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ゲストOS、ホストOSの双方における 互換性の現状を報告
世界開発者会議「WWDC 2020(Worldwide Developers Conference 2020)」において発表され、クリーンでミニマリスティックなインターフェイスの採用、バイナリトランスレータ「Rosetta 2」の実装、及び「hypervisor.framework」のアップデート等が予定される、Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Big Sur 11.0」ですが、米国時間2020年7月23日付にて公開されたParallelsによるサポートドキュメント(公式ナレッジベース)を通じて、同OSのBeta版(パブリックベータ)と「Parallels Desktop 15 for Mac(ゲストOS、ホストOS)」との互換性の現状に関して言及がなされていますので、その内容等を簡単に纏めてみたいと思います。
「Parallels Desktop 15 for Mac」は、米国時間2020年4月21日付にてリリースされた「15.1.4 Build 47270(現行GA版)」の段階において、「macOS Big Sur Beta」をゲストOS、ホストOSとして正式にサポートしていません。双方において幾つかの問題点が確認されていると伝えられており、現時点における互換性の現状が、以下の通りに纏められています。
「macOS Big Sur」を ホストOSとして使用する場合
GUIクライアント(Parallels Desktop.app)の終了時に、アプリケーションがハングアップする。
Dockにおける「Parallels Desktop」アイコンを「option」+右クリックし、表示されたコンテキストメニューから「Force quit(強制終了)」を実行して下さい。
ホストOSを「macOS Big Sur Beta」にアップグレードした後に、仮想マシンを起動した場合に、エラーメッセージ(「Unable to load the Parallels Driver(Parallels Driverをロードする事ができません)」)が表示される。
- GUIクライアント(Parallels Desktop.app)を終了する
- 「System Preferences(システム環境設定)」>「Security & Privacy(セキュリティとプライバシー)」>「General(一般)」から Parallelsによるカーネル拡張(.kext)を許可した後に、「macOS Big Sur(ホストOS)」をリスタート
スナップショットのノードを削除する度に、「Deleting snapshot…(スナップショットを削除しています…)」ウインドウが表示され、ハングアップする。
Dockにおける「Parallels Desktop」アイコンを「option」+右クリックし、表示されたコンテキストメニューから「Force quit(強制終了)」を実行して下さい。
インストールの最終プロセスにおいて「VM is ready(仮想マシンの準備ができました)」をクリックした後に、最新の「Windows 10 Insider Preview(ゲストOS)」がクラッシュする。
当該の仮想マシンを再度起動して下さい。
ゲストOSにおいて、特定のシンボル(例えば、「1」「2」「T」「Y」等)を入力する事ができない。
- 「Parallels Desktop」>「Preferences…(環境設定…)」>「Shortcuts(ショートカット)」を選択
- 左列のカラムから対象となる仮想マシンを選択
- 下部の「+」ボタンをクリックして、必要なシンボルに対応するショートカットを作成
- 必要に応じて、前記のプロセスを 入力する事ができない記号毎に繰り返す
ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」が、Boot Camp仮想マシンに自動的にインストールされない。
「Actions(アクション)」>「Install Parallels Tools(Parallels Toolsのインストール)」(メニューバーに位置する「II」メニューからもアクセス可能)をクリック。インストールを続行し、プロセスを完了するために、アプリケーションの指示に従って仮想マシンを再起動してして下さい。
Windows(ゲストOS)へのログイン時に、仮想マシンがクラッシュする。
現時点で、回避方法はありません。
「Parallels Tools」の再インストール後に、仮想マシンがブラックスクリーンの状態で行き詰まる。
現時点で、回避方法はありません。macOS(ホストOS)メニューバーの「Actions(アクション)」>「Reset(リセット)」をクリックして下さい。
「macOS Big Sur」を ゲストOSとして使用する場合
既存のmacOS(ゲストOS)を「macOS Big Sur」にアップグレードする事ができない。
現時点で、回避方法はありません。
仮想マシンに対して、インストーラ(.app)から「macOS Big Sur」をインストールする事ができない(GUIクライアント(Parallels Desktop.app)が、同オペレーティングシステムの検出に失敗する)。
現時点で、回避方法はありません。
Installation Assistant(インストールアシスタント)が、「macOS Big Sur」を(Ver. 11.0ではなく)Ver. 10.16として表示する
現時点で、回避方法はありません。
冒頭にリンクを示したナレッジバースドキュメントは、状況に応じて更新される可能性があるとの事です。また、Parallelsエンジニアリングチームは「macOS Big Sur」のGAリリース後、すぐに対応版を提供できるよう、開発に取り組んでいると伝えられています。