「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.6.1」リリース、ブリッジネットワークを構成可能に

Corel CorporationグループのParallels International GmbHより米国時間2020年11月26日、macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac App Store Edition(旧Parallels Desktop Lite)」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.6.1 Build 21141」がリリースされ、現在Mac App Storeを通じて、日本語含む複数言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています(app 約185.5MB)。

「DirectX 11.1」をサポートし、Big SurスタイルのUIを採用

Ver. 1を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、及びバグフィックス等が行われており、前版(「1.6.0 Build 21086」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

「macOS Big Sur(ホストOS)」に対する互換性改善

  • 仮想マシンの起動を試みた後に、macOS(ホストOS)がクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • Windows(ゲストOS)に対して任意のユーザーでログインした場合に、仮想マシンがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • 「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Hardware(ハードウェア)」>「CPU & Memory(CPUおよびメモリ)」ペインに、2つのメニュー項目しか表示されてなかった問題を修正
  • スナップショットの削除中に「Unable to pause “virtual machine name”.(”仮想マシン名” を一時停止する事ができません)」というメッセージが表示され得た問題を修正
  • 環境設定(Parallels Desktop」>「Preferences…(環境設定…)」)、及び「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」ダイアログのタブを切り替えた場合に、GUIクライアント(Parallels Desktop.app)のウインドウが上に移動していた問題を修正
  • macOS(ホストOS)のDockにおいて、複数の仮想マシンアイコンが表示されるケースが稀に確認されていた問題を修正

「macOS Big Sur(ゲストOS)」に対する互換性改善

  • 既存のmacOS(ゲストOS)を「macOS Big Sur 11.0」にアップグレードする事ができなかった問題を修正
  • リカバリーパーティションから、仮想マシンに「macOS Big Sur 11.0」をインストールする事ができなかった問題を修正
  • ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」の再インストール後に、「macOS Big Sur 11.0(ゲストOS)」がインストールされた仮想マシンがブラックスクリーンの状態で行き詰まっていた問題を修正
  • 「macOS Big Sur 11.0(ゲストOS)」へのアップグレード後に、当該仮想マシンがブラックスクリーンの状態で行き詰まっていた問題を修正
  • ユーザーがログインした場合に、稀に「macOS Big Sur 11.0(ゲストOS)」がインストールされた仮想マシンがリブートするケースが確認されていた問題を修正
  • 「macOS Big Sur 11.0」以外の版がインストールされたホストコンピュータ(Mac)で作成された仮想マシン(「macOS Big Sur 11.0(ゲストOS)」)において、デフォルトの画面解像度が 1024*768に設定されていた問題を修正
  • 「Installation Assistant(インストールアシスタント)」において、「macOS Big Sur 11.0(ゲストOS)」のバージョンが正しく表示されていなかった(Ver. 10.16として表示されていた)問題を修正

その他の改善

  • ユーザーインターフェイスをBig Surスタイルにアップデート
  • 「macOS Big Sur 11.0」のプライバシー制限を満たすべくした改善を適用(例えば、ユーザーが同意を与えるまで、Bluetoothの使用は許可されない等)

ネットワーク関連の改善

  • 仮想マシンにおいて、ブリッジネットワークを構成可能に

3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善

  • MicrosoftによるマルチメディアAPI「DirectX 11.1(Direct3D 11.1)」をサポート。この改善よって、高解像度モニター、及び「DirectX 11(Direct3D 11)」を要する 更なるアプリケーション、ゲーム等の対応範囲を拡張
  • 「macOS Big Sur 11.0(ゲストOS)」における「Metal」グラフィックスAPIへの対応の改善。OpenGLを置き換え、3Dグラフィックスのレンダリングをアクセラレートする同APIへの対応の改善により、macOS(ゲストOS)におけるパフォーマンスを改善した他、2018年から2020年に報告されていた、以下の多数の問題を修正
  • 「Preview(プレビュー)」で開かれたPDFドキュメントにおいてテキストを選択した場合に、当該のテキストがブラックアウトしていた
  • FileSimpleアプリケーションにおいて、インターフェイスがブランクになるケースが確認されていた
  • メニューバーの時計がシャープに表示されないケースが確認されていた
  • Webブラウザ「Safari」において複数のタブを開いた場合に、グラフィカルアーチファクトが表示されていた
  • 「Notes(メモ)」がクラッシュするケースが確認されていた
  • 「Maps(マップ)」でブラックスクリーンが表示されるケースが確認されていた
  • 「Photos(写真)」において、黒いサムネイルが表示されるケースが確認されていた
  • 「Citrixソフトウェア」「SOLIDWORKS 2020」「SolidBuilder」「DesignBuilder」「Insignia Approver」「TopSolid 2020 6.21」「BricsCAD」「Creo 6.0」「Creo Parametric 7.0.1.0」「iRidium Studio」「iCam 3D」「FreeCAD 0.18.4」「CATIA」「Solid Edge 2020」「Namirial Termo 5」「Winner Design 12」「Minitab 19」「Olex² Crystallographyソフトウェア」「Mercury」「ANSYS 17.2」「TRASSIR(DSSL)」「FEFLOW(DHI)」「MySQL Workbench」「Gradework 4D」「pCon.planner」「Abaqus」「Microsoft Whiteboard」、及び「Samplitude Pro X5」に向けた「FabFilter Pro-Q 3」プラグインにおいて発生し得た、グラフィックスアーチファクトを修正
  • ゲストOSにおいて「AmiBroker」の3Dビューワー、「LDView」「SoundPLAN」を実行した場合に発生し得た、不正確なレンダリングを修正
  • 「Realtime Landscaping Architect 2018」を実行した場合に、ビデオグリッチが生じていた問題を修正
  • 「Microsoft Teams」の設定ダイアログにおいて、ビルトインのFace Timeカメラからのイメージが壊れて表示されていた問題を修正
  • ストレージシステム「Drobo」の管理ツール「Drobo Dashboard」において、赤いドットが表示されるケースが確認されていた問題を修正
  • 「LTpowerCAD 2.7.1」において、グラフが表示されなかった問題を修正
  • 「Paratext 9」の起動時に、ブラックスクリーンが表示されていた問題を修正
  • 「KOMPAS 3D 18.1」「KOMPAS 3D 19」において、網目状の透明度が機能せず、切り取ったパーツが消去されないケースが確認されていた問題を修正
  • 「Windows 10(ゲストOS)」の「Start(スタート)」メニューにおいて、稀に赤いオーバーレイが表示されるケースが確認されていた問題を修正
  • カメラを移動した場合に、「PRO100 v6.15」において 画面が暗くなっていた問題を修正
  • 「PRO100 v5.20」にて、グラフィックアダプターの問題に関するエラーメッセージが表示されていた問題を修正
  • 「Condacam 3.1」においてオブジェクトを選択、或いはハイライトした場合に、グラフィックスアーチファクトが発生するケースが確認されていた問題を修正
  • ウインドウマネージャーに「FVWM2」を使用する「openSUSE 15.2」において、ウインドウをドラッグした後に、グラフィックスアーチファクトが表示され、仮想マシンが無反応となるケースが確認されていた問題を修正
  • 「Ubuntu 16.04 LTS(Xenial Xerus、ゲストOS)」において、シャドウの代わりに黒い四角形が表示されるケースが確認されていた問題を修正

