「VMware Fusion 11 Beta 1」リリース、「macOS Mojave」に対応

投稿者: | 2018-06-26

「DirectX 10.1」をサポートし、アプリケーションメニューを刷新

Dell TechnologiesグループのVMwareより米国時間2018年6月20日、開発過程にある次世代デスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion 2018(for macOS)」の最新プレビュー版(パブリックベータ「Fusion 2018 TP(June)」)に相当する「VMware Fusion 2018 Technology Preview 1 Build 8888912(e.x.p. 8888912 June)」がリリースされ、現在VMwareによる公式ダウンロードページを通じて、英語版のバイナリパッケージが入手可能となっています(dmg 約519.03MB。現時点では日本語リソースが含まれていないため、日本語環境のmacOSホストにおいても 英語表記のインターフェイスとなります。当版は、現時点では開発過程にあるプレビュー版に相当します。何れの機能も正式なサポートを受ける事はできませんので、試用する場合には御注意下さい。バージョン表記は、現時点では暫定的に付されているものです。今後の開発過程において、正式なバージョン番号が決定されます)。

次世代版のテスト、評価等を主目的としたプレビュー版として位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス等が行われており、主な特徴として、以下の項目等が示されています(「10.1.2 Build 8502123」からの主な変更点となります)。

  • パフォーマンス、機能性の向上等を主目的として、「VMware Workstation 2018(仮称)」等と同様に、デフォルトの仮想ハードウェアのバージョンを「16」にアップグレード(virtualHW.version = “16”)。仮想マシンのハードウェアバージョンは、セッティングエディタを通じたGUIにて確認可能(「Other(その他)」>「Compatibility(互換性)」)
    仮想ハードウェア 16
    ↑仮想ハードウェア Ver. 16
  • 仮想マシン毎に、最大3GBのグラフィックスメモリ(VRAM)容量を割り当て可能に
  • ホストOSにおける「Metal」グラフィックスAPIの改善。OpenGLを置き換え、3Dグラフィックスのレンダリングをアクセラレートする同APIの実装により、Windowsゲストにおいて MicrosoftによるマルチメディアAPI「DirectX 10.1(Direct3D 10.1)」をサポート。「MSAA(Multisample anti-aliasing)」「Shader Model 4.1」「Cubemap Array」テクスチャに対応し、「DirectX 10.0(Direct3D 10.0)」を含む ゲーム、アプリケーション実行時のパフォーマンス(バッテリーパフォーマンスを含む)を改善する(「macOS Sierra 10.13」以降において対応)。現時点において、Metalレンダラは OpenGLの全ての機能をサポートしている訳ではないため、不都合が生じた場合には 仮想マシンバンドル(.vmwarevm)に含まれる構成ファイル(.vmx)に「mks.enableMTLRenderer=1」「# Enable/Disable Metal」の行を追加する事によって、(Ver. 8.5以前と同様の)ホストからのレンダラをOpenGLに戻す事ができる
  • サポート対象オペレーティングシステムの追加。Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Mojave 10.14」を、ホストOS、ゲストOSとして試験的にサポート(ゲストOSとしては、Mac App Storeから入手可能なインストーラ(.app)を通じてインストール可能(現時点では、新規インストールのみに対応し、MASを通じた 旧版のmacOSゲストからのアップグレードやリカバリパーティションからのインストールには非対応(ホストOSにおいて インストーラをダウンロードした後に、ゲストOSにコピーすれば、旧版からもアップグレード可能)。インストーラパッケージに含まれる「InstallESD.dmg」を抽出する必要はない)
  • SwaggerベースのRESTフルなAPIインターフェイス「Fusion REST API(Fusion Representational State Transfer Application Programming Interface)」をアップデートし、各種のネットワーク制御等に対応(VMインベントリの管理、仮想マシンのパワーマネジメント、クローニング、仮想スイッチ「vmnet」の作成、NICからのMACアドレスの取得、MACからIPへのDHCPバインディング等)
  • ユーザインターフェイス関連の改善。メニューバーに常駐するアプリケーションメニューを再実装し、ルックアンドフィールを刷新すると共に、各種のタスクを簡素化するための新機能を追加。Fusion REST APIを使用して再デザインされた同メニューでは、「New Virtual Machine Assistant(新規仮想マシンアシスタント)」、セッティングエディタへのリンク、仮想マシン、Windowsアプリケーションを対象としたコンテキストサーチ機能、各仮想マシンのIPアドレス、MACアドレス、プロセッサ(コア)数、RAM容量、パワーオペレーション、表示モード(シングルウインドウ、フルスクリーンモード、Unityモード)の切り替え、スナップショット、ピンアプリケーション、最近使用したアプリケーション等を表示し、既存の「Virtual Machine Library(仮想マシンライブラリ)」と同様の機能性を提供する。
    刷新されたアプリケーションメニュー
    ↑メニューバーに常駐するアプリケーションメニュー
  • 「MacBook Pro 2016」より導入されたTouch Bar(タッチバー)インターフェイスへの対応を強化し、タッチバーディスプレイに表示されるショートカットをカスタマイズ可能に(新たなコントロール対象として、「Virtual Machine Library(仮想マシンライブラリ)」、コンソールウインドウ(仮想マシンウインドウ)の表示を追加)
  • Linuxゲストに対して、ワンクリックにてSSHログイン可能に。ユーザ名とパスワードはセキュアに保存されるため、それらをログイン毎に入力する必要はない(或いは、パスワードを記憶させずに、ログイン毎に要求させるような設定も選択可能)。SSHが仮想マシンにおいて実行され、ユーザ名とパスワードによる認証にて アクセスする事が可能になると、迅速にTerminal(ターミナル、端末)セッションを開く事ができる
  • 「VMware Fusion 7」で導入され、リモートvSphereホスト、及びクラスタを管理する事が可能なVMware vSphereとの統合機能を強化し、リモート環境から ESXiホストのパワーオペレーション(リブート、パワーオフ)を制御可能に
  • VMware vCenter Serverへの接続時に、新たなESXiホスト、及びクラスタビューを追加。ユーザーは、非VMオブジェクト(ESXiホスト、リソースプール、vApp)、及び各々の関係階層(例えば「Datacenter」>「Cluster」>「Resource Pool」>「vApp」)に移動する事が可能となった他、ワンクリックにて「flat」VMビューに戻る事もできる
  • GUIクライアント(VMware Fusion.app)の終了時に、ホストOSからBluetoothデバイス(キーボード、マウス等)の接続が解除され得た(場合によっては再接続されていた)問題を修正
  • Window 10、Window 8(何れもゲストOS)を対象として、セッティングエディタの「Display(ディスプレイ)」から「Use High Performance Graphics」「Always use High Performance Graphics」の何れかのディスプレイオプションを選択した場合に、意図せずしてバッテリーの消費量が増大していた問題を修正
  • 「macOS High Sierra 10.13(ホストOS)」を何れかの版にアップデートした後に、NATネットワークが適切に機能しないケースが確認されていた問題を修正
  • 3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善。各種プラットフォーム、及びアプリケーションを対象として、グラフィックスのレンダリングにおける正確性を改善、及びグラフィックスドライバのチューニング(Windowsビデオドライバをアップデート)
  • グラフィックスにおけるデスクトップエクスペリエンスを向上(パフォーマンスの改善等)
  • 一部のデバイスを対象として、USB関連の互換性を改善
  • 全般的な安定性やパフォーマンス、及びアプリケーション互換性を改善
  • And many others…

