11(「VMware Fusion」では、Ver. 7で作成された仮想マシン)の機能に限定される事となります。
尚、「VMware vCenter Converter」は、米国時間2010年8月31日付にてリリースされた「VMware vCenter Converter 4.3.0 Build 292238」よりLinux版の提供が終了しており、以降はWindows版のみのリリースとなっています。また、既知の問題点を含む その他の詳細(主なシステム要件、サポート対象となるソースマシン、デスティネーション仮想マシン(デスティネーションターゲット)、ゲストOSのリスト等)が、リリースノート、VMTN(VMware Technology Network)等を通じて確認可能となっています。