種々の雑多な改善

  • 仮想マシン(ゲストOS)の実行時に、Solid Edge、Citrixソリューション、「Insignia Approver」「TopSolid 2020 6.21」のパフォーマンスが低下するケースが確認されていた問題を修正
  • ユーザーがファイルを開こうとした場合に、Virtual Worldsがクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • 「pCon.planner 8.3 Update 2」においてイメージファイルをプレビューしたり、或いはPDFファイルとして出力する事ができなかった問題を修正
  • 外部ディスプレイに表示されているWindows(ゲストOS)において、Microsoft PowerPointのプレゼンテーションモードが動作しなかった問題を修正
  • 仮想マシン(ゲストOS)において、「PaletteCAD 10」「ParaVIEW」 を起動する事ができなかった問題を修正
  • 「Ubuntu 20.04 LTS(Focal Fossa、ゲストOS)」において、Webブラウザー「Google Chrome」がブランクのウインドウを表示するケースが確認されていた問題を修正
  • Windows(ゲストOS)において、3DのCAD、CAM、CAEツール「Siemens NX 12」 アプリケーションを実行した場合に、「Internal error: Memory access violation.(内部エラー: メモリアクセス違反)」 エラーメッセージが表示されるケースが確認されていた問題を修正
  • 「Polycom RealPresence Desktop」の使用時に、仮想マシンがフリーズするケースが確認されていた問題を修正
  • リードオンリーとして定義されている共有フォルダーに保存されているAutoCadプロジェクトを、当該アプリケーション(AutoCad)を通じて開く事ができなかった問題を修正
  • ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」がインストールされた環境において、「Bosch Video Security」が動作しなかった問題を修正
  • Windows(ゲストOS)に、解析用ソフトウェア「Hilti PROFIS Detection」をインストールする事ができなかった問題を修正

Windows(ゲストOS)関連の改善

  • 「macOS Catalina 10.15(ホストOS)」の環境において、「Windows 10(ゲストOS)」を適切に起動する事ができないケースが確認されていた問題を修正
  • 「Windows 8.1(ゲストOS)」が、起動時に稀にスタックするケースが確認されていた問題を修正
  • 仮想マシンに対して、「Windows 10 Insider Preview Build 20175(ゲストOS)」をインストールする事ができなかった問題を修正
  • iPadをMacのサブディスプレイとして使用可能とする「Sidecar」を使用している場合に、周期的にフリーズするケースが確認されていた問題を修正
  • RDP(Remote Desktop Protocol)経由で仮想マシンに接続した場合に、グラフィックスアーチファクトが生じるケースが確認されていた問題を修正
  • 「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」においてネットワークアダプタタイプを変更した後に、Windows(ゲストOS)においてインターネット接続が失われ、以前のネットワークアダプターが表示されていた問題を修正
  • 「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」においてネットワークアダプタタイプを変更した後に、Windows(ゲストOS)をシャットダウンする事ができないケースが確認されていた問題を修正

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「macOS Mojave(macOS 10.14.6)」以降となっています。Ver. 1.5にてサポートされていた「macOS High Sierra(macOS 10.13.6)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「Server 10.5」〜「11.0」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

名称(ブランディング)の変更について

米国時間2019年1月21日付にてリリースされた「1.5.0 Build 20116」より、プロダクトの名称が「Parallels Desktop Lite」から「Parallels Desktop for Mac App Store Edition」に変更されました。これは、「Lite」というラインアップ名が、Standard版よりも高価なサブスクリプションの金額設定に相応しくないとの指摘を受けての変更となります(Mac App Storeにおいては、名称の重複する製品が他には存在しないため「Parallels Desktop」と表記されています)。