「VirtualBox 5.2.2」リリース

ユーザインターフェイス関連の改善、機能追加等

Oracle Corporationより米国時間2017年11月24日、マルチプラットフォームに対応した オープンソースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Oracle VM VirtualBox」のアップデートリリースに相当する「Oracle VM VirtualBox 5.2.2 Build 119230(VirtualBox 5.2 Maintenance Release 2)」がリリースされ、現在コミュニティサイト、及びOracleによる公式ダウンロードページを通じて、OS X、Windows、Linux、Solarisを対象としたバイナリパッケージ、ソースコード、SDK(Software Development Kit)、及びPUEL(VirtualBox Personal Use and Evaluation License)に準拠したエクステンションパック(Oracle VM VirtualBox Extension Pack)が入手可能となっています(Mac OS X版 dmg 約92.6MB。バイナリとソースコードには、ライセンスとしてGPLv2(GNU General Public License Version 2)が適用されています)。

Ver. 5.2を対象としたメンテナンスアップデートとして位置付けられている当版では、バグフィックス、パフォーマンス改善等が行われており、前版(5.2.0 Build 118431)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

  • ユーザインターフェイス関連の改善。高解像度スクリーンを対象として、種々の改善を適用
  • 光学イメージ、及びフロッピーイメージを複製するための機能を追加
  • 「Virtual Media Manager(仮想メディアマネージャ)」を対象として、種々の改善を適用
  • 分散オペレーティングシステム「Plan 9 from Bell Labs」を起動する事ができなかった、エミュレーション問題を修正(「5.2.0 Build 118431」におけるリグレッション)
  • ストレージ関連の改善。iSCSIにおけるブレーキング関連のリグレッションを修正
  • オーディオ関連の改善。デスクトップオペレーティングシステム「Haiku」等、更なるエキゾティックなゲストOSを対象として、HDA(High Definition Audio)のサポートを追加
  • シリアル関連の改善。WindowsにおいてNamed Pipe(名前付きパイプ)を使用した場合に、I/O(Input/Output)がハングアップするケースが確認されていた問題を修正(「5.2.0 Build 118431」におけるリグレッション)
  • Linuxホストにおける一部特定のデバイスにて、適切に通信する事ができないケースが確認されていた問題を修正
  • USB、OHCI(Open Host Controller Interface)関連の改善。仮想マシンのリセット後のコントローラの状態が、仮想マシンの起動後の初期状態に近くなるべくした改善を適用
  • ファームウェアインターフェイス「EFI(Extensible Firmware Interface)」関連の改善。稀に、HFS Plus(ファイルシステム)ドライバが、当該ボリュームにおける殆どのファイルにアクセスする事ができなくなるケースが確認されていた問題を修正
  • And many others…

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「OS X Yosemite(OS X 10.10)」以降(「macOS High Sierra 10.13」を含む)となっています。ゲストOSとしてのOS X(macOS)をインストールする事も可能となっていますが、サポート対象外となりますので御注意下さい(ゲストOS拡張機能「Guest Additions」も用意されていません)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、OTN(Oracle Technology Network)等を通じて確認可能となっています。

尚、Ver. 5.0に関しては、米国時間2017年4月28日付にてリリースされた「Oracle VM VirtualBox 5.0.40 Build 114633(VirtualBox 5.0 Maintenance Release 40)」を最後に、サポートが終了していますので御注意下さい。現在アクティブに開発が行われているのは、Ver. 5.2、及びVer. 5.1の2ラインとなります。