※「VMware Fusion Technology Preview 2018」は、「VMware Fusion Pro」をベースとしてしていますので、GAリリース後に 通常版には実装されない機能も含まれています。また、当版は 現時点(「Technology Preview 1 Build 2884851」の時点)においてデバッキングモードで動作しているため、最適なパフォーマンスを得ることはできません。

上記リストにも示しましたように、Fusion Tech Preview 2018では 新規仮想マシン作成時におけるデフォルトの仮想ハードウェアのバージョンが「16」にアップグレードされていますが、このバージョンが適用された仮想マシンは 旧版の「VMware Fusion」とは互換性がありません。特に旧版で作成した仮想マシンをアップグレードする場合には御注意下さい。

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「macOS Sierra 10.12」以降(「macOS Mojave 10.14」を含む)となっています。Ver. 8.5にてサポートされていた「OS X Mavericks(OS X 10.9)」「OS X Yosemite(OS X 10.10)」「OS X El Capitan(OS X 10.11)」は対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのOS X(macOS)のサポートも「10.12」〜「10.14」となります)。また、「Direct3D 10.1」を利用可能なハードウェア要件は、「MacBook(Early 2015)」以降、「MacBook Air(Mid 2012)」以降、「MacBook Pro(Mid 2012)」以降、「Mac mini(Late 2012)」以降、「iMac(Late 2012)」以降、「Mac Pro(Late 2013)」以降となっています。

「Ubuntu 18.04」on「VMware Fusion 2018 TP 1」
↑「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver、ゲストOS)」on「VMware Fusion 2018 Technology Preview 1 Build 8888912」on「macOS High Sierra 10.13.4(ホストOS)」