「Linux Mint 20.3(Cinnamon)」を「VMware Fusion 12」にインストール

愛Linux Mint teamによるLinuxディストリビューション「Linux Mint 20.3(開発コードネーム「Una」)」が、現地時間2022年1月7日付にてGAリリースを迎えました。Linux Mintは、アーキテクチャー、デスクトップ環境別に6種のエディションが提供されていますが、今回は同オペレーティングシステムのCinnamon Editionを macOSベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Fusion 12」にゲストOSとしてインストールしてみましたので、そのプロセス等を簡単に纏めてみたいと思います。

ゲストOSのタイプとして「Ubuntu 64-bit」を選択し、Cinnamon Editionをインストール

「VMware Fusion」には、「New Virtual Machine Assistant(新規仮想マシンアシスタント)」におけるプロセスの一部に、Linux(ゲストOS)を対象とした自動インストール機能「Linux Easy Install(Linux簡易インストール)」オプションが実装されていますが、当ポストでは インストーラーを通じたマニュアルインストールを実践しています。

仮想マシン作成時のゲストOSのタイプは「Ubuntu 64-bit」を選択し、ホストシステムとのバランスを考慮しながら 仮想マシンにプロセッサーとメモリーを割り当て、ダウンロードしたISOファイルから仮想マシンを起動します(使用条件にもよりますが、仮想マシンには 2プロセッサー、2GBメモリーは割り当てたいところです)。

ゲストOSタイプは「Ubuntu 64-bit」
↑ゲストOSのタイプとして「Ubuntu 64-bit」を選択

「Linux Mint」では、Live CDを そのままインストールCDとして使用する事が可能となっており、ウィザードに従って インストールオプションやタイムゾーン指定、キーボードレイアウトの選択、及びアカウント設定等を行っていく事となります。また、インストールの過程で マルチメディアコーデックのインストールを任意に選択する事が可能となっています(タイムゾーン指定以降の設定は、インストールプロセスにおいてファイルコピーと並行して行われる事となります)。

ゲストOS拡張機能として「open-vm-tools」をインストール

「VMware Fusion 12」は、米国時間2021年11月18日付にてリリースされた「VMware Fusion 12.2.1(現行GA版)」の段階において「Linux Mint 20.3」をゲストOSとして正式にサポートしていませんが、ゲストOS拡張機能「VMware Tools」のオープンソース実装「open-vm-tools」をカーネルモジュールとして組み込む事が可能です。

*「VMware Fusion.app」には、Linux(ゲストOS)に向けた「VMware Tools」も同梱されていますが、VMwareからは 各OSベンダー、OSコミュニティから提供されている「open-vm-tools」を利用した運用が推奨されています(同社によるサポートポリシーでは、認定されたオペレーティングシステムでの使用を目的として、各OSベンダー、OSコミュニティから配布される「open-vm-tools」は、完全にサポートされるとの事です)。

「open-vm-tools」は、パッケージ管理システム「APT(Advanced Packaging Tool)」を通じてインストールする事が可能となっており、「Ubuntu 20.04 LTS(Focal Fossa)」をベースとする「Linux Mint 20.3」では、インストール時に「open-vm-tools」が自動的にダウンロードされ、そのままインストールされる事となります(この機能は、インターネットに接続された(オンライン環境での)VMware仮想マシンへのインストールが前提となり、「Ubuntu 20.04 LTS(Focal Fossa)」における改善を そのまま享受した形となります)。

何れかの理由でインターネット接続環境を用意する事ができない場合には、同梱されている「VMware Tools」を手動でインストールする事となりますが、この場合には マウントされたイメージファイルに含まれているtarボール(VMwareTools-xx-xx.tar.gz)を展開した後に、コマンドラインを通じてインストールスクリプト(~/vmware-tools-distrib/vmware-install.pl)を実行する必要があります(要管理者権限)。尚、準仮想化デバイスのフレームワーク「virtio(virtio-gpu)」のサポートによって、ゲストOS拡張機能がインストールされていない状態でも、マウスカーソルの透過的な移動を可能とするマウスシンクロナイズは適切に機能します。

