Oracle Corporationより米国時間2022年11月18日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 7.0.4(Oracle VM VirtualBox 7 Update 0 Hotfix 4)」がリリースされ、プロジェクトサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、macOS(Intel)、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリーパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、PUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(バイナリーとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。
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「RHEL 9.2」「SLES 15.4」両カーネルを初期サポート
Ver. 7.0を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等が行われており、前版(VirtualBox 7.0.2)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。
- 仮想化エンジンの改善。ネスト仮想化に向けて、Nested Paging(ネステッドページング)のサポートを追加(Intelホストのみ)
- 「macOS Catalina(macOS 10.15、ホストOS)」において実行される特定のゲストOS(「Virtual SMP(Virtual Symmetric Multiprocessing、仮想対称型マルチプロセッシング)」が有効化されたゲストOS)にて稀に発生し得た、Guru Meditationに相当する深刻なエラーを修正
- Microsoftによるハイパーバイザプラットフォーム「Hyper-V」が特定のゲストOSにて使用されている場合に、Windowsホストにおいて発生し得た 仮想マシンプロセスのクラッシュを修正
- 一部特定のAMD CPU環境において、「Windows XP(ゲストOS)」がハングアップしたり、或いはBSOD(Blue Screen of Death、ブルースクリーン)が発生するケースが確認されていた問題を修正
- ユーザインターフェイス(GUI)関連の改善。ゲストOSを制御可能な「VirtualBox File Manager(ファイルマネージャー)」を対象として、種々のバグフィックスを適用(「VirtualBox File Manager(ファイルマネージャー)」は、「Machine(仮想マシン)」>「File Manager…(ファイルマネージャ…)」から呼び出し可能)
- 「VirtualBox File Manager(ファイルマネージャー)」に、より有益なファイル操作の機能を追加
- ユーザーインターフェイスフォントをリサイズするためのグローバル設定(オプション)を、セッティングエディタにおける「Display(ディスプレイ)」ペインに追加
- ゲストOS拡張機能「Guest Additions」関連の改善。「Guest Additions(Linux)」において、「RHEL 8.7(Red Hat Enterprise Linux 8.7)」「RHEL 9.2(Red Hat Enterprise Linux 9.2)」 カーネルを初期サポート
- 「Guest Additions(Linux)」において、「SLES 12(SUSE Linux Enterprise Server 12)」 カーネルを初期サポート
- ゲストOSのシステムシャットダウン時における、カーネルモジュールのリビルドの挙動を修正(Linux Guest Additions)
- And many others…
システム要件とApple Siliconホストについて(Apple Siliconホストはテストを継続)
当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサーを搭載したApple製コンピューター、Intel版におけるホストOSは「macOS Catalina(macOS 10.15)」「macOS Big Sur(macOS 11)」「macOS Monterey(macOS 12)」となっています。Ver. 6.1にてサポートされていた「macOS High Sierra(macOS 10.13)」「macOS Mojave(macOS 10.14)」は 対象外となりますので御注意下さい。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、OTN(Oracle Technology Network)等を通じて確認可能となっています。
macOSホストは、Intelアーキテクチャー(Intel Mac)に向けたx86バイナリーの他に、ARMベースのSoC(System on a Chip)「Apple Silicon(Apple M1、Apple M2 Chip)」に対応したARM64(AArch64)バイナリーも提供されていますが、同版はGA版としてのリリースには至っていません(現在は、「Beta 4」との位置付けにて「Developer preview for macOS / Arm64 (M1/M2) hosts」が提供されています)。
macOSホストは「Universal 2 Binary」ではなく、各アーテクチャーに向けたバイナリー(OSX.dmg、macOSAArch64.dmg)が個別に提供される事となり、Apple Silicon版における対応ホストOSは「macOS Big Sur(macOS 11)」「macOS Monterey(macOS 12)」となっています。
「macOS Ventura(macOS 13)」の対応について
現時点で、Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Ventura(macOS 13)」に対する対応について、公式なアナウンスはありません。ユーザーマニュアルにおけるサポート対象ゲストOS、ホストOSにも、同版はリストされていません。