「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.6(1.6.0)」リリース

Corel CorporationグループのParallels International GmbHより米国時間2020年10月14日、macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac App Store Edition」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop for Mac App Store Edition 1.6.0 Build 21086」がリリースされ、現在Mac App Storeを通じて、日本語含む複数言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています(app 約186.0MB)。

「DirectX 11」のパフォーマンスを高速化し、OpenGL 3.3互換性プロファイルをフルサポート

Ver. 1を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、及びバグフィックス等が行われており、前版(「1.5.0 Build 20116」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

3Dグラフィックスを含むグラフィックス関連の改善

  • AMD Radeonグラフィックスカードを搭載したMacにおいて、MicrosoftによるマルチメディアAPI「DirectX 11(Direct3D 11)」のパフォーマンスを最大20%高速化
  • OpenGL 3.3互換性プロファイルをフルサポートし、Windows(ゲストOS)において「DIALux evo 9」「SAMSON Connect」「ProPresenter 6」「ClinCheck Pro」「Rhino 6」等のアプリケーションを実行可能に。Linux(ゲストOS)においては「Steam」「Firefox Quantum」等のアプリケーションが実行可能となった他、KDEウインドウマネージャーに向けて、マルチモニターのサポートを向上

パフォーマンス関連の改善

  • Windows(ゲストOS)において、レジューム、終了に要する時間を最大で20%高速化
  • 任意のスナップショットへのロールバックに要する時間を最大で30%高速化
  • Windows(ゲストOS)を対象としたバッテリーセービングモード「Travel Mode(トラベルモード)」実行時のパフォーマンスを改善。同モードを実行するためには、「Actions(アクション)」メニューから「Enter Travel Mode(Travel Modeを開始する)」を実行する(同モードは、ポータブルMacコンピュータにおいてのみ使用可能)。同モードの実行時に、Windows(ゲストOS)が消費するコンピューティングリソース、及びネットワークリソースが低減され、バッテリー寿命が最大で10%向上

ハードウェア関連の改善

  • macOS(ゲストOS)において、サウンドクオリティを改善
  • 「Windows 10(ゲストOS)」アプリケーション(Microsoft Edge、マップ、写真等)において、コンテンツを回転させるための、2本指ピンチジェスチャのサポートを追加。また、よりスムーズなエクスペリエンスを提供すべくして、ズームジェスチャも改善
  • 仮想マシンの(サスペンドではなく)シャットダウン毎に、未使用のハードディスク(SSD)領域を、Windows(ゲストOS)からmacOS(ホストOS)に自動的に返還するための機能を追加(「Reclaim disk space on shutdown」オプション)。この機能は、「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「General(一般)」タブを通じて有効化可能
  • 「Windows 10(ゲストOS)」にて、「Samsung Portable SSD X5」外部ストレージを使用可能に
  • 「Windows 10(ゲストOS)」に向けた新たなプリンタードライバーを実装し、両面印刷、及び最大A0までの用紙サイズをサポート

その他のコンビニエンスな機能

  • 非アクティブな期間を選択した後、Windows(ゲストOS)が自動的にポーズ(一時停止)されるべくした機能を実装(新規ユーザーに向けては、当該機能を説明するための新たなスニペットカードが表示される)
  • 複数のWindowsエディションを伴うISOイメージからのWindows(ゲストOS)のインストールを完全に自動化
  • 外部ディスクに保存されている仮想マシンを起動した場合に、当該ディスクがmacOS(ホストOS)に接続されているかどうかを確認し、ディスク名を使用して接続するように要求されるべくした変更を適用
  • ネイティブのmacOSのFinderアイコンを使用して、macOS(ホストOS)と共有されているファイルエクスプローラーのWindowsフォルダーを表示すべくした変更を適用
  • And many others…

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「macOS Mojave(macOS 10.14.6)」以降となっています。Ver. 1.5にてサポートされていた「macOS High Sierra(macOS 10.13.6)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「Server 10.5」〜「10.15」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

「macOS Big Sur」への対応について

App Storeでは、GA版としてリリースされていないプロダクトに関する言及が禁止されているため、Appleによる次世代デスクトップオペレーティングシステム「macOS Big Sur 11.0」に関する記述がありませんが、「Parallels Desktop 16」と同様に、当版においても ゲストOS、ホストOSとしての試験的にサポートが進められていると予想されます。

名称(ブランディング)の変更について

米国時間2019年1月21日付にてリリースされた「1.5.0 Build 20116」より、プロダクトの名称が「Parallels Desktop Lite」から「Parallels Desktop for Mac App Store Edition」に変更されました。これは、「Lite」というラインアップ名が、Standard版よりも高価なサブスクリプションの金額設定に相応しくないとの指摘を受けての変更となります(Mac App Storeにおいては、名称の重複する製品が他には存在しないため「Parallels Desktop」と表記されています。)。