「Parallels Desktop 15」のLinuxゲストのサポート

「Parallels Tools」不要にて、マウス統合、動的解像度が機能

macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」を対象としたアップグレードリリースとして、米国時間2019年8月12日付にてGAリリースを迎えている「Parallels Desktop 15 for Mac」ですが、同版では Linux(ゲストOS)に対するサポートが改善されています。

「Parallels Desktop for Mac」は、ゲストOS、ホストOS間におけるシームレスな連携をセールスポイントの一つとして挙げていますが、Linux(ゲストOS)に対しては ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」の対応が遅れる傾向にあります(VMwareやVirtualBoxは、Linuxに向けたゲストOS拡張機能(open-vm-tools、Guest Addition)をオープンソースとして公開しているため、OSベンダ側が迅速に対応し、自らのOSにプリインストールして配布する事が可能となっています。同梱されていない場合にも、パッケージ管理システムを通じてインストールする事によって、ほぼOSのリリースと同時に即時対応となっています)。

ゲストOS拡張機能の対応が遅れると、マウスカーソルの解放にキーコンビネーション(「control」+「option(alt)」)を要したり、解像度がウインドウサイズに追従せずに、不適切なスケーリングで表示される等、操作性が損なわれるる事となります。

この問題に対する改善として、Ver. 15では 準仮想化デバイスのフレームワーク「virtio(virtio-gpu)」がサポートされました。同フレームワークのサポートによって、比較的新しいLinux(ゲストOS)において、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」のインストールを伴わすして、スライディングマウス(マウスシンクロナイズ)、ダイナミックレゾリューション、マルチディスクプレイ(マルチモニタ)機能が利用可能となっています。

この改善によって、「Parallels Tools」が対応しているLinux(ゲストOS)においても、同拡張機能がインストールされる前(特にゲストOSの新規インストールプロセス等)のユーザエクスペリエンスが改善される事となります。