「Parallels Desktop 14.1.0」リリース、Mojaveホストとの互換性を改善

Boot Camp仮想マシンとの互換性改善も

Parallels International GmbHより米国時間2018年11月21日、macOS(OS X)ベースのデスクトップ仮想化ソフトウェア「Parallels Desktop for Mac」のアップデートリリースに相当する「Parallels Desktop 14 for Mac 14.1.0 Build 45387(Parallels Desktop 14 Update 1 Hotfix 0)」がリリースされ、現在Parallelsによる公式ダウンロードページ、及びビルトインのソフトウェアアップデータ(「Parallels Desktop」>「Check for Updates…(更新をチェック…)」)を通じて、日本語含む複数言語リソースを包含するマルチリンガル版のバイナリパッケージが入手可能となっています(dmg 約213.0MB)。

Ver. 14を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、機能の追加、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、及びバグフィックス等が行われており、前版(「14.0.1 Build 45154」)からの主な変更点として、以下の項目等が示されています。

ゲストOSアプリケーションとの互換性

  • ゲストOSにおいて「Vasco Da Gama 11」「SketchUp LayOut 2018」「SketchUp Style Builder 2018」を動作させた場合に発生し得た問題を修正
  • ゲストOSにおいて「SketchUp Pro 2018」を動作させた場合に発生し得たグラフィックスアーチファクトを修正
  • ゲストOS(Windows)、ホストOS(macOS)間におけるカメラの共有を簡略化。この機能(Share Mac camera)は、「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Hardware(ハードウェア)」>「Sound & Camera(サウンドとカメラ)」、コンソールウインドウ(仮想マシンウィンドウ)のタイトルバー、或いはmacOSメニューバーにおける「Devices(デバイス)」の何れかから実行する事が可能

ゲストOS、ホストOS間における統合

  • 2TB以上の容量のハードディスクドライブを搭載したMac(ホストコンピュータ)において、Boot Camp仮想マシンを起動する事ができなかった問題を修正
  • 「Windows 10」アップデートをインストールした後に発生し得た、リンクリダイレクトに関する問題を修正(macOS(ホストOS)で開くように設定されたリンクが、Windows(ゲストOS)で開かれていた問題)
  • Time MachineバックアップからリストアしたParallels Desktopを 起動する事ができないケースが確認されていた問題を修正
  • 「macOS Mojave 10.14(ホストOS)」環境において、カメラとマイクロフォンにアクセスするための設定(「System Preferences(システム環境設定)」>「Security & Privacy(セキュリティとプライバシー)」>「Privacy(プライバシー)」>「Camera(カメラ)」或いは「Microphone(マイク)」)に「Parallels Desktop」が表示されなかった問題を修正
  • ゲームモードで動作しているWindows(ゲストOS)からmacOS(ホストOS)に切り替えた後に、マウスカーソルが残って表示されていた問題を修正

デバイスサポートの改善

  • Two Way RadiosのUSBドングルに対して、データを転送する事ができなかった問題を修正
  • Lodestar X2 USBカメラが、PHD2アプリケーションよって検出する事ができなかった問題を修正
  • 「Virtual Machine Configuration(仮想マシン構成)」>「Hardware(ハードウェア)」>「Hard Disk(ハードディスク)」において、2基以上のSATA仮想ディスクが定義されている仮想マシンにおいて、シャットダウン、或いはレジューム時に、当該マシンがフリーズするケースが確認されていた問題を修正
  • 「HP LaserJet P2035」プリンタでのプリント時に、指定外のトレイから出力されるケースが確認されていた問題を修正

Linuxサポートの改善

  • 「openSUSE Leap 15」に、ゲストOS拡張機能「Parallels Tools」をインストールする事ができなかった問題を修正
  • 「X Server 1.20」を伴うLinuxゲストにおいて、「Parallels Tools」が適切に動作しなかった問題を修正
  • 「New Virtual Machine Assistant(新規仮想マシンアシスタント)」を通じて入手可能な「Ubuntu」の仮想アプライアンスに、「Parallels Tools」をインストールする事ができなかった問題を修正
  • 「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver、ゲストOS)」を Coherence(コヒーレンス)モードに遷移した状態でスリープから復帰した後に、マウスクリックに対して反応が無くなるケースが確認されていた問題を修正
  • 「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver、ゲストOS)」が、定期的にクラッシュ、或いはロックされ得た問題を修正
  • マルチモニタ構成の環境において、「Ubuntu 18.04 LTS(Bionic Beaver、ゲストOS)」を Coherence(コヒーレンス)モードで動作させている場合に、スクリーン解像度が適切に設定されなかった問題を修正
  • Linuxゲストにおいて、同じ共有フォルダを2回マウントする事ができなかった問題を修正

「Parallels Desktop for Mac Business Edition」に向けた改善

  • Parallelsの自動展開パッケージで、「Casper Suite 9.101」を使用して、「Parallels Desktop 14」をインストール、或いはアップグレードする事ができなかった問題を修正
  • Active Directoryのレスポンスが遅い状況で、Parallels Desktopが 起動時にフリーズするケースが確認されていた問題を修正

その他の改善

  • 「Installation Assistant(インストールアシスタント)」>「Free Systems(無料システム)」セクションにおいて、同一の「Recovery Partition(リカバリパーティション)」が2つ表示されるケースが確認されていた問題を修正
  • macOS(ホストOS)に、バージョンの異なる2種のリカバリパーティションが存在し、ユーザが 1つのパーティションからインストールする事を選択しても、Parallels Desktopが別のパーティションからmacOSをインストールしていた問題を修正
  • 一度に2種のGUIメッセージが表示され、トップメッセージがマウスクリックに反応しないケースが確認されていた問題を修正
  • 以前のコピーが破損して動作しなかった場合に、再インストール後にも GUIクライアント(Parallels Desktop.app)が起動しないケースが確認されていた問題を修正
  • ユーザの資格情報を再入力するように、定期的に要求されるケースが確認されていた問題を修正
  • 「/Users(ユーザー)」以外のロケーションにホームディレクトリが存在する場合に、アプリケーションの再インストールを試みようとしていた問題を修正
  • macOSゲストに、コマンドラインから「Parallels Tools for Mac」をインストールする事ができなかった問題を修正
  • OpenGLとのコンフリクトに起因して、Parallels Transporter Agentが リモートコンピュータ上で定期的にクラッシュするケースが確認されていた問題を修正
  • ダウンロード画面において、日本語の文字が 殆ど表示されていなかった問題を修正

当版におけるシステム要件は、64bitプロセッサを搭載したApple製コンピュータ、ホストOSは「OS X El Capitan(OS X 10.11.6)」以降(「macOS Mojave 10.14」を含む)となっています。Ver. 13にてサポートされていた「OS X Yosemite(OS X 10.10)」は 対象外となりますので御注意下さい(ゲストOSとしてのMac OS X(macOS)のサポートは「Server 10.5」〜「10.14」となります)。また、既知の問題点を含む その他の詳細が、リリースノート、PTN(Parallels Technology Network)等を通じて確認可能となっています。