「VMware Fusion 10.1.2」リリース、「April 2018 Update(Spring Creators Update)」をサポート

Dell TechnologiesグループのVMwareより米国時間2018年3月21日、macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion」のアップデートリリースに相当する「VMware Fusion 10.1.2 Build 8502123」がリリースされ、VMwareによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデーター(「VMware Fusion」>「Check for Updates…(更新の確認…)」)を通じて、日本語含む複数言語リソースを包含する マルチリンガル版のバイナリーパッケージが入手可能となっています。

「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver)」もサポート

「VMware Fusion 10」を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス等が行われており、前版(VMware Fusion 10.1.1)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • サポート対象オペレーティングシステムの追加。Microsoftによるデスクトップオペレーティングシステム「Windows 10 April 2018 Update(Ver. 1803、a.k.a. Spring Creators Update)」をゲストOSとしてサポート。「New Virtual Machine Assistant(新規仮想マシンアシスタント)」において、同オペレーティングシステムのISOイメージを正確に認識し、自動インストール機能「Windows Easy Install(Windows簡易インストール)」オプション、共有フォルダー、Unity(ユニティ)モード等の諸機能を利用可能に
  • 新たに「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver)」「RHEL 7.5(Red Hat Enterprise Linux 7.5)」をゲストOSとしてサポート。プリコンパイルされたカーネルモジュールを伴う ゲストOS拡張機能「VMware Tools」が同梱され、自動インストール機能「Linux Easy Install(Linux簡易インストール)」オプション、共有フォルダー、ダイナミックレゾリューション等の諸機能を利用可能に(VMwareは、オープンソースのゲストOS拡張機能「open-vm-tools」の利用を推奨している)
  • 「macOS High Sierra(macOS 10.13、ホストOS)」において、仮想マシンからホストOSにフォーカスを切り替えた場合に、「Caps Lock」キーが自動的にオンになっていた問題を修正
  • Windows(ゲストOS)に対して、iLok USBキーを接続した後に、当該の仮想マシンがクラッシュしていた問題を修正
  • リモート「VMware ESXi」サーバーにホストされたmacOS(ゲストOS)をシングルウインドウモードからフルスクリーンモードに切り替えた場合に、高いDPIレゾリューションで表示され、結果としてディスプレイサイズが縮小されていた問題を修正(この問題は「VMware Tools 10.2.5」をインストールする事によって解決する)
  • 暗号化された仮想マシン(Widows(ゲストOS))にて、仮想ディスクのクリーンアップ機能が使用できなくなっていた(セッティングエディターの「General(一般)」ペインにおいて、「Clean Up Virtual Machine(仮想マシンのクリーンアップ)」ボタンがグレイアウトしていた)問題を修正
  • リモート仮想マシンが分散仮想スイッチに接続するように設定されている場合に、「Network Connection(ネットワーク接続)」ドロップダウンメニューに分散仮想スイッチポートグループの名前が表示されず、ブランクのエントリー項目が表示されていた問題を修正
  • セキュリティ関連の改善。このアップデートでは、IA32_SPEC_CTRLにおけるSSBD機能へのゲストアクセスが提供されている。この機能は、インテルベースのプラットフォームにおいて適切なマイクロコードの更新を実行している場合に、仮想ハードウェアのバージョンが「9」(virtualHW.version = “9”)以降の仮想マシンに対して提供される(「VMware Fusion 5」以降にて作成された仮想マシンがこれに該当。仮想マシンのハードウェアバージョンは、セッティングエディターを通じたGUIにて確認可能(「Other(その他)」>「Compatibility(互換性)」))。ゲストOSは、この新しいCPU機能を使用して脆弱性を緩和する事が可能(詳細は「ナレッジベース(KB 54951)」に掲載されている)

上記の脆弱性に対しては、The Common Vulnerabilities and Exposures project(cve.mitre.org)からは「CVE-2018-3639」、VMwareセキュリティアドバイザリーからは「VMSA-2018-0012.1(Moderate)」の共通脆弱性識別子が各々割り当てられています。以下のスクリーンショットでは、「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver、ゲストOS)」のリンククローンに対して、パッケージ管理システム「APT(Advanced Packaging Tool)」から 上流のプレーンなGNOME環境「gnome-session(GNOMEセッション)」をインストールして適用しています。

「Ubuntu 18.04」on「VMware Fusion 10.1.2」
「GNOME」セッションを適用した「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver、ゲストOS)」on「VMware Fusion 10.1.2 Build 8502123」on「macOS High Sierra(macOS 10.13.4、ホストOS)」