「VirtualBox 6.1.12」リリース、Oracle Cloudとの統合を強化

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GLXの出力を試験的にサポート

Oracle Corporationより米国時間2020年7月14日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.1.12 Build 139181(VirtualBox 6.1 Maintenance Release 12)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約119.0MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Ver. 6.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、セキュリティアップデート、パフォーマンス改善等が行われており、前版(「6.1.10 Build 138449」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • ユーザインターフェイス関連の改善(GUI関連の改善)。ログビューアにおけるsearch-backwardアイコンを修正
  • デバイス関連の改善。BusLogic SCSIコントローラのエミュレーションに向けて、幾つかの修正、改善を適用
  • シリアルポート関連の改善。FIFO(First-In First-Out/先入先出)データのハンドリングに関連したリグレッションを修正
  • OCI(Oracle Cloud Infrastructure)との統合。試験的な新たなタイプのネットワーク接続。ローカルの仮想マシンを、恰もクラウドにおいて実行されているかの如くに動作させる事が可能に
  • API関連の改善。ゲストOSの制御機能において、リソース管理を改善
  • コマンドラインユーティリティ「VBoxManage」関連の改善。「snapshot edit」サブコマンドを対象として、コマンドオプションの解析を修正
  • 無効な入力を処理する場合に発生し得た、「VBoxManage internalcommands repairhd」コマンドのクラッシュ(セグメンテーションフォールト、セグメンテーション違反)を修正
  • 3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善。「Guest Additions」において、GLX(OpenGL Extension to the X Window System)の出力を試験的にサポート
  • ゲストOSがクラッシュする要因となり得た、「Guest Additions」によるテクスチャオブジェクトのリリースを修正
  • ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。ファイルがマップされ、且つ使用されているLinuxカーネルが Ver. 4.10.0〜Ver. 4.11.xの版である場合に、共有フォルダにおけるファイルに対する書き込みが、ホストOSのそれに反映されていなかった問題を修正
  • And many others…

その他にもOracleからは、同日付にて旧版(Ver. 6.0、Ver. 5.2)を対象としたアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 6.0.24 Build 139119(VirtualBox 6.0 Maintenance Release 24)」「Oracle VM VirtualBox 5.2.44 Build 139111(VirtualBox 5.2 Maintenance Release 44)」もリリースされ、「6.1.12 Build 139181」と同様の「VBoxManage internalcommands repairhd」コマンド関連の改善等が行われています。

「macOS 10.15.6」との互換性について

VirtualBoxでは現在、「macOS Catalina 10.15.6 Build 19G73」との互換性問題が確認されていると伝えられています。サポートフォーラムのスレッドには、メモリリークに起因してカーネルパニックが発生し得ると報告されており、現時点で完全に回避可能な対策は提示されておりません。今後の続報に御注意下さい。