FirefoxのプライベートブラウンジングとFirefox Focus

Mozilla Foundationが支援するオープンソースのWebブラウザー「Firefox」が、間も無く(順調に行けば米国時間2022年5月3日)にバージョン100に到達します。オープンソースの理念を世界に広げてインターネットのエコシステムを拡充し、プライバシー保護にも注力するMozillaの活動には敬意を表するばかりです。

プライバシーを守るトラッキング(追跡)保護機能「Private Browsing(プライベートブラウンジング)」

2000年代前半から長きに渡ってアップデートを継続し、ラピッドリリースモデルを採用しつつ Ver. 100にまで到達する「Firefox」ですが、大きな特徴の一つは強力なトラッキング保護機能「Private Browsing(プライベートブラウンジング)」でしょう。他ベンダーのブラウザーにも、Cookieや閲覧履歴、検索履歴、ダウンロード履歴、キャッシュ等を保存しないプライベートブラウズ機能は存在しますが、「Firefox」のプライベートブラウンジングは、想定される殆どの追跡(ソーシャルメディアトラッカー、クロスサイトトラッキングCookie、及び残存するCookieの隔離、フィンガープリント採取、暗号通貨マイニング、トラッキングコンテンツ等)をブロックすべくして改善が進められています。

その成果は、米国時間2021年1月26日付にてリリースされた「Firefox 85」において、Supercookie(スーパークッキー)に対する包括的なプロテクトが追加された後に、米国時間2021年3月23日付にてリリースされた「Firefox 87」では「SmartBlock(スマートブロック)」と称されるインテリジェントなブロッキングメカニズムが導入される等、プライバシーの保護とユーザーエクスペリエンスの向上の両立も計られています。

モバイルプラットフォームを対象としたプライバシーブラウザー「Firefox Focus」

加えて、モバイルプラットフォームのiOSやAndroidを対象としては、トラッキング防止と広告ブロックに特化したプライバシーブラウザー「Firefox Focus」も提供されています。同ブラウザーは 単体での使用に加えて、iOSのデフォルトブラウザー「Safari」のコンテンツブロッカーとして指定する事も可能となっており、各種の履歴やトラッカーを排除する事によって、ブラウジング時のパフォーマンスの向上やバッテリーライフの向上にも貢献しています。

シェアの減少や財政難等も伝えられているMozillaとFirefoxですが、非営利に活動を継続する貴重な存在として、末長く活動を継続して欲しいと願うばかりです。