「VirtualBox 5.1.18」リリース、rawディスク起動の修正

共有フォルダ関連のリグレッションも修正

Oracle Corporationより米国時間2017年3月15日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.1.18 Build 114002(VirtualBox 5.1 Maintenance Release 18)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、OS X、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約89.9MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Ver. 5.1を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、セキュリティアップデート、パフォーマンス改善等が行われており、前版(「5.1.16 Build 113841」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • 共有フォルダ関連の改善。「5.1.16 Build 113841」へのアップデート後に、共有フォルダにおけるファイル名のハンドリングが、case-sensitive(Mac OS Xにて利用可能だったファイルシステム「HFSX」と同様に、ファイル名における英大文字/小文字を別の文字として認識)となっていた リグレッション関連の問題を修正(Windowsゲストにおいてのみ発生し得た問題)
  • 長いファイルパスで設定された共有フォルダを、適切にマウントする事ができなかった問題を修正(「5.1.16 Build 113841」におけるリグレッション。Windowsゲストにおいてのみ発生し得た問題)
  • API関連の改善。スナップショット機能において、MAU(Medium Attachment Unit)、PICデバイスアタッチメントのハンドリングを修正
  • ICH9(Intel I/O Controller Hub 9)チップセットが使用されている場合に、rawモードブートにおいて、32bit Windows(ゲストOS)を作成できなかった問題を修正(「5.1.16 Build 113841」におけるリグレッション)
  • VBoxBugReport関連の改善。仮想マシンのログの収集に関連した問題を修正
  • autostartサービススクリプト(vboxautostart-service)が適切に動作しないケースが確認されていた問題を修正(Linuxホスト)
  • ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。「Windows Vista」以降において発生し得た、自動ログイン関連の問題をを修正(「5.1.4 Build 110228」におけるリグレッション)

rawモードブートは、実パーティションにインストールされたOSを 仮想マシンとして起動するための機能で、「Parallels Desktop for Mac」「VMware Fusion」における「Boot Camp」仮想マシンと同様の機能となります。

その他にもOracleからは、同日付にて 旧版(Ver. 5.0)を対象としたアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.0.36 Build 114008(VirtualBox 5.0 Maintenance Release 36)」もリリースされ、「5.1.18 Build 114002」と同様の 共有フォルダ関連のリグレッションの修正等が行われています。