※ゲストOS拡張機能をインストールする事によって、タイムシンクロナイズ、ダイナミックレゾリューション(フルスクリーンモードを含む)、ゲストOS、ホストOS間におけるテキストのコピーアンドペースト、及びファイルのドラッグアンドドロップ等の諸機能が利用可能となり、ゲストOS、ホストOS間におけるインタラクティブ機能が拡張されます。

また、プリインストールされているAPTのGUIフロントエンド「Synaptic Package Manager(Synapticパッケージマネージャー)」を通じて、アップデートを受ける事も可能となっています。

メモリー使用量

起動直後のメモリー使用量は約768MBとなっており、中量級のディストリビューションと言えるでしょう。参考までに「Linux Mint 20.1(Ulyssa)」を「VMware Fusion 12」で実行した場合には約720MB、「Linux Mint 20.2(Uma)」を「Parallels Desktop 16.5(Intel)」で実行した場合には約548MBの値を検出しています。

Linuxカーネル、デスクトップ環境、Debianエディション

GAリリース時において「Linux Kernel: 5.4.0-91-generic x86_64 bits」「X.Org Server 1.20.11」を実装する Ver. 20.3では、デフォルトのデスクトップセッションとして、GNOMEシェルからフォークしたデスクトップ環境「Cinnamon」、「GNOME 2」からフォークした「MATE」、及びXfceを採用する3種のエディションが提供されています(LTS(Long Term Support)としてリリースされている当版では、2023年までのサポート期間が設けられています。尚。「MATE」の発音は「メイト」ではなく「マテ」です。「マテ茶」の「マテ」です)。

また、Linux Mint teamからは Debianをベースとした「LMDE(Linux Mint Debian Edition)」も提供されており、こちらは英国時間2020年3月20日付にてリリースされた「LMDE 4 Debbie(Linux Mint Debian Edition 4 Debbie)」が現時点における最新版となります。

新たなドキュメントマネージャー「Thingy」を実装

この度リリースされた「Linux Mint 20.3」では、新たにドキュメントマネージャー「Thingy」が実装されました。このアプリケーションでは、任意の書類や最近開いた書類をプレビュー付きにて一覧表示し、目的のドキュメントに迅速にアクセス可能とします。

また、「Mint-Y」テーマの改善と連動して、ツールバーのみを暗くした中間テーマ「Mint-Y-Darker」が除去され、当班からは「Mint-Y(ライトモード)」「Mint-Y-Dark(ダークモード)」、及び各々のカラーバリエーションからの選択となります。

Cinnamon Editionでは、コンテンツサーチに対応

「Cinnamon 5.2」が実装された当エディションでは、カレンダーアプレットが複数カレンダーのイベントに対応しました。また、ファイルマネージャー「Nemo」において、(ファイルやフォルダーのコピー(移動)時に)移動先の階層に同名のファイル(フォルダー)が既に存在する場合に、ファイル名を自動的に変更して移動する機能(同名ファイルの自動リネームオプション)が追加されました。

MATE Editionは、「MATE 1.26」を実装

MATEエディションでは、コアコンポーネントとなるデスクトップ環境がアップデートされ、「MATE 1.26」が実装されています。

MozillaによるプレーンなFirefoxへ移行

デフォルトWebブラウザーの「Firefox」は、アプリケーションのアイコンやスタートページ、検索エンジン等がカスタマイズされた独自の版が提供されていましたが、米国時間2022年1月11日付にてリリースされた「Firefox 96」より、「Linux Mint」の公式リポジトリーからも、Mozillaから配布されているオリジナルの「Firefox」が提供される事となります。

「Linux Mint 20.3」の「Nemo」
↑「Linux Mint 20.3」におけるファイルマネージャー「Nemo」。「Linux Mint 20.3(Una、ゲストOS)」on「VMware Fusion 12.2.1 Pro Build 18811640」on「mmacOS Monterey 12.2(ホストOS)」